特集 2017年4月27日

アイデアスケッチの描き方を習ってわかった10のポイント

スケッチが描けるようになりたい
スケッチが描けるようになりたい
編集部の石川さんから、「アイデアスケッチの描き方を大学の先生に習いませんか」というお誘いが来た。
アイデアスケッチとは、頭の中にあるアイデアを自分なりにまとめたり、人に説明したりするために、紙にスケッチするものだ。

僕は工作記事をよく書くのだが、企画を説明するときに破滅的なスケッチを編集部に送っていて、毎回つらい思いをしていたので渡りに船な話だ。
ここで一丁ばしっとスケッチを描けるようになっておきたい。習います習います。
1987年兵庫生まれ。会社員のかたわら、むだなものを作る活動をしています。難しい名字のせいで、家族が偽名で飲食店の予約をするのが悩みです。(動画インタビュー

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教わりにきました

今回教えてくださるのは、明治大学先端メディアサイエンス学科准教授の橋本直先生だ。
インタラクション系の研究でご活躍されている先生です。初めてお会い出来たので嬉しい。
インタラクション系の研究でご活躍されている先生です。初めてお会い出来たので嬉しい。
先生は学生時代から研究のネタになりそうなアイデアをスケッチでまとめていたとのこと。
まずは先生が描いたスケッチを見せていただいた。
これこれ!こういうのを描きたいんですよ!
これこれ!こういうのを描きたいんですよ!
USB端子!わかりやすいー。
USB端子!わかりやすいー。
箱に「箱」って書いてある。かわいい。
箱に「箱」って書いてある。かわいい。
「僕は美大生でもないし、写実的に描く必要はないんですよね。見る人に伝わればいいので。」とおっしゃっていて、そうそうそう!とすごく頷いてしまった。
僕もこういうのを描けるようになりたいぞ!
ということでデイリーチームも挑戦します。林さんやべつやくさんは既にバリバリ描けるというか、プロなのでは…?という気もしている。
ということでデイリーチームも挑戦します。林さんやべつやくさんは既にバリバリ描けるというか、プロなのでは…?という気もしている。

まずは試しにスケッチを描いてみる。

まずは「身の回りにあるものを見ずに描いてみる」という課題が出た。
最初のお題は「ノートパソコン」だ。
みんなでカキカキ。
みんなでカキカキ。
出来た。どんなもんでしょう。
出来た。どんなもんでしょう。
中央にある僕のスケッチが明らかに小さい。
小さく描くと線が細かくなってしまって難しいのだ。
鉛筆画のように線をシャッシャと重ねて描くよりも、一本の線をぐいっと引いた方がモノの形がわかるので、スケッチは大きく描いた方がいい。
ポイント1:
小さく描かない。描く前に「大きく描く!」と自分に言い聞かせると良い。
ポイントが出てきた。今回は先生に習ったポイントや、僕が勝手に思ったポイントをいっぱい出していきます。

他の人のも見てみよう。
林さんのノートパソコン。Windowsアップデート中だ。
林さんのノートパソコン。Windowsアップデート中だ。
とんちを効かせるとかっこいい。
くそー、僕もこんな感じのをさらっと描きたい。

次のお題は「プロジェクター」だ。
ノートパソコンを小さく描いた反動ですごい大きく描いてしまった。
ノートパソコンを小さく描いた反動ですごい大きく描いてしまった。
ボタンやつまみを描くことで、ややプロジェクターとわかるようになった。
これだ!とわかる要素をきちんと描いておくと、それが何なのかわかりやすい。
話は戻って古賀さんが描いたノートパソコン。マウスが写っていて、見るからにノートパソコンとわかるのがいい。
話は戻って古賀さんが描いたノートパソコン。マウスが写っていて、見るからにノートパソコンとわかるのがいい。
ポイント2:
これを描いたらそれっぽくなるという特徴を描く。
石川さんのプロジェクター。こちらは後ろから見た視点だ。
石川さんのプロジェクター。こちらは後ろから見た視点だ。
壁に向かって光を出すと、「何かを投影している感」が出る。
僕はレンズがあった方がプロジェクターらしいかなと思って前から見たスケッチを描いたのだけど、「壁に投影する」という実際の使用例を描いてもわかりやすくなるのだ。
ポイント3:
そのモノがよくわかる視点で描く。
ちなみに林さんのプロジェクターはこうなっていた。
パソコンとつながってる!Windowsアップデート中なのに。
パソコンとつながってる!Windowsアップデート中なのに。
光に色が付いている。
橋本先生がコピックをたくさん用意してくださっていた。
すごい量!
すごい量!
色が付くとなんだかきれいに見えるのだ。
薄い色で塗るのがポイントで、うっかり濃い色で塗ってしまうと色が主張しすぎてなんだかわからなくなってしまう。
僕が描いたゲーム機は、濃い色で塗ってしまったために色の固まりになった。
僕が描いたゲーム機は、濃い色で塗ってしまったために色の固まりになった。
ポイント4:
コピックで色を塗ると上手く見える。ただし薄い色を使うこと。
ちなみに、コピックと重ねてもにじまないペンも用意されていた。三菱のプロテックというペンだそう。
先生いわく、このペンを見つけたときはスケッチのステージが上がる!と思ったそうだ。
(自分のイラストが上手くなったのではなく)このペンがすごいのでは…!?と言う古賀さん。
(自分のイラストが上手くなったのではなく)このペンがすごいのでは…!?と言う古賀さん。
ポイント5:
コピックと重ねてもにじまないペンを見つけよう!
別のテクニックもある。古賀さんが描いたテレビをご覧ください。
リモコンに注目!
リモコンに注目!
リモコンから赤外線っぽいものが出ているように描いている。
実際に目に見えるわけではないが、これがあるとリモコンだ!ということがすぐにわかる。
先生の研究ネタスケッチにもこんな表現が。
先生の研究ネタスケッチにもこんな表現が。
マンガ的な表現だが、びっくりするなどのリアクションを描いたり、動きを矢印で描くのもわかりやすくするテクニック。
ポイント6:
動きをつける!

立体物を描くトレーニング

ここまでいくつかのスケッチを描いてきたが、どれも共通しているのは「立体的に描くこと」だ。
アイデアをスケッチするために、立体的に描くことは大事だそうだ。
確かに立体的に描いた方がなんとなくイメージがつかみやすい。
ポイント7:
スケッチは立体的に描く!
立体的に描くなんて何だか難しそうだが、先生が言うには箱と円筒の組み合わせで8割方のものは描けるそうだ。そう言われてみると描けそうな気がしてくる。

では実際にどうしたらいいのか。
立体的にモノを描くトレーニングとして出されたお題がこれだ。
アルファベットを立体文字で描いてみましょう。
アルファベットを立体文字で描いてみましょう。
確かにアルファベットは直線も曲線もあるので題材には良さそうだ。
描き方としては、最初に代表となる面を描いて、そこに奥行きを足すと良いらしい。

しかし、やってみるとこれが難しい。
直線だけのAはまだいいが、Bであれー?となる。
直線だけのAはまだいいが、Bであれー?となる。
べつやくさんはさすが。こう描けばいいのか!という気持ちになる。
べつやくさんはさすが。こう描けばいいのか!という気持ちになる。
曲線がある文字は難しい。Qなんてどうすりゃいいのという感じである。
と思いきや、直線だけで出来ているKやXも難しい。交差するところをどう描いていいのかわからなくなるのだ。

Xの難しさに何かが刺激されたのか、石川さんが急にXの研究を始めた。
同じ向きの辺を色分けしている。
同じ向きの辺を色分けしている。
大量に生まれるX。どうしました。
大量に生まれるX。どうしました。
ポイント8:
立体文字のXは研究しがいがある。
そうこうしていると2つ目のお題が出た。
「立体文字を床面に寝かせて描いてみましょう」えーーっ!!
「立体文字を床面に寝かせて描いてみましょう」えーーっ!!
難題だ。頭の中で文字を寝かせてそれをスケッチするが、頭に浮かんだ時点でごっちゃになる。
確かにこれはいいトレーニングだ。
そんな中、いの一番で石川さんが寝かせたXに取り組んだ。そんなに魅了されましたか。
そんな中、いの一番で石川さんが寝かせたXに取り組んだ。そんなに魅了されましたか。
古賀さんの「TEL」。ハリウッドの山にあるデカい文字みたいな存在感。
古賀さんの「TEL」。ハリウッドの山にあるデカい文字みたいな存在感。
石川さんにより消失点が見えそうなくらい寝かせた「TEL」も生まれた。
石川さんにより消失点が見えそうなくらい寝かせた「TEL」も生まれた。
この辺りから立体的に描くのに慣れてきたのか、みんな自由に描き始めた。
僕の描いた、穴に吸い込まれそうなF。人をぶら下げるとかわいくなった。
僕の描いた、穴に吸い込まれそうなF。人をぶら下げるとかわいくなった。
林さん作、手描きワードアート風の「林」「雄」「司」。海から飛び出てきたり宇宙に漂っていたりとスケールが大きい。
林さん作、手描きワードアート風の「林」「雄」「司」。海から飛び出てきたり宇宙に漂っていたりとスケールが大きい。
古賀さんの「KOGA」。顔が付いているのがかわいい。
古賀さんの「KOGA」。顔が付いているのがかわいい。
ポイント9:
みんな楽しくなって自由に描き始めてしまう。
そのうち、X立体文字研究の第一人者である石川さんが何でもXに出来ると言い始めた。
突然X型のおにぎりを生み出す石川さん。
突然X型のおにぎりを生み出す石川さん。
さらに林さんが「寿司にするといいんじゃない?」と言い出して、X型の寿司をみんなで描くという謎の展開に。
芽ネギ風のX寿司、回転X寿司、4つの寿司が連結して1つになったX寿司、いっそ縦型になったX寿司。
芽ネギ風のX寿司、回転X寿司、4つの寿司が連結して1つになったX寿司、いっそ縦型になったX寿司。
アイデアスケッチの描き方を学んでいたはずが、最終的にXの文字を寿司にする展開になった。なんだこれは。
とはいえ初めは上手く立体的に描けなかった僕も、最後には回転X寿司を描いたりするようになったので、アルファベットの立体文字を描くトレーニングは効いてそうだ。
続けていけば、今までのような壊滅的なスケッチからはおさらば出来そうである。
ポイント10:
アルファベットのXは寿司になる。

実際にアイデアをスケッチにしてみよう

最後に今回のおさらいということで、アメリカの大学で研究されていた「sixthsense」というシステムの動画を一度だけ見て、どのような内容かをスケッチするという課題をやることになった。

どういうシステムかというと、指にカラフルな指サックを、胸にカメラと小型プロジェクターを付け、指でジェスチャーをすることで写真を撮ったり、相手の顔や商品などをカメラで判別してその情報をプロジェクターで映すことが出来るというものだ。
他にも色々なことが出来るのだが、この記事の最後に動画を載せたので気になる人はそちらをご覧ください。

それではこれまでの課題をこなした成果をご覧いただきたい。
システムの構成と、利用シーンをまとめて描いた石川さん。
システムの構成と、利用シーンをまとめて描いた石川さん。
利用シーンを丸で囲んでいるのがわかりやすい。

そして最初の課題で出てきたプロジェクターの描き方がここに効いてくるのだ。
伏線回収みたいで気持ちがいい。先生のお話がうまい構成だなーと改めて思った。
古賀さんも同じような構成。絵がかわいい!
古賀さんも同じような構成。絵がかわいい!
そして僕はこうなった。
そして僕はこうなった。
このシステムを使う前後でどう変わるかを2コマで表してみた。
動きをつけることを意識して、コピックで色もつけてみた。

少しだけど描けるようになった気がする!
たった2時間の講義だったけれど、教えてもらったコツを使うことでなんとなくどうやって描いたらいいかが思い浮かぶようになった。
少しでも描けると面白い。ペンとコピックを買うところから始めてみようかな・・・と思った。
sixthsenseはこんな研究でした。

スケッチが楽しい

アルファベットの立体文字をどんどんと描いていくと、だんだんコツがつかめてきたのがわかって楽しかった。
頭の中で考えていることをうまく紙にスケッチ出来ると気持ちがいいし、さらにアイデアが膨らんでいった。
これは今後も続けて習得していきたい技術だ。ものすごく勉強になりました。
僕の名字の「爲」を立体文字で描いてもらいました。これは難しすぎる。
僕の名字の「爲」を立体文字で描いてもらいました。これは難しすぎる。
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