アーチーマクフィーとは
アーチーマクフィーとはシアトルにある雑貨屋である。雑貨と呼んでいいのかわからないおかしなものを作って売っている。おかしなものしか売ってない。
ここでハトのマスクがあることを教えてもらったのが2013年のはじめ。それを
買って以来、
ストリートビュー、
ハトナイトと僕はどんどんハトに近づいていった。
やっぱりお店に行って立派にハトになりましたと報告せねばならない。
東京から9時間半、シアトル
サンフランシスコで札束風呂を終えたあと、現地のIT企業の視察とかすっとばしてすぐにシアトルに向かった。
シアトルの中心部からバスでアーチーマクフィーに向かう。
バスで20分ぐらい。ストリートビューでなんども見た店がそこにあった。
気合を入れて僕が持っているTシャツでいちばん変なのを着ていった
本場である。だって壁にハトマスクの絵が描いてあるのだ。はじめて来る場所だけど故郷である。
ただいま
ハトマスクをかぶってこんなにしっくり来る場所はない。ハトマスクをかぶるとどこでも注目の的だが、ここでは当たり前なのだ。来るべきところに来た興奮に体が震える(このあともっと震えることになる)
歓迎されました
意を決して入店
WELCOME Hayashi Yuji !!!!!
ウェルカムボードがある。
今回、訪問することを事前にfacebookのメッセージで連絡しておいたのだ。いや、でもそれにしてもこの歓迎である。こんなテレ東のバラエティみたいなことってあるのかよ。
嬉しい。こんなすごい嬉しさをおれはちゃんと表情で表すことができているだろうかとか一瞬冷静になっちゃうぐらい、嬉しい。
と思ったけど写真見たらおれ大喜びしてるな
今回、住さんとシアトル在住のデイリー読者夫妻が取材に同行してくれている。なにもないとただ買いものにつきあわせたことになってしまうので正直ちょっと安心した。
ハロー、ちょっとアメリカンなおれ
このターバン巻いた写真、家でビール飲んだあとに深夜にふざけて撮った写真である。おでこのドクロは妻のブローチだ。
それがまさかシアトルで描かれるとは。軽はずみが太平洋をこえた。
メールの返事をくれたデイビッドさん
歓迎してくれたデイビッドさんはストリートビューはもちろん、ハトナイトの記事などもグーグル翻訳で読んでいるのだそうだ。よくわかんないけど読んでいる(と言っていたと思う)。
おみやげにYouTubeクリアファイルと自分が肖像画になっている架空紙幣をあげた。これは
サンフランシスコでの札束風呂で使ったものだと写真を見せる。
サンフランシスコでこんなことしてたんだ(と雰囲気で)
札束風呂の写真を見るとデイビッドさんはうちにもあると言う。え、ほんとに?そしてお店のショーウインドウに飾ってあるバスタブに案内してくれた。
タコ足風呂
タコの足がみっちり。たまに小さい手(どちらも指にはめるおもちゃ)
なんだこれは。はじめて見るタイプの風呂である。たぶん世界でここだけだろう。
札束風呂はお金持ちのパロディとして成り立っているが、タコ足風呂はそういう理由もなく唐突におもしろい。天才だ。やっぱりこの店、すごいぞ。
店内におもしろいだけのものが1万種類
タコ足風呂だけではない。店内には普通でない商品がずらりと並んでいる。デイビッドさんによると1万種類。そのすべてが役に立つことよりも、ただ面白がるためだけのものなのが尊い。
ハトのほかにもいろいろマスクがある
「おれはキモいとは思ってない」という意味かな
新製品のアライグママスク
オバマをびびらせた記念
デイビッドさんが手に持っているのはヨーデルピクルス
ピクルスにボタンがついていて、押すとヨーデルが流れる。
ピクルスとヨーデルに何の関係もない。だけどくっつけてたくさん作って売っているところに感動してしまった。冗談でひとつ作ったのではないのだ。
ふざける強い意志。まさにAWESOMEだ。
フィンガーモンスター・モンスターの指人形。75セント、やすい。
いちばんの売れ筋はこのフィンガーモンスターとハンドパンツだそうだ。ハンドパンツはうっかり写真を撮り忘れたので
公式サイトでどうぞ。
これが売れ筋と聞いて、アメリカのすごさを感じた。
ゾンビフィンガー・ゾンビの指人形、暗いところで光ります
ラテックスのでかいザリガニ
でかいデビルヘッド。これは売り物ではなくオブジェ
デビルヘッドはむかし店の外に置いておいたら盗まれてしまったそうだ。しかしローカルのラジオ局が呼びかけたところ放置されているのが見つかり、無事に戻ってきたとのこと。
いい話なのだがものがおかしいのであまりいい話に聞こえないところも素晴らしい。
気持ちが通じる
ハンドパンツの逆で世界一大きなパンツもある。
こんな風にしてはくこともできる。日米首脳会談
パンツを見せられたので、トゥギャザー!トゥギャザー!という単語と身振りだけで意思疎通ができた。ノンバーバルコミュニケーションででかいパンツをふたりではくこともできるのだ。
あとから写真を見てみたら、パンツ以外でもカメラを向けられたときのポーズもばっちりだった。
ポージングもあうんの呼吸で
小さい馬で遊ぶふたり
ここにもうひとり、アーチーマクフィーの創業者でありCEOのマークさんも来てくれた。スティーブ・ジョブズが来たようなものだと思ってもらえればいいと思う。
30年以上おもしろグッズを作り続けている偉人
さっきのフィンガーモンスターもマークさんデザインである。
店内の写真ではこんなことになっていたが
自己アピールタイム
ハトマスクをかぶる以外の活動も知ってもらいたい。これまで作ったCNNパネルやYouTubeに見えるクリアファイル、5mの自撮り棒などをiPadで見せた。
あ、そういえばみたいな感じでiPadを出したが、ちゃんと英語のプレゼン資料を日本で作っていったのだ。
英単語で説明
デイビッドさんからは ”very similar” という感想をもらった。
「そう!僕もそう思っていたんだ。それが通じて本当に嬉しいよ。僕はアーチーマクフィーを尊敬しているし、遠くはなれた場所で同じ思いをもった人に出会えて嬉しい」
と言いたかったがどう言っていいのかよく分からなかったので、 I think so too. と力強く言っておいた。
そこでデイビッドさんからの質問
ハトナイトはart か humorかと質問された。もちろんhumorである。
100%笑わせるつもりでやっている。アートじゃない。
やってることをアートと言われると、いやそんな立派なものじゃないんですというモヤモヤした思いを感じるのだが(いかの塩辛にゆずかけて上品なんだけど酒のつまみ要素を消しちゃった感じ)、その葛藤をいきなりついてきたのでまた静かに唸った。
ユーモアだぜ!
200ドルぶん購入
店内を1時間以上まわって200ドルぶん購入した。爆買いである。CEOのマークさんからは著書をもらった。アーチーマクフィーの歴史とこれまでの商品が紹介されている。
載っている商品のバカバカしさに読むたびに勇気が湧いてくる。
WHO WOULD BUY THIS?「誰が買うんだよ?」というカッコイイ書名
Pigeon manへとサインもらった
最後に店の外で記念写真を撮ることになった(もう店内で何枚も撮ってるけどね)。
屈んでもらって肩を組んだり
ハグしたり
ついでに持ち上げられたり
CEOとさらわれるフリをしたり
店の外で記念写真のはずだったが brother!とか言いながら男3人のはしゃいだ撮影はだらだらと続いた。
こういう締まらない感じも最高。
まだうれしい
インターネットでおかしなことをしていたら、おかしなものを売っているシアトルの店に出会って、実際に行ってみたら愉快な人たちに歓迎された。
変なものを作って笑っていたいという思いだけで世界が広がったのだ。
帰国して1週間以上経つが、まだ嬉しさがこみ上げてくる。