お墓の前で
ピクニック
昔なつかしい清明茶(シーミーチャー)あります。
清明茶?
清明の時期にだけ飲まれるお茶なのでしょうか?昔なつかしいとありますが昔はよく飲まれていたってことなのでしょうか?
何だかとっても気になったのでお茶屋さんに聞いてきました。
清明茶とは何なのか
お話を伺ったのは、那覇の国際通りから1本奥に入ったニューパラダイス通りにある「お茶の店茶仙」さん。創業50数年のお茶専門店。
この辺りには他にも数件のお茶専門店があって清明茶について聞いてみましたが、清明茶を扱っていたのは茶仙さんともう1件のみ。今は扱っていないとか、入荷が無いというお店が多かったのです。
懐かしい木の茶箱。今は輸送コストの安いダンボールに
こちらはステンレス
入口に「清明茶あります」の紙を貼ってから、物珍しさから若い人たちも買いに来るようになったのだとか。
茶仙さんで扱っている清明茶は2種類。500円/100gのものと800円/100gのもの。
これが清明茶。ものすごいいい香りがします。
清明茶ってなんだって話ですが、まずは沖縄でよく飲まれている「さんぴん茶」のことを。
さんぴん茶は、半発酵茶(烏龍茶とかの類)にジャスミンの香りをつけた花茶。ちなみにジャスミン茶とは茶葉が違います。ジャスミン茶は、緑茶にジャスミンの香りをつけたもの。
さんぴん茶(半発酵茶)とジャスミン(緑茶)を一緒のものだと思っていた方も意外と多いのでは。
そして清明茶ですが、清明茶は、さんぴん茶よりも発酵が進んだ半発酵茶。
清明の時期に茶葉を摘むから清明茶と呼ばれる一説もあるとのこと。清明茶の主な産地は、台湾北部や中国福建省。なかでも台湾産が多いそうです。
茶葉が丸くなっているのは「団柔」と呼ばれる作業で球状に揉み込まれるため。この団柔は、凍頂烏龍茶などにみられるもの。
さんぴん茶もいろいろ種類がある
高いようで実は安い(たくさん飲める)
昔から沖縄では「さんぴん茶」が飲まれていたと思っていましたが、一般的に飲まれ始めたのは明治時代後半から。
実は戦前までは清明茶の方がよく飲まれていたのだとか。戦後は缶のさんぴん茶が販売されるようになったり、本土から緑茶が入ってきたりと、清明茶はほとんど飲まれなくなってしまったそうです。
100g買ってみた
昔ながらのスタンドシーラーが使いやすいそう
話を聞くだけのつもりでしたが、せっかくなので清明茶を買って飲んでみようと思います。
淹れてみる
清明茶100gで500円
よく見るさんぴん茶。260円くらい
約90℃のお湯200mlに対して茶葉4gで淹れます。比べるのもアレなんですが、まったく香りが違います。しかしこの清明茶の香りの良さよ。
こんな淹れ方は邪道と言われそうですが、違いがわかりやすいようにコップに淹れてみます。
清明茶はじんわりと茶葉が開いてくる
さんぴん茶はブワッと開く
しばらくすると茶葉が開き、花も咲きました。とてもいい香りがします。
飲み比べてみる
約1分経ちました。同じ量でも茶葉の開き方がまったく違います。団柔ってスゴい。香りも清明茶のほうがしっかり花の香りが漂っています。
色もまったく違います。清明茶の方が薄くて透き通っていますが、さんぴん茶は濃く濁っていますね。
初めて飲む清明茶。味は薄めなんですが香りが強いので味が濃く感じます。少し発酵しているからか、まろやかで少し甘い感じ。エグみも引っかかる感じもなく、これは美味しいですぞ。
さんぴん茶は飲みなれている味ですね。普段強く感じていた香りも清明茶と比べると意外と弱いです。さんぴん茶特有のエグみというか舌や喉にひっかかる感じがあります。
また、さんぴん茶は淹れたてはいいのですが、時間が経って冷めてしまうとエグみを感じます。清明茶は冷めてもまろやかでエグみは感じられません。
安いさんぴん茶ではなく、もっと良いさんぴん茶で飲み比べてみればよかったなぁと後悔していますが、清明茶の美味しさがわかっただけでも良しとします。
いいお茶はたくさん飲める
お茶の世界は本当に難しいので一概にいえないのですが、簡単にまとめると、
清明茶とは緑茶を半発酵させてジャスミンの花の香りを付けたもの。という認識でいいのではないでしょうか。もっと簡単にいうと、高級さんぴん茶。
お茶を量り売りで買うことがないので、100g500円が安いのか高いのかわかりませんが、茶葉100gって意外と多いんですよね。
いいお茶だと何杯も淹れることができるそうなので、ペットボトルで買うのがバカバカしく思えてきました。美味しいし。
ということで、ペットボトルや手頃なさんぴん茶だけではなく、一度くらい清明茶を飲んでみてはいかがでしょうか。
※沖縄の緑茶は、実は日本で一番収穫が早いことや、沖縄で緑茶が栽培されていることも思い出してくださいね。
日本一番茶を体験