
これがIoTかわら割り装置だ



その仕組みを解説しよう。
まず、IoTでかわらを割るにはボクシンググローブを装着する必要がある。空手なのにボクシングのグローブを使う。三男の空手リテラシーの低さがうかがえるが、グローブをつけた拳でパンチを繰り出すとグローブから信号が送られる。かわら側にはその信号を受信する装置が仕込まれていて、受信と同時にかわらを支えるストッパーが外れる。支えをなくしたかわらは下に落ちるが、もともと二つに割れているのでその場で割れたように見える。









実際に体験していただくと分かるのだが、これがとても気持ちいい。空手の達人になったような気分を味わうことができる。
ただし、パンチを判定する発信機側の感度調整が難しいという一面もあり、判定基準を厳しく設定すると次のようになってしまう。


なんども拳を振り下ろす長男、ビクともしないかわら。思わず「そんなの関係ねえ」とアテレコしたくなる光景だ。
このように判定基準が厳しいとかわらが割れないのだ。逆に緩めに設定してしまうと、手を振り上げた瞬間にかわらが割れてしまう。ちょうどいい設定にたどり着くまで、長男は何度も何度も「そんなの関係ねえ」を繰り返していた。

AR三兄弟からの招待状
「AR忘年会で、宴会芸を披露してください」
AR三兄弟からの招待状である。
AR忘年会とは、毎年12月に開催されるAR三兄弟のイベントで、AR三兄弟の1年間の活動報告やゲストによる余興などで構成される楽しい忘年会である。140名からのお客さんが入る人気イベントだ。そんな場所で、我々IoT三兄弟がゲストとして宴会芸を披露することになったのだ。
我々が「IoT三兄弟」を名乗って約3か月。なかなか挨拶にうかがう機会がないまま、AR三兄弟の方から招待されてしまった。AR三兄弟、長男の川田十夢さんの懐が深いのか、それともこれはトラップなのか。行ってみないと分からないが、我々は「IoTかわら割り装置」で勝負に出ることにした。



1. 挨拶
2. かわら割りの前に板の試し割り
3. 過去作品のご紹介
4. IoTかわら割り披露
2番目の板の試し割りは、何の装置も使用せずに拳だけで板を割ってみせるという余興である。冒頭で我々の力を見せつけて、一気にその場の空気をつかむ作戦である。空手ショップで試割板も購入しておいた。





できれば、3、4枚の板を一気に割ってみせるくらいの勢いが欲しいが、まずは1枚から試してみた。


協議の結果、板の試し割りはやらない方向で話はまとまった。
10分間もたすことができるのか? 不安を抱えたまま、AR忘年会「渚のバックトゥーザAR忘年会2015」の会場へ向かった。

気分は道場破り



冒頭の挨拶は次のような感じだ。

林:おれたちIoT三兄弟だ
林:長男・林雄司
住:次男・住正徳
よしだ:三男・よしだともふみ
3人:おす!
林:きょうはIoTかわら割りを披露したい
3人:おす!」

そして、AR忘年会は定刻通りに始まった。











すらぷるためさんのステージが終わり、次はいよいよ我々の出番である。
川田さんから呼び込まれ、我々IoT三兄弟は舞台に立った。

そして、IoTかわら割りは拍手喝さいを浴びた
舞台に登場してすぐ、前述の挨拶をこなした。




よしだ:(突く)
住:(板が割れる)
(板をもちあげて見せる)
よしだ:(突く)
住:(身体がへこむ)
「もどしてくれ」
よしだ:(突きを戻す)
住:(身体が元に戻る)
よしだ:(突く)
住:(へこむ)
この繰り返し
林:茶番やめ!
3人もとの立ち位置にもどる
3人:おす!」










3人:おす
林:スライド・オン。
林:これは対岸のテレビのチャンネルがかえられるリモコンである。
よしだ:遠距離のテレビを操作できるのである。
住:できるのである。
3人:おす!
林:次のスライドだ
林:これはひもを引っ張るとiPhoneのシャッターが切れる帽子である。
よしだ:背景をまだらにしたので3人が帰国子女のように見えるのである。
住:帰国子女である。
3人:おす!
林:最後はピジョナイザーZ!
林:ハトの視界をIoTで再現したメガネである。これをかぶるとハトのように首を前後に動かしてしまうのである。
林:次男、用意。
住:おす!(ピジョナイザーを付けてハトのようにして歩きはじめる)
林:ハトは首を前後に振ったほうが見やすいのである!
3人定位置に戻る
3人:おす!」





場も温まり、いよいよ「遠隔かわら割り」を披露する時がやってきた。

「林:ではいよいよIoTかわら割りである!
(よしだ・住 準備を始める)
林:準備はもういいか?
よしだ・住:おす!
林:IoTかわら割り!1回のみなのでよく見るように!
よしだ:(拳を下ろす)
(瓦が割れる)
住:(驚いて倒れる)
3人定位置に戻る
3人:おす!
林:IoT三兄弟でした!メリークリスマス!」





ステージに上がる前は長男の書いたシナリオが不安でならなかったが、10分間やり切ったことで、 IoTと空手がいいケミストリーを生み出したのだと思う。



長男が書いたシナリオには、3人で「おす」と言う場面が多かったのだが、本番中、「おす」とちゃんと言ってたのは僕だけだったのだ。それを次回以降の課題として、長男と三男に伝えたい。










