特集 2024年11月19日

「会議の間に小豆を炊いて、会議終了後にできあがったあんこを皆で食べる」という提案

飛び交う反対意見、出ないアイディア、しかめっ面のクライアント。そんな重苦しい会議なんて、誰もが避けたいはず。

大丈夫、私にお任せあれ。どんな会議でも最後には必ず楽しい雰囲気で終われる、そんな画期的アイディアを皆様に伝授したい。

1980年、東京生まれ。片手袋研究家。町中で見かける片方だけの手袋を研究し続けた結果、この世の中のことがすべて分からなくなってしまった。著書に『片手袋研究入門』(実業之日本社)。

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会議とあんこの同時進行

知り合いの料理人から聞いた話。休日に釣りを楽しんだあとの帰り道、棒に括り付けた魚をバイクの荷台に挿しておくと帰宅するまでには干物が完成していたという(大昔の話ですよ)。

このように「何かをしている間に、別の何かも同時に進行している」という一石二鳥的発想を用いて、会議が確実に楽しくなるアイディアを思いついた。町の寄り合いから大企業の新規プロジェクト会議まで。是非是非、皆さんも導入してみて欲しい。

そのアイディアとは「会議の間に小豆を炊いて、会議終了後にできあがったあんこを皆で食べる」というものだ。

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ある日のデイリーポータルZ会議にて

11月某日。都内某所にてデイリーポータルZの会議が開かれていた。

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参加者は林編集長、私…
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石川、べつやくの四人

投影されるプレゼン資料をもとに鋭い意見が交わされる中、私は静かに椅子から立ち上がった。

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会議中、おもむろに鍋に小豆を投入し始める私
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小豆は500g。今からこれをたっぷりの水で炊いていく

今から会議を行っている横で小豆を炊いていく。約2時間後、会議が終わる頃に小豆はあんこになっているはずだ。

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会議は踊る、小豆は煮える

「そんなことしたら、会議に集中できないだろ!」と思った方、ご安心あれ。基本的には鍋を火にかけたらあとは放っておくだけなので、「会議中に小豆を炊いている」という異常な状況にも皆すぐに慣れてしまう。

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グラグラと煮える鍋を前に、身振り手振りで説明に力が入るべつやくさん
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「私が思うにはですね…」。まったく鍋を気にしていない表情
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林編集長も熱弁。本当に鍋の存在が気にならなくなってる

 

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小豆を炊くとクールダウンの効果も

石川さんの描いたイラストを覗き込んだ時、だいぶアクが出ていることに気付いた。

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話に夢中になっているうちに…
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アクが出てました
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慌ててアクを掬う私。皆の意識も一瞬、鍋に引き寄せられる

あんこを炊く時は、箸でつぶせるほど豆が柔らかくなってから砂糖を投入するのがコツ。最初から入れてしまうと豆が固くなってしまうから気を付けよう。

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事前に用意した緻密なデータをもとにプレゼンしていたが…
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小豆が柔らかくなってたので砂糖を入れる。再び皆の意識が鍋に向く

議論が白熱してきても時折あんこの行程が挟まるので、定期的に皆が冷静になれる。会議中にあんこを炊くと、こんな思いがけない利点もあるのだ。

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砂糖を投入したら、焦げ付かないよう時折優しく混ぜる。林編集長の話を聞いているのだが、真面目に聞いてるように見えない
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完成が見えてきたら水飴と塩少々を加える。これをやっておくとツヤが出て味が引き締まる

 

⏩ 会議終了、あんこも完成

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