特集 2020年6月2日

飴噛みレビュー2020

噛み砕くことを前提とした飴玉全40種類のレビューです

突然だが、私は飴は噛むモノであると思っている。 誰がなんと言おうと、そう思っている。――という出だしの記事を2007年に書かせて頂いた。→「飴噛みレビュー40

私は口に入れた飴玉を無意識のうちに噛んでしまうクセがあり、それならいっそのこと飴を舐めるのではなく、噛むことを前提としたレビューをしてみようという記事である。

早いものでもう13年近くが経つが、三つ子の魂百までとは言ったもので、私は今もなお飴玉を噛み砕いている。それだけ時間が経てば、新しい商品が出たり、味覚や嗜好に変化があったりするのではないだろうか。

というワケで、今再び、噛んでおいしい理想の飴を探すべくレビューしてみたい。

1981年神奈川生まれ。テケテケな文化財ライター。古いモノを漁るべく、各地を奔走中。常になんとかなるさと思いながら生きてるが、実際なんとかなってしまっているのがタチ悪い。2011年には30歳の節目として歩き遍路をやりました。2012年には31歳の節目としてサンティアゴ巡礼をやりました。(動画インタビュー)

前の記事:麻婆に溺れたい

> 個人サイト 閑古鳥旅行社 Twitter


飴噛みの作法

今回、改めてレビューするにあたり、飴を噛んで味わう方法は以下の通りである。基本的に、以前のやり方をそのまま踏襲している感じだ。

001.jpg
飴を口に含んで少し転がし、飴本来の味を確認する
002.jpg
奥歯で2、3回軽く噛んでから、力を篭めて噛み砕き、飴の歯ごたえを楽しむ
003.jpg
砕いた破片の食感、そして余韻を味わう

なお、今回も用意した飴は40種類である。かつてレビューしたものは避けつつ、できるだけ多彩なジャンルの飴を幅広くそろえたつもりだ。それでは2020年の飴噛みレビュー、行ってみよう!

 

ミルク・飲料系

ミルクの国(春日井製菓株式会社)

価格:148円
内容量:125g(20個)
キャッチコピー:自然なコクの濃厚な味わい

004.jpg
1984年に発売された、超オーソドックスなミルクキャンディだ
005.jpg
この凹凸で表面積が増し、口の中で溶けやすくなっている

私も昔から食べていた、実に懐かしい味である。やや硬めだが、強めに噛むと小気味良くパキッと割れる。ザクザク、ジャリジャリとした破片の噛み応えも気持ち良い。

まさにTHEミルクキャンディというべき安定したおいしさだ。たしかに濃厚なコクがあるが、甘すぎるということはなくクドさは感じない。思えば幼いころから食べていたこの飴こそ、私の飴噛み歴のルーツであったような、そんな気さえする。

硬さ:★★★★★★★☆☆☆
甘さ:★★★★★★☆☆☆☆
飴噛み度:70点

金のミルク濃い贅沢(カンロ株式会社)

価格:175円
内容量:80g(19個)
キャッチコピー:ミルクそのままのおいしさ

040.jpg
シャンパンゴールドのパッケージが眩しく高級感がある
041.jpg
見た目はオーソドックスなミルクキャンディだが……

うーむ、確かに濃いミルクという感じだ。生クリームの風味もかなり感じられるが……どことなく、いささか脂っぽいような。パッケージに乳脂肪分14.6%とあるので、ひょっとしたらその為だろうか。

硬さはちょうど良く気持ち良く噛み砕くことができるのだが、細かな破片になるとさらに濃厚さが顕著となって脂が強く感じる。ひょっとして、私の体はもう脂質を必要としていないのだろうか。最近は肉の脂身も食べられなくなってきているし、これが年を取るということなのだろうか。

硬さ:★★★★★★☆☆☆☆
甘さ:★★★★★★★★☆☆
飴噛み度:55点

生クリームバニラ(株式会社榮太樓總本鋪)

価格:185円
内容量:80g(22個)
キャッチコピー:北海道根釧地区産生クリーム使用マダガスカル産バニラビーンズ使用

042.jpg
コクのある生クリームを使用しているとのことだ
043.jpg
黒いツブツブはバニラビーンズである

こちらもまたこってりとした感じのミルクキャンディである。その名の通り生クリームが表に出ているが、脂っぽさはさほどでもない。……が、とにかく甘い。あまあまだ。バニラの味は……うーん、正直分からない。

とりあえずバリバリ噛んでみると、あ、少し遠くにバニラの風味が見えた気がする。生クリームとバニラの親和性が良すぎて気が付かなかったが、ちゃんと生クリームの陰にバニラが潜んでいるじゃぁないか。噛んでみて、初めて気付くこともある。それもまた、飴噛みの楽しみである。

硬さ:★★★★★★★☆☆☆
甘さ:★★★★★★★★☆☆
飴噛み度:60点

カルピスキャンディ(アサヒグループ食品株式会社)

価格:180円
内容量:100g(25個)
キャッチコピー:さわやかでやさしい4種の味わい

 

006.jpg
おなじみの乳酸菌飲料、カルピスのキャンディである
007.jpg
フレーバーはカルピス(白)、ぶどう、オレンジ、りんごの4種類

うむ、実にカルピスらしい爽やかな味わいで、初夏にピッタリな飴である。やや小粒ではあるものの、その分、強度は低めで強めに噛むとあっさり割れる。特に「カルピス(白)」の優しい酸味が心地良い。

フルーツ味のフレーバーもバラエティ豊かで良いのだが、香料がやや強くて甘みがあり、カルピスの風味は控えめとなっている。フルーツ味は子供にはウケが良いのだろうが、個人的には全部「カルピス(白)」でも良いかもしれない。

<カルピス(白)>
硬さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★☆☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:75点

<ぶどう、オレンジ、りんご>
硬さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:62点

三ツ矢サイダーキャンディ(アサヒグループ食品株式会社)

価格:135円
内容量:136g(30個)
キャッチコピー:飲料キャンディ売上1位

 

008.jpg
こちらもご存じ、三ツ矢サイダーのキャンディ
009.jpg
サイダー、パイン、もも、メロン味のアソートである

舐めるとシュワシュワとした刺激が感じられ、爽やかに弾ける三ツ矢サイダーの炭酸を再現している。4種類のフレーバーのうち、サイダー味の中にはより強いシュワシュワのパウダーが入っており、噛み砕くとそれが一気に出てきてとても楽しい。飴の破片のバリバリとした食感&甘みと、シュワシュワパウダーが織り成す相乗効果が物凄く良い感じだ。まさに噛んでくださいと言わんばかりの飴である。お望み通り噛んであげよう。

パイン、もも、メロン味にはシュワシュワパウダーが入っておらず、その分、飴の硬さが跳ねあがっている。とはいえ、わざとらしくない自然なフルーツ感があってこれはこれでおいしい。噛むという点で見ればサイダー味一択ではあるのだが。

<サイダー>
硬さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★★☆☆☆☆☆
飴噛み度:90点

<パイン、もも、メロン>
硬さ:★★★★★★★☆☆☆
甘さ:★★★★★★☆☆☆☆
飴噛み度:45点

無添加レモネードキャンデー(ノーベル製菓株式会社)

価格:158円
内容量:90g(23個)
キャッチコピー:素材にこだわったあまずっぱい自然なおいしさ

010.jpg
上品で落ち着いた感じのパッケージだ
011.jpg
飴玉はかなりストイックな見た目である

おぉ、これはガツンとくる。まさにレモンというべき酸っぱさだ。レモネードと名乗ってはいるものの甘さは控えめで、うま酸っぱいという表現がピッタリである。おそらく子供は好まないであろう、完全に大人向けの飴だ。

やや小粒ではあるがかなり硬く、噛み砕くにはかなりの力を要する。砕けた後の歯ごたえもボリガリボリとなかなかに強烈だ。噛むにはそれほど適しているとはいえないが、普通に飴として個人的にかなり好みの味である。いくらでも食えそうだ。

硬さ:★★★★★★★★★☆
甘さ:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:70点

はちみつ100%のキャンデー(株式会社扇雀飴本舗)

価格:175円
内容量:51g(15個)
キャッチコピー:はちみつだけで、つくりました。

012.jpg
文字通り、原材料がはちみつだけの飴である
013.jpg
花をイメージしているのであろう飴の形状がかわいらしい

うむ、その名に偽りなし。はちみつをそのまま固めたという感じの味である。かなり濃厚な甘みと風味だ。小粒ではあるもののかなり硬く、相当力を入れて噛まないと割れない。ようやく砕けた破片もギシギシとした感じで噛み心地が良いとはいえない。

いや、うまい飴ではあるのだが、いかんせん、物凄く濃ゆいので噛み砕くと蜂蜜の甘さが一気に来て喉がイガイガする。これは噛むにはまったく適していない、素直に舐めて味わうべき飴である。

硬さ:★★★★★★★★★★
甘さ:★★★★★★★★★★
飴噛み度:20点
フルーツ系

和歌山みかん飴(川口製菓株式会社)

価格:145円
内容量:100g(19個)
キャッチコピー:甘酸っぱくて美味しいみかんの味わい

014.jpg
中にみかんピールのペーストが入っている飴とのこと
015.jpg
シンプルで安心感のある見た目である

口に入れてまず思ったのが、懐かしい感じというか、駄菓子的な香料の効いたオレンジ味である。噛まずとも舌で押しただけで飴が割れ、中から少し苦みのあるペーストが顔をのぞかせた。ほぉ、こう来たかという感じだ。

砕けた飴と粘り気のあるペーストが絡み合って、ソフトキャンディのような食感でもある。かなり甘いが、みかんピールの苦みと酸味が相まって後味はスッと消える。シンプルな見た目ながら、なかなか複雑で計算された感のある味わいだ。うん、これはこれで良いぞ。

硬さ:★★★☆☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★★★☆☆☆☆
飴噛み度:68点

100%CANDYりんご(カンロ株式会社)

価格:188円
内容量:65g(18個)
キャッチコピー:果物のおいしさをぎゅっと濃厚に味わえる、りんご果汁100%のキャンディです

016.jpg
垢ぬけた感じのパッケージデザインである
017.jpg
シックな雰囲気が漂う飴だ

駄菓子感のあったみかん飴とは対照的に、リンゴジュースをそのまま飴にしたかのような、本格派のフルーツキャンディである。香りが高く、ジューシーかつフルーティ。パッケージの印象通り、味も洗練されている。

噛むには少し硬めであるが、砂のように細かく砕けるので、そのザクザクとした食感がなかなか良い。駄菓子的な飴玉とは一線を画す、フルーツキャンディの進化形を垣間見た気分である。

硬さ:★★★★★★★☆☆☆
甘さ:★★★★★★☆☆☆☆
飴噛み度:74点

濃厚トマト(株式会社扇雀飴本舗)

価格:158円
内容量:85g(23個)
キャッチコピー:完熟トマトの濃い味わい

018.jpg
トマトのキャンディなんて食べるのは初めてだ
019.jpg
見た目はリンゴやイチゴのようだが……

口に入れても、すぐには味が分からなかった。舌の上で転がしているうちに、「あ、トマトだ」と脳が分類してくれた感じだ。なんていうか、甘いトマトなのである。マズくはないのだが、これまでの人生においてこのような味の飴を食べたことがないので、なんとも不思議な感じだ。トマトの味に加えて青っぽい苦みもあり、体には良さそうである。

噛み砕くと、トマト本来の味とはちょっと違う酸味と苦みが出てきた。少し化学的な風味が感じられ、ますます脳が混乱する。うーん、そもそもトマトキャンディの味自体に不慣れなのだし、これは噛まずに舐めるべきか。

硬さ:★★★★★★★★☆☆
甘さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:25点

東京のブルーベリーキャンディ(佐久間製菓株式会社)

価格:175円
内容量:65g(21個)
キャッチコピー:東京のブルーベリーを使い東京の工場で飴を作りました。

020.jpg
やけに東京を推しているブルーベリー・ヨーグルト味のキャンディである
021.jpg
個包装を開けると、ブルーベリーの香りが漂う

この飴に使われているブルーベリーは、日本におけるブルーベリー栽培発祥の地である東京都小平市産のものとのことだ。小平市がブルーベリーの産地であるなど、全くもって知らなかった。なんでも日本のブルーベリーの出荷量は第1位が長野県で、東京都はそれに次ぐ第2位なのだそうだ。

ブルーベリーのみならずヨーグルトが入っているのでマイルドで爽やか。軽めに噛んだ時には硬いかと思ったものの、一度ヒビが入ると一気に砕けてバリバリ噛める。ブルーベリーの香り、ヨーグルトの酸味、キャンディの甘さのバランスがちょうど良い。噛んでも舐めても楽しめる飴である。

硬さ:★★★★★★★☆☆☆
甘さ:★★★★★☆☆☆☆☆
飴噛み度:70点

瞳はブルーベリー(川口製菓株式会社)

価格:158円
内容量:100g(19個)
キャッチコピー:濃い紫色の実がなる健康果実ブルーベリーとビタミンAのキャンデーです。

022.jpg
こちらは目に良いというビタミンAを強調している
023.jpg
見た目はかなりストイックな感じだが、果たして味はいかに

硬派な見た目に比べて味はあまあまスイートである。中にペーストが入っているタイプなので飴は柔らかく、軽く噛んだだけで割れて中身が出てくる。なんだか「和歌山みかん飴」に似ているなと思ってパッケージを見たら、なるほど同じメーカーであった。みかん飴のブルーベリーバージョンといった感じだ。

ブルーベリーとはいえ果実や果汁ではなくエキスのみの使用に留まっており、フルーツ的な瑞々しさはあまりない。みかん飴と同じく駄菓子的な味わいではあるものの、これはこれで安定しているともいえる。

硬さ:★★★☆☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★★★★☆☆☆
飴噛み度:62点
いったん広告です
のど飴系

ヴィックスのど飴シトラスミックス(大正製薬株式会社)

価格:225円
内容量:70g(18個)
キャッチコピー:のどすっきりリフレッシュ!

024.jpg
かなり本格的な雰囲気が漂うのど飴である
025.jpg
シトラスの香りが爽やかだ

硬そうな見た目に反して、噛んでみると簡単にパキッと砕ける。シトラスの風味と酸味が爽やかで、べたついた感じもなく実にサッパリしている。のど飴にありがちな辛さや苦さはなく、砕けた飴が一気に溶けて喉に落ちていく感じが気持ち良い。

のど飴なだけあって爽快感が強く、口の中に飴がなくなった後も清涼感がしばらく続く。深呼吸すると鼻から喉にかけてスースーして、気分転換にピッタリだ。他の飴よりは少し割高だが、その価格に見合うだけの効果である。

硬さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★☆☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:80点

カリンのど飴(株式会社ロッテ)

価格:168円
内容量:110g(26個)
キャッチコピー:カリンポリフェノール入り

026.jpg
一袋にたくさん入っていてお得感が強い
027.jpg
昔からあるおなじみののど飴だ

よく店頭で見かけるのど飴だが、改めて味わうのは久しぶりだ。定番商品ではあるものの、自分では買わないタイプののど飴だ。味は記憶していたよりも甘く、様々なハーブが使われている為か少し漢方的な風味があるので子供は苦手だろうな。

結構硬めで、噛み砕くとメントールの爽快感と苦みが一気にくる。それがなかなかに強烈で、喉のみならず胃の辺りまでスースーするので息をするだけでちょっと寒くなってきた。ゆっくり味わうべき飴であるが、リフレッシュしたい時には噛むと良いだろう。

硬さ:★★★★★★★☆☆☆
甘さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:40点

はちみつレモンCのど飴(カンロ株式会社)

価格:155円
内容量:90g(21個)
キャッチコピー:まろやかなはちみつにレモンが爽やかに香る、おいしく癒されるのど飴です。

028.jpg
かわいらしく、あたたかみのあるパッケージである
029.jpg
最近、こういうやさしい言葉が心に沁みる

のど飴ではあるものの、メントールを使っていないのでスースーはしない。最初は「紅茶みたいだな」と思ったが、それは紅茶ではなくはちみつ&レモンの風味であった(レモンティーの味に似ていたのだ)。

少し硬めではあるものの、形が扁平なので割と噛み砕きやすい。結構甘いが後味はスッキリしている。確かに刺激はなく優しい味わいなので、風邪を引いた時に良いのだろう(個包装に書かれているメッセージもお見舞い的なものが多いし、メーカーも風邪の時に舐めることを想定しての商品なのだろう)。私はたとえ体が弱っていても、きっと舐めずに噛み砕くのだろうが。

硬さ:★★★★★☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★★☆☆☆☆☆
飴噛み度:72点

はなどの飴EX(株式会社浅田飴)

価格:198円
内容量:70g(22個)
キャッチコピー:強力メントールではなとのどがスースーするレモン味のおいしいキャンデーです。

030.jpg
歌舞伎の隈取デザインが印象的なのど飴である
031.jpg
一見すると爽やかなレモンキャンディーのようだが……

うわ、なんかすごい匂いだ。風邪薬の改源みたいというか、まさに漢方という感じである。口に含んでいるうちから既にかなりスースーしており、噛み砕くとそれが一気に噴出した。口から喉まで冷たい風が吹き抜けるようだ。

そのメントールの効き具合はヴィックスを越え、今回食べたものの中では一番かもしれない。花粉の時期に食べると鼻の通りが良くなるのではないだろうか。相当キツめなので、眠気を吹き飛ばしたい時とかにボリボリやるとスッキリすることだろうが、普段はオススメしない。

硬さ:★★★★★★★☆☆☆
甘さ:★★☆☆☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:35点

まるのまんまゆずののど飴(佐久間製菓株式会社)

価格:155円
内容量:90g(19個)
キャッチコピー:国産ゆず果汁を丁寧に練り込み飴の中にもゆずパウダーを入れました

032.jpg
何となく手に取ってしまうタイプの手書き風パッケージだ
033.jpg
ゆずが香る球形の飴玉である

てっきり甘めなのかと思いきや、思っていたより酸味があってサッパリしてる。外側の飴はかなり硬いが、中にパウダーが入っているので力を籠めればパキッと割れる。ゆずパウダーは少し苦みがあるものの、決して不快な感じではなく味に深みを与えている。なかなかに意外性の高い飴だ。

のど飴なので多少スースーしているが、それも控えめな感じなので普通の飴としても全然イケる。舐めても噛んでも美味しい、実に手堅い感じの飴である。

硬さ:★★★★★★☆☆☆☆
甘さ:★★★☆☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:60点

まるのまんまマンゴーののど飴(佐久間製菓株式会社)

価格:158円
内容量:83g(18個)
キャッチコピー:沖縄県産マンゴー果汁を丁寧に練り込み飴の中にもマンゴー風味パウダーを入れました

034.jpg
ゆずのど飴のマンゴーバージョンである
035.jpg
こちらはかなり甘い香りがする

匂いも甘いが、飴も甘い。けれどのど飴ということもあってか、普通のマンゴーキャンディと比べたらあっさりしているのだろう。硬さはゆずとまったく同じで、食感もまたしかり。

飴の中に入っているマンゴーパウダーには苦みがあり「ん?」と思ったが、まぁ、これはこれでイケる。酸味も少しあって、バランスは取れていると思う。ただ、ゆず以上にのど飴感が薄いので、清涼感を期待して買ったら肩透かしを食らうだろう。ややサッパリめのマンゴーキャンディといった感じだ。

硬さ:★★★★★★☆☆☆☆
甘さ:★★★★★☆☆☆☆☆
飴噛み度:54点

だいこんしょうがのど飴(川口製菓株式会社)

価格:145円
内容量:120g(23個)
キャッチコピー:昔からのどの不快な時重宝してきた大根汁と生姜汁をたっぷり練り込みました。

036.jpg
なかなかに攻めた感のあるのど飴である
037.jpg
美しい色合いであるが、さてはて味はどうだろう

うぉ、生姜だ。口に入れた瞬間ピリッときた。これはかなり辛いぞ。原材料を見ると生姜汁に並んで大根汁と記されているが、正直言って大根はどこにあるのか全く分からない。味の為というよりは栄養価としての材料なのだろうか。

硬さはさほどでもなく、バリバリ噛み砕くことができる。……が、昔ながらの飴をベースにしているようで結構甘みが強く、また少し粘り気があるので歯に残る。砕けた飴の破片を舐めているうちに、生姜が効いてきたのは心なしか体が熱くなってきた。のどの不調のみならず、風邪の時にも効きそうな感じである。

硬さ:★★★★★★★☆☆☆
甘さ:★★★★★☆☆☆☆☆
飴噛み度:47点

厄除川崎大師家傳せき止飴(株式会社松屋総本店)

価格:175円
内容量:60g(13個)
キャッチコピー:第二十六回(平成二十五年)全国菓子大博覧会最高位名誉総裁賞受賞

038.jpg
明治元年創業、老舗のせき止め飴である
039.jpg
薬臭いだろうと思っていたのだが、意外にも無臭だ

せき止め飴と聞いて、漢方薬っぽい味なのだろうと勝手に思い込んでいたのだが、意外にも普通の飴である。少しシナモンの風味がするが、それ以外は昔ながらの伝統的な飴玉だ。説明文にハッカなど刺激の強い香料は一切使用していないと書いている通り、優しい風味が飴の甘みとほど良くマッチしている。

ベースは日本の伝統的な飴なので、噛み応えはベッコウ飴に近いギシギシ、ザラザラといった食感である。パッケージは純和風なのでお年寄り向けな印象を受けがちだが、子供にも全然イケるだろう。こんなにおいしい飴だとは思わなかった。ついつい食べ過ぎてしまいそうだ。

硬さ:★★★★★★★★☆☆
甘さ:★★★★★★★★☆☆
飴噛み度:70点
いったん広告です
ミネラル補給・塩系

熱中飴(井関食品株式会社)

価格:208円
内容量:100g(21個)
キャッチコピー:一に水分補給二に塩分補給暑い季節お仕事スポーツにガツンと塩辛すっぱいレモン塩味

044.jpg
最近多く見られるようになった、熱中症対策の飴である
045.jpg
レモン風の黄色に、塩を連想させる白っぽい色が混じっている

13年前には存在していなかったが、今やひとつのジャンルとしてすっかり定着したのがミネラル補給系のキャンディである。熱中症対策ということで、ここ数年で一気に広まったように思う。

口に入れてみると、かなり塩気の強い飴である。酸味もかなり効いているが、それ以上に塩の味が強く、甘みはさほど感じない。飴としてのおいしさよりも、機能性を重視した商品といった感じだ。

確かに熱中症防止には良さそうな味ではあるが、噛むとより一層塩気が強く感じられる。口の中で破片がすべて溶けた後も、ミネラル由来の味なのだろうか、なんとなく苦みというかエグみが残っている。これは一気に噛み砕かず、舐めながら徐々に溶かした方が良いだろう。

硬さ:★★★★★★★★☆☆
甘さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:32点

応塩飴(佐久間製菓株式会社)

価格:168円
内容量:90g(24個)
キャッチコピー:暑い日やスポーツ時の塩分補給に!

046.jpg
これもまた色々な会社が出しているミネラル補給系飴のひとつだ
047.jpg
気温が25度を越えると、右のように個包装にサインが現れる(これは指でこすった)
048.jpg
フレーバーはスイカ、レモン、ライチの3種類だ

まずはスイカ味を食べてみたのだが、これが思っていたよりもスイカである。塩をかけたスイカだ。塩飴にありがちなエグみも少なく、なかなかにおいしい。硬さもさほどではなく、ボリボリ噛んでいて楽しい飴だ。ただ、やはりしょっぱさは口に残る。商品のコンセプト上、こればかりはしょうがないのだろうが。

ライチ味もまぁうまい。ソルティライチのジュースが人気商品になったのも頷ける(私も大好きなドリンクだ)、ライチと塩はとても良く合う。

レモン味は口に入れて「ん?」と思ったが、これはレモン+塩という味に少し驚いた為で、慣れてくればまぁイケる。他の二種と比べて酸味が強いので、先ほどの熱中飴を少しマイルドにしたような感じである。噛み砕いた後のアフター・フレーバーは熱中飴よりもこちらの方が良い。

硬さ:★★★★★★★☆☆☆
甘さ:★★★★★☆☆☆☆☆
飴噛み度:52点

食べる塩レモンキャンディ(松屋製菓株式会社)

価格:158円
内容量:80g(20個)
キャッチコピー:サクッと噛んで手軽に塩分補給!

049.jpg
ここにきて、ついに「食べる」キャンディが現れた
050.jpg
中に塩分&クエン酸の顆粒が入った飴である

噛んで、食べる、というコピーからも分かる通り、これは飴でありながら舐めるのではなく噛むことを前提としている。まさに私の飴噛みの理念を体現した商品だ。仕事中に飴玉をころころ転がしているのはよろしくないというような現場で、素早くミネラルを補給する為に開発されたのだろう。

外側の飴は極めて薄く、軽く噛んだだけで粉々に砕けて中の顆粒が飛び出してくる。あまりに脆いので、個包装を開ける前から砕けているものもあった。食感はおこしのような感じで、ザクザクと噛んでいて楽しい。レモンの酸味も効いていてこれはこれでおいしいのだが……正直、飴という感覚はあまりない。もはや飴とは別物のお菓子なのではないかと思う。

なんというか、噛むことを前面に出したコピーといい、飴の脆さといい、お膳立てされすぎているような気がするのだ。露骨な接待ゴルフのようで、飴噛みストとしてはいささかの物足りなさを感じるところがなくもない。それでも噛んでうまいのは紛れもなく事実なので、なんだか悔しい。歯ぎしりしながらも高得点を付けざるを得ない。

硬さ:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★☆☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:92点

塩すいか飴(宮川製菓株式会社)

価格:198円
内容量:70g(23個)
キャッチコピー:すいか果汁入りのかわいいキャンディです。

051.jpg
小さいスイカ型の飴がたくさん入っている
052.jpg
これまでの塩飴とは一味違い、手作りっぽい雰囲気のある飴だ

口に放り込んでみると、これは飴である。工業製品的なキャンディではなく、手造りの飴というような味と甘さなのだ。噛み砕くとスイカの風味が鼻を抜け、最後にほのかな塩味がやってくる。これまでのミネラル補給系飴はさらっとしたものが多かったが、これは少しべたついていており、昔ながらの伝統的な飴に塩を加えた感じである。

決して悪くはなく、小ぶりな大きさも噛むにはちょうど良い。外側のスイカ模様のみならず、実の内部を赤や黄色で再現しているのも手造りっぽくて高ポイントだ。縁側で風鈴の音を聞きながら噛み砕きたいような、夏にピッタリの飴である。

硬さ:★★★★★★★☆☆☆
甘さ:★★★★★★★☆☆☆
飴噛み度:56点

グリーンダ・カ・ラキャンディ(株式会社ロッテ)

価格:175円
内容量:79g(25個)
キャッチコピー:ミネラル補給この商品のミネラルとは、ナトリウム・カリウムのことです。

053.jpg
おなじみの水分補給飲料「ダ・カ・ラ」のキャンディだ
054.jpg
ダ・カ・ラは水に近い薄めの飲み物という印象だが、飴はどうなのだろう

ほぉ、これはこれは、柑橘系の香りが爽やかなキャンディである。ドリンクのダ・カ・ラよりも味がしっかりしており、ポカリスウェットのようなスポーツドリンクの味がする。おいしいじゃないか。

硬さもほど良く、カリカリ噛めて良い感じだ。甘さ控えめなので、噛み砕いても甘ったるくなることはなく後味もスッキリしている。ミネラル補給系では「食べる塩レモン」に次ぐ、噛むのに適した飴である。

硬さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★☆☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:72点

濃厚ほろにが塩キャラメルキャンディ(カンロ株式会社)

価格:188円
内容量:70g(17個)
キャッチコピー:上質なデザートの味わいを楽しめる、素材や製法にこだわった大人の絶品グルメキャンディです。

055.jpg
濃厚な塩キャラメルのキャンディである
056.jpg
色の薄い部分と濃い部分がまだらになっていて、おいしそうな見た目だ

うぉ、これは甘い。甘いぞ。キャラメルを名乗ってはいるが、少し苦みがある為か、どちらかというとコーヒーっぽい。まぁ、おいしいのだけれど。

かなり硬めではあるが、ヒビが入ると一気に割れる。舐めているだけでは気付かなかったが、噛み砕いた途端に隠れていた塩が出てきて、なるほど、まさに塩キャラメルといった感じである。

買った時は塩分補給のキャンディかなと思っていたのだけど、これは明らかに違う。いつぞやブームになった塩スイーツってやつだ。塩味が濃厚な飴の味を際立たせており、涼しい日にじっくり噛みしめ味わいたいキャンディである。

硬さ:★★★★★★★★☆☆
甘さ:★★★★★★★★★☆
飴噛み度:70点

焦がしミルクと塩チョコ塩の花(味覚糖株式会社)

価格:178円
内容量:80g(16個)
キャッチコピー:おいしさ華やぐ塩スイーツ

057.jpg
お次は焦がしミルクとチョコである
058.jpg
外側がミルク、中にチョコの破片が入っている

うーむ、焦がしというのはよく分からないが、少し塩気のあるミルクキャンディである。かなり甘めかつ硬めだが、強く噛むと飴が弾けて中のチョコが現れる。さらに噛み続けると飴とチョコが一体となって調和し、飴の甘さと塩気、チョコの苦みとコクがお互いを引き立て合っている。

飴の硬さからして噛むことを前提とした作りではないとは思うのだが、舐めるよりも噛んだ方がその真価を引き出すことができる飴であることは間違いない。これは間違いなくうまいぞ。

硬さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★★★★★☆☆
飴噛み度:95点

塩あずき(味覚糖株式会社)

価格:158円
内容量:109g(22個)
キャッチコピー:あずきの上品な甘みを塩でやさしく引き立てました

059.jpg
小豆を前面に出した和の塩スイーツである
060.jpg
見た目はなんだか黒飴っぽいが……

これは思った以上に小豆だ。小豆の皮の渋みまであって、物凄い餡子感である。よくもまぁ、ここまで小豆の味を忠実に再現したものだと感心してしまった。

飴の中にはペースト状の小豆が入っていて、噛み砕くとザラっとした小豆の食感が楽しめる。まさにぜんざいをそのまま固めたような飴である。塩気もあるので、酒のつまみにもなるのではないかと思う。いやはや、実におもしろい飴だ。

硬さ:★★★☆☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★★★★☆☆☆
飴噛み度:85点

塩あめ(春日井製菓株式会社)

価格:145円
内容量:160g(21個)
キャッチコピー:ほどよい甘さと塩の旨味でさっぱりと仕上げました。

061.jpg
ここで来たるは昔ながらの塩飴である
062.jpg
美しい無色透明の結晶に、溶けやすいよう波模様が刻まれている

あぁ、なんとも懐かしい。最初に食べた「ミルクの国」と同じくらい、子供の頃から食べてきた思い出の味である。おばあちゃん家に行くと、いろいろなお菓子と混じってこの飴が菓子受けに入っていたものだ。

塩飴とはいっても、最近台頭したミネラル補給系のような塩気は少なくむしろ甘い。昔ながらの飴なのでかなり硬く、なおかつ少しベタつき歯に残るのが難点だ。だが、それを上回るうまさがある。昔から現在まで定番商品としてあり続けている理由が分かるというものだ。

硬さ:★★★★★★★★☆☆
甘さ:★★★★★★★★★☆
飴噛み度:60点
いったん広告です
コーヒー・ポップ系

直火炊き製法炭焼珈琲キャンディ(春日井製菓株式会社)

価格:145円
内容量:100g(15個)
キャッチコピー:香り際立つ、深い味わい

071.jpg
三角形の個包装が印象的なコーヒーキャンディ
072.jpg
これも随分前からあるよなと思って調べたら、1988年の発売だった

粒が少し大きめのコーヒーキャンディだ。口に入れるとコーヒーの香りが漂い、かなり本格的な感じである。舐めている間はコーヒーの風味も甘さもちょうど良い。

……が、噛み砕いた途端に苦みと渋みが一気に噴出する。その威力は思わず顔をしかめるほどだ。眠気を覚ましたいのであれば思い切って噛むと良いかもしれないが、そうでないなら素直に舐めるべきですな。

硬さ:★★★★★★★☆☆☆
甘さ:★★★☆☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:25点

コメダ珈琲店キャンデー(サクマ製菓株式会社)

価格:188円
内容量:75g(18個)
キャッチコピー:くつろぐ、いちばんいいところそのくつろぎをいつでも、どこでも、キャンデーで…。

073.jpg
コメダ珈琲には入ったことがないので、この飴に味を教えてもらおう
074.jpg
ブレンドコーヒーとミルクコーヒーの二種類だ

まずはブレンドから食べてみたが、これはまたうまいコーヒーキャンディである。かなり苦い。苦いのだけれど、香りが高くてうまい。噛み砕いても苦みや渋みはなく、むしろナッツのような香ばしい風味が漂って良い感じだ。舐めても良し、噛んでも良しの万能選手である。

一方でミルクはとてもクリーミー。だがちゃんとコーヒーの味もしっかりしている。これぞミルクコーヒーキャンディというべき味わいだ。噛み砕くとさらに濃厚なミルク味となり、これがまたうまい。ブレンドと明確な差別化が図られているので、一袋で二度おいしい、なんともお得感のある逸品だ。

硬さ:★★★★★☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
飴噛み度:78点

珈琲茶館(カンロ株式会社)

価格:155円
内容量:72g(18個)
キャッチコピー:なめらかなくちどけ

075.jpg
個人的に、ノンシュガーの飴はあまり好きではないのだが……
076.jpg
こちらも二種類、エスプレッソとカプチーノである

パッケージに書かれた「ノンシュガー」や「人工甘味料不使用」の文字に少し不安を覚えながらもまずはエスプレッソを口に入れてみたのだが……おや、結構甘いぞ。不思議に思ってパッケージの裏を見ると、でんぷんから作った「還元水飴」を使っているとのこと。なるほど、砂糖は使っていないけど、それに代わる天然の甘味料を使っているということか。

エスプレッソというと圧力を一気にかけて抽出した濃くて苦いコーヒーというイメージがある。この飴もまぁまぁ苦いがそれほどでもないかな……と思いきや、噛み砕くとかなりの苦みが出てきた。かなり硬めで噛み応えはバリバリ、細かくなるとギシギシとした食感に変わる。

カプチーノはミルクのまろやかさが加わるが、基本的にはエスプレッソと同じ感じ。噛み砕くとわずかな塩気が後に残り、ちょっとキャラメルっぽい感じもする。どちらも決して悪くはないのだが、これは噛むよりも舐めた方が良いだろう。

硬さ:★★★★★★☆☆☆☆
甘さ:★★★★★☆☆☆☆☆
飴噛み度:35点

ソフトクリームキャンデー(株式会社扇雀飴本舗)

価格:178円
内容量:70g(17個)
キャッチコピー:かわいいソフトクリーム型のキャンデー♪

077.jpg
なんともポップなパッケージだが、これも私が子供の頃からあった気がする
078.jpg
そうそう、ソフトクリーム型のテカテカした飴なんだ

口に入れてみると、記憶の通り甘い。それも今風の飴の甘さではなく、昔ながらのミルクキャンディ―といった味わいだ。あぁ、こんな感じだった、そうだった。

バニラ味とのことだが、バニラがどこにいるのかイマイチ分からない。噛むとミルクの風味が広がって……あ、バニラいた。飛び散った破片をさらにジャリジャリ噛んでいると、再びバニラが顔をのぞかせる。飴を噛むというのは、飴の中に潜んでいる様々な味を探しだすという行為でもあるのだ。

硬さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★★★★★☆☆
飴噛み度:55点

タピオカミルクティーキャンデー(ノーベル製菓株式会社)

価格:175円
内容量:90g(18個)
キャッチコピー:まるで本場のような味わい

079.jpg
昔からある飴だけでなく、新しいタイプも試してみよう
080.jpg
もうブームは去ったようだが、今、あえてのタピオカミルクティーである

とりあえず口に放り込んでみると、うむ、これは紅茶キャンディーだ。少し渋みを感じるくらい、かなり濃い目に淹れた紅茶である。少し歯を立てると飴は簡単に砕け、中から柔らかいモチのようなペーストがにゅるりと出てきた。これがタピオカを表現しているらしい。

もちもちのペーストに飴の破片のパリパリとした食感が相まってなかなかに良い。ちょっと濃すぎじゃないかと思った紅茶の味も、ペーストと混ざると丁度良い感じだ。これは舐めるよりも噛むべき飴である。タピオカミルクティー、思っていたより悪くないじゃないか。

硬さ:★★★☆☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★★★★☆☆☆
飴噛み度:75点

ポップキャンディ(株式会社不二家)

価格:180円
内容量:21本
キャッチコピー:歯に優しい緑茶ポリフェノール入り

081.jpg
まぁ、定番中の定番ではありますよね
082.jpg
あぁ、そうそう、じゃんけんの絵柄が描かれてるんだ

これぞポップキャンディというべき飴である。味もまた懐かしい、昔ながらのフルーツキャンディだ。前回の飴噛みレビューでは同じようなタイプのペロペロキャンディに苦戦したが、こちらは小さく薄いこともあって難なく食べることができた。

083.jpg
飴自体は硬めだけれど、平べったいので噛み砕きやすいのだ

破片が歯にくっつきやすいのでそこだけは注意が必要だが、噛んでも特に問題ない飴である。ポリフェノール入りで歯に優しいとのことなので、安心して噛み砕くことができるというものだ。

硬さ:★★★★★☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★★★☆☆☆☆
飴噛み度:60点
昔ながら系

純露(味覚糖株式会社)

価格:170円
内容量:120g(24個)
キャッチコピー:宝石の味……純露気品のあるスイートなキャンディと香り高い紅茶の味の、キャンディがペアーで入った、キャンディの傑作

063.jpg
こちらも昔から存在する、超定番の飴である
064.jpg
子供の頃は宝石のようで、大事にポケットにしまっていたら溶けてベタベタになった

パッケージの説明には「スイートなキャンディと紅茶味のキャンディがペアで入っている」と書いてあるが、どうにも数が合わないと思い、数えてみたらスイートが16個、紅茶が8個で2:1の割合であった。ちなみに子供の頃の私は紅茶味の方が特別感がある気がして、いつも茶色い方ばかりボリボリ食べていた。

さて、肝心の味であるが、べっこう飴のようでとにかく甘く硬い。かなりの歯ごたえがあり、噛み砕いた時には達成感すら感じる。……が、そこまでするほどの必要性があるのかといわれれば微妙なところだ。塩飴同様、昔ながらの飴なので歯にくっつくし。

紅茶味の方は記憶していたよりも本格的な紅茶で濃ゆい。甘いだけでなく結構な渋みがあり、どちらかというと大人向けなのだろう。が、子供の頃の私はこれもうまいうまいと食べていた。今食べてもうまいのだが、いささか甘い飴が続いているので口の中がしわしわになってきた。

硬さ:★★★★★★★★★☆
甘さ:★★★★★★★★★★
飴噛み度:37点

ハッカアメ(株式会社リボン)

価格:118円
内容量:130g(21個)
キャッチコピー:清涼感あふれるおいしさ、ス~ッとした香りでリラックス

065.jpg
古典的な商品が続くが、これまた昔ながらの飴である
066.jpg
清涼感あるブルーの包み紙に、白色の飴が包まれている

ふぉ~これは効く。まさにTHEハッカという味わいだ。原材料を見ると、水あめ、砂糖、香料、の3種のみ。まさに糖分で香料(ハッカ)を練っただけの、シンプル極まりない飴である。

舐めてるだけでも喉が物凄くスースーするが、噛み砕くともの凄い強烈なハッカ風が吹き乱れる。気分転換をしたい時や眠気覚ましにバリっと一粒噛み砕くのが良いだろう。というか、それ以外の用途では噛むことはオススメできない。安い割に量が多いのでコストパフォーマンスはかなり高い。

硬さ:★★★★★★★★☆☆
甘さ:★★★★★★★☆☆☆
飴噛み度:32点

黒あめ(春日井製菓株式会社)

価格:145円
内容量:150g(19個)
キャッチコピー:香ばしい黒糖の味

067.jpg
「黒あめなめなめ」のCMフレーズで有名な春日井の黒あめである
068.jpg
これもまた丸く平べったい飴に溝を切ったタイプである

むぅ、これは硬い。黒飴ってこんな硬かったっけ?と思うくらいの強靭さである。タマネギのように外側から少しずつ欠片をはがすように割っていき、小さくなったところで一気に砕いた。

破片はシャリシャリと心地良い食感で、濃厚な黒糖の風味が口の中いっぱいに広がってうまい。これもまたロングセラーなだけあって、どっしりとした安定感ある味わいである。ただ、濃厚すぎるので食べた後は次の飴に向かうまでは少しの時間を要した。それだけ、一粒で十分満足できるということでもあるのだが。

硬さ:★★★★★★★★☆☆
甘さ:★★★★★★★★★★
飴噛み度:80点

沖縄黒飴(松屋製菓株式会社)

価格:145円
内容量:130g(20個)
キャッチコピー:黒糖を飴のセンターにナマのまま入れました。

069.jpg
やけに情報量の多いパッケージだが、個包装はシンプルだ
070.jpg
平べったい飴の中に、生の黒糖が入っている

伝統的な黒飴なのでかなり硬いのだが、中に黒糖が入っているという性質上どうしても脆くなるようで強めに噛めばあっさり割れる。バリバリ、ジャリジャリとした飴の歯ごたえと、黒糖のサクサクとした食感がマッチしていてとても良い。

黒飴&黒糖ということで当然ながら物凄く甘いのだが、黒飴だけよりも黒糖が入っている方がサッパリいけるから不思議なものだ。溶けて消える時間も短いので、まさに糖分補給にぴったりなという印象である。これは噛むのに適した飴であろう。

硬さ:★★★★☆☆☆☆☆☆
甘さ:★★★★★★★★★☆
飴噛み度:92点

さて、ここまで39種類の飴を噛み砕いてきた。残すところはあとひとつなのだが、最後の最後に待ち構えていたのがとんでもないラスボスであった。 

みぞれ玉(松屋製菓株式会社)

価格:135円
内容量:160g(16個)
キャッチコピー:第21回全国菓子大博覧会1989会長賞受賞

084.jpg
昔ながらの純和風な飴玉である
085.jpg
普通の飴よりもかなり大ぶりで、噛み応えがあるというものだ

さぁ、いざ飴噛み!……と思ったのだが、これがとにかく硬い!いや、ホント、笑っちゃうくらいに硬いのだ!奥歯で噛み砕こうとしても、文字通りまったくもって歯が立たない。なんと強靭な飴なのだろう。

086.jpg
本気で奥歯に力を篭めても……わ、割れない!

一気に割ることは諦め、外側から削り取るように飴を噛む。するとパキッと少し剥ぎ取ることができ、ようやく飴を味わうことができた。青色のはサイダー味だ。

さらに細かく砕くべく、再び飴に歯を立てる。今度こそ割ってやろうと強く力を篭めると――ボリッという変な音が鳴った。飴が砕けるのとはちょっと違った音である。

087.jpg
え、まさか……嘘……だろ

慌ててティッシュを取り出して吐き出すと、そこには飴と共に白い米粒のような破片がいくつか転がった。まさかと思い、手鏡で口の中を見渡すと――見事なまでに奥歯の一部が欠けていた。私の歯が飴に完敗した瞬間であった。

みなさん、「みぞれ玉」のように大きくて硬い飴玉を噛むのはやめましょう。そしてお子さんに言い聞かせてください。飴は噛むものではなく、舐めるものだと。

硬さ:★★★★★★★★★★
甘さ:★★★★★★★★★★
飴噛み度:0点

それでも飴噛みはやめられない

なんとも残念なオチがついてしまったが、それでも飴を噛むというのは飴を楽しむためのひとつの方法であると私は確信している。噛み砕くとその飴の個性がより強く感じられ、舐めるだけでは分からない一面を知ることができるのだ。

今回40種の飴を噛み砕いてみたが、やはり中にペーストが入っているものは総じて噛むのに適しているように思う。「食べる塩レモン」のように噛むことを前提にした飴も出てきているし、これからも私は飴噛みを楽しんでいこう。……と、その前に、まずは歯医者さんに行かなければ。

ちなみに今回一番気に入ったのは「無添加レモネードキャンデー」である。これは舐める、噛むに関わらず、普通においしかったので広くオススメしたい。

それにしても、甘い飴ではなく酸味の強い飴がおいしく感じられるようになったのは、年による変節というやつだろうか。一度にたくさんの飴を食べることもできなくなったし、歯も欠けたし、齢四十を前に色々な衰えを感じさせられた今日この頃である。

128.jpg
当分の間、仕事中のお菓子には困ることはなさそうだ

 

 

▽デイリーポータルZトップへ

banner.jpg

 

デイリーポータルZのTwitterをフォローすると、あなたのタイムラインに「役には立たないけどなんかいい情報」がとどきます!

→→→  ←←←

 

デイリーポータルZは、Amazonアソシエイト・プログラムに参加しています。

デイリーポータルZを

 

バックナンバー

バックナンバー

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ