特集 2016年9月13日

錦糸町の河内音頭大盆踊りがすごい

高速道路の高架下で毎年おこなわれている、錦糸町の大阪流盆踊りがすごいんですよ。
高速道路の高架下で毎年おこなわれている、錦糸町の大阪流盆踊りがすごいんですよ。
大阪に古くから伝わる夏のお楽しみイベント、河内音頭(かわちおんど)盆踊り。東京の錦糸町でも毎年行われているのだが、これがまあすごいのである。

埼玉育ちの私にとって、盆踊りといえばスピーカーから流れるアラレちゃん音頭や炭坑節にあわせて、同じ踊りをみんなで踊るものなのだが、河内音頭の盆踊りはそのフォーマットが通用しない。イメージとしてはロックフェスの方が近いかもしれない。
趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

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これが錦糸町の河内音頭大盆踊りだ

東東京の繁華街である錦糸町で毎年八月後半に行われているのが、「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」。河内音頭とは、東京音頭とかドラえもん音頭のような曲名ではなく、古典芸能における落語や浪曲のような一つのジャンル。

関東育ちの人にとっては、河内音頭とはアルバイト情報誌のCMで、河内家菊水丸さんが「カ~カキンキンカ~キンキン~」と歌っていたアレというイメージかもしれない。
私が子供の頃に踊っていた盆踊りはこんな感じ。昔はドラえもん音頭とかアラレちゃん音頭とか、子供向けのアニメソング音頭というものがあったんですよ。
私が子供の頃に踊っていた盆踊りはこんな感じ。昔はドラえもん音頭とかアラレちゃん音頭とか、子供向けのアニメソング音頭というものがあったんですよ。
私が育った埼玉県東部地方における盆踊りといえば、やぐらの中央で太鼓を打ち鳴らし、スピーカーから音頭を流すというもの。

それに対して河内音頭盆踊りは、唄はプロによる生歌で、演奏だって生演奏。しかもその楽器は太鼓や三味線に加えて、エレキギターがテケテケテケだ。

とりあえずダイジェスト映像を用意したので、その雰囲気を掴んでいただきたい。
一説によると二日間で3万人の来場者があるのだとか。ブレッブレですみません。
何も知らずに参加すると、なんじゃこりゃとなる盆踊りなのだ。

会場は高速道路の高架下

このような生歌&生演奏の大音量盆踊りができる会場というのは東京都内だと限られてくると思うが、「すみだ錦糸町河内音頭大盆踊り」は錦糸町駅から徒歩圏内の好立地。

しかも屋根まであるから雨天決行も可能。
東京の音楽関係者が「大阪のすごいダンスミュージックを紹介しよう」とはじめたこの祭りも、今年で早35回目。
東京の音楽関係者が「大阪のすごいダンスミュージックを紹介しよう」とはじめたこの祭りも、今年で早35回目。
これだけの規模なのに入場無料。カンパをするとウチワがもらえるので、これを持って踊ろう。
これだけの規模なのに入場無料。カンパをするとウチワがもらえるので、これを持って踊ろう。
なんと高速道路の高架下スペースを、どーんと利用しているのである。まさに河内音頭のための場所という奇跡の空間だ。

ちなみに1982年のスタートした頃はパチンコ屋の2階だったそうで、地域の人たちの協力もあり、現在の場所で盛大に開催されるようになったとか。
この高速道路の高架下という立地が、どこかスターウォーズっぽくもある独特の雰囲気を作っている。
この高速道路の高架下という立地が、どこかスターウォーズっぽくもある独特の雰囲気を作っている。
高架下なので会場はものすごく縦長。その両サイドに出店がズラッと並んで、祭りを盛り上げている。
高架下なので会場はものすごく縦長。その両サイドに出店がズラッと並んで、祭りを盛り上げている。
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河内音頭は生演奏が当たり前

7年前に私がここの盆踊りをはじめて見て、一番驚いたのが生歌と生演奏だったこと。盆踊りの曲というのはテープから流れてくるものだと思っていたので、生の贅沢さと迫力に驚いたのだ。

公式ブログのプログラムのページを確認したら、演奏する楽器が「shm:三味線」「gtr:ギター」「tko:太鼓」「shy:お囃子」と略されていた。
ギター、三味線、太鼓のテケテケペンペンドンカカドンという楽器の組み合わせが最高。
ギター、三味線、太鼓のテケテケペンペンドンカカドンという楽器の組み合わせが最高。
毎年来るたびに盛り上がりが加速しているように思えるこの祭り、公式サイトの管理人であるいちばさんの話によると、特にここ3年くらいはフェイスブックやツイッターによるお客さんからの情報発信によって、集まってくる人達がだいぶ若返ったそうだ。もしかしたら大阪とはちょっと違う客層なのかもしれない。

この規模の盆踊りというのは河内音頭の本場でも少ないため、この熱気を感じたい、ここで歌いたいと申し出てくれる歌い手さんも多く、実力の120%が出るステージなのではといちばさんは語る。
本日最年少の歌い手である桑舞心之輔さん。後ろから見守るギタリストのまなざしが優しい。
本日最年少の歌い手である桑舞心之輔さん。後ろから見守るギタリストのまなざしが優しい。
河内音頭は百派千人といわれるくらい会派と歌い手さんが多いそうで、誰に来ていただくかが毎回悩みどころ。

2016年は「桑舞会」と「左海会」という2つの会派を呼び、対抗戦(対バン)形式にしたそうだ。
私が紅白歌合戦の出場歌手を選ぶ立場だったら絶対に押したい、江州音頭の月乃家小菊さん。
私が紅白歌合戦の出場歌手を選ぶ立場だったら絶対に押したい、江州音頭の月乃家小菊さん。
この大阪っぽいおにいさんが、大阪っぽい音頭を熱唱してくれるわけですよ。
この大阪っぽいおにいさんが、大阪っぽい音頭を熱唱してくれるわけですよ。
大観衆を前に歌声を響かせる勝広師匠。ちなみに5000円払うと舞台の提灯に名前を書いてもらうことができ、スポンサー気分を味わうこともできる。
大観衆を前に歌声を響かせる勝広師匠。ちなみに5000円払うと舞台の提灯に名前を書いてもらうことができ、スポンサー気分を味わうこともできる。
オーディエンスの盛り上がりがすごい。
オーディエンスの盛り上がりがすごい。
生歌&生演奏なので、音響さんも大活躍だ。
生歌&生演奏なので、音響さんも大活躍だ。
お話を伺ったいちばさん。ちらりと見えるオリジナルTシャツがかわいい
お話を伺ったいちばさん。ちらりと見えるオリジナルTシャツがかわいい
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河内音頭の踊り方

ステージを眺めながら河内音頭に聞き惚れるだけでも楽しいが、盆踊りなので踊った方がより楽しい。

ただ河内音頭の踊り方は、素人目にはなにがなんだかわからない。踊るテンションや進む向きといった大枠から、エリアによって違うのだ。

場合によっては、隣同士で違う踊りを踊っていることもある。
バンドのライブイベントとは違ってあくまで盆踊りなので、ステージの目の前でも演奏中はみんな踊っている。
バンドのライブイベントとは違ってあくまで盆踊りなので、ステージの目の前でも演奏中はみんな踊っている。
ここの踊りは7年通っても全く身につかないのだが(ほとんど眺めているだけなので当然だが)、大きく分けると輪の真ん中あたりで静かに踊る「手踊り」と、外側で元気に踊る「マンボ」の2種類があるらしい。

ただここのマンボは錦糸町の地で35年に渡って独自進化をしているため、大阪のマンボとはちょっと違うものになっているのだとか。ブラジル生まれの柔術みたいだ。

正統なマンボがどんなのかわからないのだが、お尻を振りながらウチワをパチパチしたり、一斉に昇龍拳(ストリートファイターの技)を放ったり、とにかく錦糸町のマンボはすごいことになっている。
私もちょっとだけ踊りに参加。とりあえず足を踏まれないことに気を付けよう。
私もちょっとだけ踊りに参加。とりあえず足を踏まれないことに気を付けよう。
さらにフリースタイルで踊るのもOK。基本的に踊り方の制約はないそうで、河内音頭のリズムで体を動かしてくれれば、好きに踊っていいそうだ。

ただ全体の流れというものも当然あるので、安全にだけは気を付けていただくように、スタッフから声掛けさせていただくこともある。周囲に迷惑を掛けない範囲内での自由ということで。
エリアによって踊り方が違うんですよね。
エリアによって踊り方が違うんですよね。
はじめて参加される方は前半の比較的空いている時間帯を選んだり、いちばさん達が開いている練習会に参加して基本的な踊り方を覚えると、より楽しめるのではとのこと。
今年一番ビールがうまい。
今年一番ビールがうまい。
にゃんとこさんがイラストを描いた限定Tシャツ、買えばよかった。
にゃんとこさんがイラストを描いた限定Tシャツ、買えばよかった。
世の中に盆踊り好きってこんなにいたのかと驚くほどの人数と熱気。

盆踊りであり、生ライブであり、ダンスイベントである河内音頭だからこそなのだろう。その裾野は限りなく広そうだ。

誰でも参加できる祭りって貴重かもしれない

神輿を担いだり山車を引っ張ったり、阿波踊りやよさこいを踊ることは、部外者がプラっといってできるものではないけれど、盆踊りというスタイルは基本的に誰でも好きなタイミングで参加が可能。

この規模の祭りを入場無料で開催するのは本当に大変だろうけれど、私が踊りを覚えるその日まで、ずっと続けていただきたい。

でもたぶんずっと覚えないので、ずっとずっと続けていただきたい。
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