特集 2018年9月23日

検証・キュウリは牛乳より水分が多い(デジタルリマスター版)

!
キュウリは牛乳より水分が多いらしい。

子供の頃、教育番組か何かではじめて聞いたときは本当に驚いた。そうして、今にいたってもまるで理解できていない。

だって、水分というのは液体だ。キュウリって固体じゃなかったか。そして牛乳は液体じゃなかったか。

キュウリはほとんど水でできている、その真実に疑問をいだきながら詰め寄りました。夏真っ盛りの自由研究的テーマです。

2006年8月に掲載された記事の写真画像を大きくして再掲載したものです。
1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。

前の記事:まるで絵のような食べ物の写真を集めたい

> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

あまりにも理解しがたい真実

キュウリのほうが牛乳より水分が多いという事実はもちろん驚きだが、それ以前にキュウリはほとんど水分である、ということ自体理解できない。

今の季節はもちろん、1年中サラダ野菜としてキュウリには親しんでいる。けれどしたたりおちるようなジューシーさを感じたことはほとんどないぞ(安いキュウリばかり食べているからかもしれないけれど)。

キュウリの水分については完全に疑惑の目を持つ自分である。まずは食品成分表で真実を確かめてみた。
きゅうり 果実・生 水分96.2%!
きゅうり 果実・生 水分96.2%!
牛乳は88.7%
牛乳は88.7%

これはどういうことなんだ

……本当だった。それにしても96.2%ってどういうことだ。キュウリが100人いたら、96人以上が水ってことか。例えがなんで人数なんだ。

そして牛乳は88.7%。液体としてそれでいいのか。

水分という概念自体がわからなくなってきた。水分っていうのはつまり「水」のことだろう。水というのは液体だ。びちょびちょしているアレだ。なのに、固体であるキュウリの96.2%がびちょびちょだという。

きゅうりはそのまま置いといても大丈夫だが、牛乳は入れ物に入れないとそこいらじゅうびしょびしょである。水分はキュウリより少ないのに。

頭が混乱する。これはどういうことなんだ。
パックに守られねばいられない水分88.7%
パックに守られねばいられない水分88.7%
毅然としたたたずまいの水分96.2%
毅然としたたたずまいの水分96.2%
流れ出す水分88.7%
流れ出す水分88.7%
漏れる様子のまったくない水分96.2%
漏れる様子のまったくない水分96.2%
つかめる水分96.2% つかみようのない水分88.7%
つかめる水分96.2% つかみようのない水分88.7%
噛まなくてもいい水分88.7%
噛まなくてもいい水分88.7%
むしゃむしゃしないと食べられない水分96.2%
むしゃむしゃしないと食べられない水分96.2%
確かにみずみずしいっちゃみずみずしいけど……
確かにみずみずしいっちゃみずみずしいけど……

疑問とちゃんと向き合おう

どういうことなんだ という強い思いがあふれて思わず写真が並んだが、どうしたってキュウリの水分は96.2%なのである。

真実と向き合うために、いかにキュウリに水分が多いかこの目で見届けてみたい。

方法を考えていて浮かんだのは、大根おろしのことだった。大根はキュウリ同様固形である。が、おろし金でおろすととたんにみずみずしくなる。あれはかなりびちょびちょに近い。
まったくの固形状態が
まったくの固形状態が
おろすことで唐突にびちょびちょに
おろすことで唐突にびちょびちょに
キュウリもおろすと途端にびっちゃびちゃの水分%ぶりを露呈するんじゃないだろうか。ジャスト100gを計量しておろしてみた。
大根よりもろく、途中でバキバキ折れてしまった
大根よりもろく、途中でバキバキ折れてしまった
が、なんとかキュウリおろし完成
が、なんとかキュウリおろし完成
おろすなり青いかおりが立ちこめる。キュウリのかおりをここまで吸い込むなんて初めてかもしれない。

おろしたら、水切り網に入れて水気と固形部分を分けてみた。
100g中、水気63g、固形部37g。グラフにしてみましょう
100g中、水気63g、固形部37g。グラフにしてみましょう
ちなみに大根は100g中、水気73g、固形部27g
ちなみに大根は100g中、水気73g、固形部27g

本気出せよキュウリ

大根のほうが10gも水気が多い。ちなみに大根の水分量は94.5%(食品成分表より)とこれも驚きの多さではあるが、微妙にキュウリより少ないはず。どうした、キュウリ。

もしかして、おろし金できっちりおろせなかったのがいけなかったんだろうか。さらにミルサーにかけてみることにした。これでかなり粉々になるはずだ。
ぐいぐい粉々にして、再度絞る
ぐいぐい粉々にして、再度絞る
10gの水気がとれた。現在の比率はこんな感じ
10gの水気がとれた。現在の比率はこんな感じ
結局、ミルサーまでかけてとれたキュウリの水気は100g中73g。うん、確かに思いのほか多い。でもこれじゃあやっぱり96.2%という数字は納得できない。

キュウリにかたくなに水分を隠ぺいされている感じだ。

ちなみに今の季節、ほとんど水みたいな気持ちで食べるスイカも可食部で91.0%(しつこいですが、食品成分表より)とキュウリより水分が少ない。

キュウリのついでに100gをミルサーにかけてみたところ、93gの水気がとれた。とれた水気の中に水分以外の2%が含まれているのだろう。さすがジューシー。サービス精神旺盛だ。
いかにもみずみずしい
いかにもみずみずしい
一気に93gの水気がとれた。キュウリよりも俄然多い
一気に93gの水気がとれた。キュウリよりも俄然多い
キュウリもスイカぐらい素直に水分を見せてくれたらいいのに。なにが悲しゅうてそんなに一生懸命水分を隠すのか。

思い切って専門家にキュウリの水分を抽出する方法を尋ねてみた。あわよくば、牛乳の水分も抽出して比べてみたい。

さあ、いよいよ自由研究っぽさも過熱してまいりましたな!
▽デイリーポータルZトップへ つぎへ>

デイリーポータルZを

 

▲デイリーポータルZトップへ バックナンバーいちらんへ

↓↓↓ここからまたトップページです↓↓↓