今年もゴーヤー弁当の季節がやってきた
ほっともっとのゴーヤー弁当の終売時期は毎年明言されていないが、だいたいいつも夏の暑さが一段落してきた秋頃にふっと店頭から姿を消している。かげろうのように。
唐揚げ弁当もチキン南蛮弁当も美味しいが、今年もきっとゴーヤー弁当ばかり注文してしまう気がしてならない。
持ち帰り弁当の「ほっともっと」を知らない人はいないだろう。ネットで調べてみたら全国47都道府県に2500店舗くらいあるらしい。
そんなほっともっとだが、ここ沖縄県では毎年4月頃になると季節限定で「ゴーヤー弁当」が販売されており、ゴーヤーのシーズンインを告げるちょっとした風物詩的なものになっているのだ。
こちらが沖縄のほっともっと。
見た目的には特に他県と違いはないと思うが、全国のほっともっとは株式会社プレナスが直営しているのに対し、広島県と沖縄県は加盟会社である株式会社ブレンズという会社が運営をしているらしい。ちなみに茨城県もサンコー株式会社という加盟会社が運営しているそうだ。
メニューを見ると唐揚げ弁当やチキン南蛮弁当などおなじみの弁当が並んでおり、ほぼ他県のメニューと変わらないのだが、実は沖縄のほっともっとにはオリジナルメニューが存在する。それが「ゴーヤー弁当」「麩ちゃんぷるー弁当」である。
「ゴーヤー弁当」は通年ある訳ではなくゴーヤーの季節に期間限定で発売されるため、沖縄県民にとってはマクドナルドの月見バーガーよろしく「今年もゴーヤー弁当の季節がやってきたか」のように風物詩的な扱いになっているのだ。
ちなみに沖縄オリジナルの弁当はゴーヤー、麩ちゃんぷるー以外にもちょいちょいラインナップを変えて発売されており、妙に力が入っていることが見てとれる。
他にも沖縄のほっともっとでは清明祭などの行事で使う重箱が注文できたり、全店でお米券が使えたりと県民に寄り添ったサービスが結構ある。
このあたりは株式会社ブレンズの本社が沖縄にあることにも理由があるのかもしれない。
ここからは実際にゴーヤー弁当と麩ちゃんぷるー弁当を見ていこう。
ゴーヤー弁当(下)は580円(←ゴーヤーだからだろうか)、麩ちゃんぷるー弁当(上)は550円。それぞれ、おかずがもう一種類のった「コンビ弁当」も販売されている。
ゴーヤー弁当はご飯の上にゴーヤーチャンプルーとポークランチョンミートが2切れ。
ゴーヤーチャンプルーにはこれまた沖縄ではおなじみの食材「コンビーフハッシュ(コンビーフに茹でたジャガイモが入ったもの)」が使われており、卵の炒め具合も豆腐の切り方もお手本のような美しい仕上がり。食堂などでよく見るTHEゴーヤーチャンプルーだ。
ポークランチョンミートがカリカリに焼かれているのも嬉しい。
だしが効いてゴーヤーの苦みも抑えられているので、初心者にもやさしい味わいに仕上がっていると思う。長らく沖縄に住んでいるとこういうゴーヤーチャンプルーが無性に食べたくなる日があるのだ。
こちらは麩ちゃんぷるー弁当。こちらも、これぞ麩ちゃんぷるーといった佇まいで良い。
沖縄の弁当屋さんで売られている弁当のおかずの一品として麩ちゃんぷるーが入っていることはよくあるのだが、麩ちゃんぷるーだけたくさん食べたい時にはほっともっとの弁当がとてもありがたい。
卵がしっかり絡まった麩のふわふわモチモチとした食べごたえのある食感が最高だ。
余談なのだが、沖縄のほっともっとを運営している株式会社プレナスは、定食屋「やよい軒」もフランチャイズ展開している。
ほっともっとに沖縄限定メニューがあるように、沖縄県内のやよい軒には「沖縄そば」もあるし「Aランチ」「Bランチ」「Cランチ」という沖縄限定メニューが存在しているのだ。
他にも牛丼チェーンの吉野家にはタコライスがあるし、ファミリーレストランのジョイフルには煮付け定食やゆしどうふ定食なんてものもある。
そうなってくると沖縄旅行の食事の穴場として全国チェーンのお店で沖縄限定メニューを食べる、みたいな選択肢もあるのではないだろうか。
もう何度も沖縄を訪れているリピーターの方や、出張で沖縄を訪れてなかなか食堂まで食べに行く時間がないという方でも、沖縄ならではの食事がサクッと楽しめる。
おそらくガイドブックには載っていない沖縄限定フードだ。
ほっともっとのゴーヤー弁当の終売時期は毎年明言されていないが、だいたいいつも夏の暑さが一段落してきた秋頃にふっと店頭から姿を消している。かげろうのように。
唐揚げ弁当もチキン南蛮弁当も美味しいが、今年もきっとゴーヤー弁当ばかり注文してしまう気がしてならない。
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