写経は善行
古くからお経を写す「写経」というものが存在する。善行とされ今でも多くの人が写経を行っている。写すお経はいろいろとあるが、一般には般若心経が多い。写すことでお利益を得ることができるのだ。
写経
写経する般若心経は約250字。1時間ほどかかる作業だ。見慣れない漢字も多く、なかなか骨の折れる作業である。手書きというのも大きな問題で、心を込めて書き写しても字が汚いとどうも達成感がない。1時間かけてこれ? と自分で書いたのに頭の上にはてなが浮かぶ。
般若心経を
手書きで写す
一時間くらいかかって完成(字が汚い)
コピペ写経
写経というものを分かりやすく考えると、A(般若心経)をBに写すことである。難しいことではない。現在で言う「コピペ」である。コピペとはコピー・アンド・ペーストのこと。「Ctrl+C」と「Ctrl+V」。つまり現代では1時間もかけなくても写経はできてしまうのだ。
紙もペンも必要ない!
Ctrl+C
Ctrl+V
終了!
5秒である。一時間かかった写経が5秒で終わった。結果としては通常の写経と変わりはない。下手な字の写経よりよっぽどご利益がありそうな気もする。また通常の写経は時間を作ってしなければならないが、コピペ写経ならばちょっと気が向いた時にできてしまう。善行放題である。
マンガを読みながらでもCtrl+C
ゲームセンターでもCtrl+V
とにかくご利益が欲しい
ちょっとコンビニへ、よりも気軽にできるコピペ写経。写経の敷居がグッと下がったのではないだろうか。パソコンがあれば誰でもできる。「Ctrl+C」の前に「Ctrl+A」で般若心経を全選択するのも時間短縮に必要なテクニックだ。字の美しさよりもパソコンの習熟度が試されるのがコピペ写経である。
寝転びながらでもCtrl+C
洗濯が洗濯板から洗濯機になったように、誰もが求める変化が写経に起こったのだ。写経には違いないので善行である。1時間もコピペ写経をすれば、普通の人が一生で行うであろう写経の数を軽く越えることになるだろう。
砂利の上でもCtrl+V
今年から私の生活の中心となっていた仕事が先日打ち切りになった。サバンナでライオンと目が合ったくらい大変な出来事だった。この状況を挽回するにはもはやご利益に頼るしか道はない。その結果のコピペ写経なのだ。通常の写経とは比べられないスピードで写経できるので、もはや善行の権化、ご利益の鬼のはずなのだ。
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修行感を強める
パソコンを持ち歩いていない場合は「コピー写経」である。この方法も時間はかからない。バソコンも必要なく、般若心経が書かれた紙とコンビニがあれば写経ができてしまう。
般若心経を
コンビニのコピー機でコピー
終了
AとBに写すという点ではコピー機を使うのも写経である。問題はお金(10円)もかかる点。打ち切りの問題等でお金はかけたくない。そう考えるとやはりパソコンである。そこでさらにご利益を得るためにコピペ写経に修行的な要素を加えたいと思う。ご利益の足音が耳元で聞こえる。
浜辺にパソコンを持って行って、
海から出て来て、
パソコンに向かい
Ctrl+C
Ctrl+V
仕事がさらになくなりました
より効率的な善行を行うべくコピペ写経を行った。一時間もかかった写経がわずか5秒。パソコンさえあれば、エアコンのスチッチを押すような感覚で写経ができる。素晴らしき発見だと思う。
しかし、先述の打ち切りになった仕事以外に、私が定期的に書かせていただいていた仕事が消滅したとこの撮影を終えた後に聞いた。あんなに写経をしたのにと思う。きっとこれではダメなのだ。もっと数をこなさなければならないのだ。今後はますますコピペ写経に精を出して行こうと思う。