レゴでメカる
「レゴ?あの子供が遊ぶやつでしょ?」
という人も多いと思うけど、それと同じくらい
「レゴ?あの子供が遊んだり、マニアが大量の部品を使って巨大な世界遺産を作ったりするやつでしょ?」
という人も多いのではないだろうか。
建築物だけじゃなく、最近だと
レゴで3Dプリンタを作っちゃった人なんかもいる。こうやって本気でやれば面白いことができそうなのだが、そのためにはとにかく金と時間に糸目をつけてはいけないイメージ。要するに敷居が高い。そこまでやるならレゴ使わないほうが効率的なのでは……、とも思うし。
……と、レゴからはちょっと距離を置いていたのが先週までの僕であった。でも、いまは違う。先日友人からこのセットを見せてもらいその日のうちに注文、一気にレゴの虜になった。レゴ最高!
スケッチブックみたいなナイス見た目。のぞき窓からは普通のブロックのほか、ギアや滑車が入っているのが見える。
最初のページには作例が12種類
このセットの特徴は、なにかの形を作るのではなくて、仕組みを作るためのセットである点だ。たとえばこんなものが作れる。
ビーカー混ぜ機
マジックハンド
何かの形を作るんじゃなくて、動くブロックを使って「機能」ができるのだ。
中身を全部出してみた
左上から、滑車にギア、軸棒に固定用部品、ハンドル、輪ゴム、そしていわゆるレゴのブロック。これを見てすでに胸がときめいてしまっている皆さんは、この記事は読まずにもう買ってしまって差し支えない。
でも、お高いんでしょう?いやいや、これだけ入って1,281円(執筆時現在)。CDならマキシシングルの値段だ。
でも、輸入手続きが面倒なんでしょう?いやいや、Amazon.co.jpの洋書コーナーで買える。
お買い上げは
こちらからどうぞ。
自動書記マシン
手始めに、本に載っている作例をひとつ作ってみよう。
なんか勝手に絵を描いてくれる機械らしい
まずはいわれるがままに部品を作る
こんなふうに図入りでわかりやすく載ってます
次にギア。軸の断面は「+」の形で
ギアとしっかり噛み合うようになっている
ブロックに開いた穴は軸受けになってて、こんな感じでなめらかに回せる
別の部品。こうやってギアの途中にも別の部品がつけられる
これを組み立てると
なんか超アンバランスなマシンが完成
一番下の段、ギアがしっかり噛み合っていて気持ちがいい
ギアを回してみるとブンブン暴れる
この剥き出しの「メカ!」って感じがたまらない。
カチカチとブロックをはめ込んでいくだけで、こんな「メカ!」ができてしまう。
そしてこの自動書記マシンの使い方はこうです。
固定してないアームを自由に動き回らせることで、ペンの軌跡を書いている。可動するポイントがいくつかあるので、こんな風にランダムな軌跡になるのだ。
タイトル「フェニックスの飛翔」
最初からちょっとトリッキーなものを作ってしまった。とにかくギアがあればこんなダイナミックなレゴが作れるのだ。
せっかくだから、もういっこいってみよう。
ゴム自動車
スピードスター!
さっきのがちょっとトリッキーだったので、こんどは王道を。動くおもちゃの定番、ゴム巻きで動く車である。
メインのギアには付属の輪ゴムをつけます
こんな感じで各種部品を作ったら
車体にはめ込んでいって
完成!
こうして完成品を見るとえらく複雑な機械に見えるが、組み立て図を見ながらやれば10分もあればできてしまう。逆に言えば10分で「こんな複雑な機械ができた!」という達成感が得られてしまうのだ。費用対効果が高い!
手前に見えているのがゴム巻き用のハンドル。これをキリキリ巻いて、その力で自走する。その様子は動画でどうぞ。
ミニ四駆みたいにギュイーンとはいかないけど、音も立てずにスルスルと進んでいく様子はおもしろい。馬力はないけど意外と長く進んでくれるのは、やっぱりギアの力だ。部品がよく見えるので、そのへんの仕組みがよくわかるのも興奮する。
さらにもう一個
このまま行くと全部の作例を紹介してしまいそうな勢いだが、最後にひとつだけ。本の最後に載っている作例で、これが軽く感動モノなので皆さんにもシェアさせていただきます。
テネシータイムキラー?
って名前だけではよくわからないのだが、時計風の暇つぶしマシンということらしい。どういう動きをするか、動画で見てもらおう。
ポールに紐が巻き付いて、ほどけて、一周回って、巻き付いて、ほどけて……。
と、確かに見ていて全然飽きない。回転はゴム動力なんだけど、遠心力も効いているのでけっこう長時間回ってくれる。
まさに「工夫」って感じの作品で、テンション上がる。
オリジナルを作ってみよう
で、ここまでで説明したのはこのセットの魅力のうち1/10くらいである。本に載っている作例を作って各部品の使い方を覚えたら、あとはこの部品を使って自分だけの機械を作ることができる。その無限の可能性こそが、このセットの本当の魅力なのだ。
僕もひとつ、オリジナルの機械を作ってみよう。
まずはシンプルに大小のギアを噛み合わせてみる。
僕もこのサイトでよく工作記事を書いているけど、レゴを使わずに自分で工作をしていると、ギアの機構ってなかなか自分では作れない。歯の間隔も、軸の中心も、軸同士の間隔も、ぜんぶ正確にしないとちゃんと噛み合わないからだ。でもレゴなら、穴の数を数えるだけで簡単にギア機構が作れる。これは本当に便利。
ギアを延長してもうひとつ輪っかをつけて
そこに棒をつけた
ハンドルを回すとこんな風に動く
ひとつ部品を付けるたびに「おー動いた」という興奮があり、断続的な興奮で脳内麻薬が止まらない。
これを枠にはめて
脚をつけて完成
小学生時代の夏休み、宿題の参考にしようと工作本を見ると、「クランク」っていうのがよく載っていた。
当時は「ハンドルを回すとピョコピョコ跳ねる人形」のことをクランクと呼ぶのだと認識していたが、いま調べてみるとクランクというのは機械のしくみの一種なのだ。回転を往復に変換できる。
というわけでこれがクランク。ハンドルを回すと棒が上下する
クランクはわかったけど、これは一体何に使うものなのか。
こうやってパソコンのキーボードにセットして
棒の先はF5キーに
F5連打マシンである。
F5キーはブラウザのリロード(再読込)ボタンだ。下の動画で、ページの右サイドバーが点滅しているのがわかるだろうか。毎回リロードされているのである。
たとえばブログを更新したとき。誰かがコメントを付けるのではないかと思って高速リロードを繰り返してしまうときがある。そんなときこの機械をつかえば効率的にF5キーを連打できる。ギアを使っているので、ハンドルを1回転する間に約2回も押せるのだ。効率2倍!
他の用途として、僕らみたいにウェブサイトを運営している人は、サイトのページビューを水増しするために導入してもいいかもしれない。
あるいはライバルサイトのサーバに負荷を与……おっと、この話はこの辺にしておこうか。
ひとつといわず2個3個
このセット単体で作れるのは、F5連打マシンくらいの規模が、部品数的にめいっぱい。でもレゴだから他のレゴと組み合わせることもできるし、このセットも安いから2つ3つ買ってしまってもよさそう。とにかく、この「Lego Crazy Action Contraptions」、超おすすめなので、この記事を読んで気になった方はぜひどうぞ。
Amazonで買えます。
ギアを速いのに変えて、輪ゴムで自動連打できるようにしたバージョン。超高速で狂ったように連打して怖かった
※この記事を書くに当たって筆者は発売元のKlutz社およびレゴ社、Amazon社から一切の利益を受け取っていません。ただ、いまからでも遅くはないと思います。連絡先はこちらをご覧ください。
(追記)この商品は終売のようなので、同じくメカが作れるレゴのセットをご紹介します。どちらも日本語版!
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