すぐそばにあったコンバイン袋
職場の更衣室にコンバイン袋をぶら下げている。当サイトの撮影で使ったもので、家にあっても邪魔なのでなんとなく職場に持ってきていたのだ。そのぶん家が広くなるからさ。
そんななかで予定外の荷物が増えて持ち帰りに困ったとき、コンバイン袋が目に入った。これしかない。
装束類、弁当箱、バッテリー、酒瓶、もろもろ詰めてなお余るスペースを見て予感が確信に変わった。コンバイン袋は日常使いに適しすぎている!!
そもそもコンバイン袋は主に米を入れるものなので大容量で軽くて丈夫で安い。
価値を示すブランドロゴもなければ小賢しい内ポケットもついていない。入れる、出す、それだけ。無骨。質実剛健。鞄産業を終わらせにきた鬼子。惚れ込んでしまった。
それからコンバイン袋を日常使いしている。もう3週間になるが、はじめの感動そのままで期待を裏切られることもない。
釈尊は人々が捨てた布類をつなぎ合わせて自らの衣服、糞掃衣としたそうだ。それは浮世から離れた身であることを示す覚悟の表れでもあっただろう。
コンバイン袋の日常使いもそれと同様に、オシャレだの権威だの評判だの世間並みの勝負から降りる決意を表現できるのだ。
気分はまるで修行僧。コンバイン袋の一番の効用は自分に酔えることである。
ショルダーベルトで「コンバイン袋2.0」
コンバイン袋は取っ手が付いているだけなので、持ち運びは多少不便である。ショルダーベルトを取り付けて肩にかけられるようにしたらどうだろうか。
震えたね、おれは。こんな夢のようなバッグを手にできるなんてさ。はじめてカナル型イヤホンで音楽を聴いたときのような感動。まさしくコンバイン袋2.0である。
これで完成としてもいいが、少し歩きづらそうなのでもうひと工夫してみよう。このままでは首脳会談やお見合いなどのフォーマルな場にそぐわない可能性がある。
完璧だ。新たなスタンダードが生まれた。時代のうねる音が鼓膜をつんざくほどの完成度である。
ショルダーベルトとカラビナで機能性が増して非の打ち所がなくなった。というわけで、きょうから3種の神器が一つ増えました。古事記とwikipediaに追記しておいてください。