特集 2012年10月24日

焼き鳥はフライパンで焼けば煙くない

焼き鳥が好きなのですが、悩みがあるのです。
焼き鳥が好きなのですが、悩みがあるのです。
僕は焼き鳥が好きなのだが、家で焼くと結構大変な事になる。なにせ煙が凄いので狭いキッチンに白いモヤが掛かってしまうのだ。火災報知器が反応したらコトだし、焼いた後しばらくは家中が香ばしくて大変だ。

でも家で焼き鳥を焼いて食べたい。そこで、今回は家で簡単に煙を出さずに焼き鳥を焼く方法を考えてみたいと思います。
あばよ涙、よろしく勇気、こんにちは松本です。

1976年千葉県鴨川市(内浦)生まれ。システムエンジニアなどやってましたが、2010年にライター兼アプリ作家として自由業化。iPhoneアプリはDIY GPS、速攻乗換案内、立体録音部、Here.info、雨かしら?などを開発しました。著書は「チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ」「30日間マクドナルド生活」の2冊。買ってくだされ。(動画インタビュー)

前の記事:房総の海岸でイルカの耳石を探した

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まずはサンマの干物から話が始まる

サンマの旬と言えば秋。つまり今まさにサンマが旬でとても美味しいのだけど、これがまた焼くと煙で大変な事になる。
サンマの開き。脂がのってて美味しいよねぇ。
サンマの開き。脂がのってて美味しいよねぇ。
脂がのりまくったサンマを焼き網で焼くともう、煙モクモク、挙げ句に網に落ちた脂に火が着いて燃えだす始末だ。
怖い。火、怖い。
怖い。火、怖い。
コンロ上の換気扇は全力運転、窓やドアなども開け放ち全力で換気をするが、それでも間に合わずに部屋が煙ってしまう。
もやーんと煙る。僕のパソコンなどはキッチンの隅にあるので出来れば煙らせたくない。
もやーんと煙る。僕のパソコンなどはキッチンの隅にあるので出来れば煙らせたくない。

そこで、フライパンの登場となる

なぜ煙るのかと言えば、サンマの身から出た脂が焼き網に落ちて一瞬で気化するからだ。なので、脂が落ちないように焼けばいい。となるとフライパンである。
頭は焼くのに邪魔なので外した。中骨も外してカリカリに焼いちゃう。
頭は焼くのに邪魔なので外した。中骨も外してカリカリに焼いちゃう。
焼いている間、煙はほとんど出なかった。煙が気にならないのでジックリ焼ける。煙が出るとそっちが気になって早めに火から下ろしてしまい、結果生焼けなんて事もあったが、フライパン式なら生焼けにはなりにくい。
香ばしく焼けました。
香ばしく焼けました。
フライパンでジックリ焼けば、腹骨も中骨もカリカリに焼けてそのまま食べられる。サンマの味も申し分ない。焼き網で焼いたのと比べて、煙の香ばしさは物足らないが、利便性と比べたら仕方ない代償だろう。干物だってフライパンで焼いていいと僕は思うのだ。

焼き鳥に応用してみる

次は本題の焼き鳥である。使うのは鶏のモモ肉と鶏レバー。適当な大きさに切って塩とタレで味付けをし、しばらく置いたら串に刺して焼く。
適当な大きさに切って味付け。
適当な大きさに切って味付け。
ネギと一緒に串に刺す。
ネギと一緒に串に刺す。
串に刺して下ごしらえしたやつを、フライパンで焼く。
見た目的には変ですなぁ。
見た目的には変ですなぁ。
フライパンで焼くと、やっぱり煙くならないのが良い。煙の心配が無いっていうのは本当にいいものだ。
結構良い焼き色が付くでしょう。なお、レバー(っていうか心臓か)の串が焦げてるのは再利用したせいです。
結構良い焼き色が付くでしょう。なお、レバー(っていうか心臓か)の串が焦げてるのは再利用したせいです。
でも順調に焼けたように見えて、実はちょっと苦戦した。肉に凹凸があるせいで、フライパンに接地しない部分があったのだ。串に刺した弊害である。そこは菜箸で押し付けて焼いた。でもって出来上がりはこれ。
良い感じで焼けました。焼いてるあいだ煙出ないし、良いんじゃないかと思ったわけですよ。
良い感じで焼けました。焼いてるあいだ煙出ないし、良いんじゃないかと思ったわけですよ。
どれどれ、美味いのかしら。
どれどれ、美味いのかしら。
美味い。普通に美味い。でもちょっと…。
普通に美味しいんだけどさ。
普通に美味しいんだけどさ。
概ね美味しいのだけど、ネギや肉の焼け具合がバラバラで、一部生焼けのネギなどがあった。肉には火が通っているのだけど。串に刺した焼き鳥をフライパンで焼くのは、やや難があるように思う。

じゃあバラバラで焼いちゃえ

串に刺して焼くのが難しいなら、刺す前に焼いちゃえば良いのだ。味付けした肉やレバー、ネギを串に刺さずフライパンに投入。
焼き鳥を串に刺さずに焼くというソリューション。
焼き鳥を串に刺さずに焼くというソリューション。
焼き鳥なんだから串に刺して焼かねばならないというのは、頭が固い発想である。いっそバラバラで焼いてしまえば良いのだ。パーツで分かれている方が焼くのが簡単である。もちろん煙くなることもない。
タレの肉だけフライパンでタレを絡めれば良いので味付けも楽。しかも煙知らず。
タレの肉だけフライパンでタレを絡めれば良いので味付けも楽。しかも煙知らず。
焼けたらフライパンから取り出して串を刺す。しかし、これはちょっと苦戦した。
まずは塩味の焼き鳥から作る。
まずは塩味の焼き鳥から作る。
素手でやったら超熱くて難儀した。
素手でやったら超熱くて難儀した。
焼きたての鶏肉やネギは、当たり前だがメチャクチャ熱かった。最初は素手で串に刺していたのだが、熱々のタレを触った瞬間、これは素手でやる作業じゃないなと悟ってトングを使った。最初からトングを使うべきだったね。
トングの導入により作業効率は劇的にアップ。
トングの導入により作業効率は劇的にアップ。
完成したのがコチラ。
バラバラで焼いた後に再構成された焼き鳥である。
バラバラで焼いた後に再構成された焼き鳥である。
食べてみるとちゃんと焼き鳥である。火の通りも良いし、皮も香ばしく焼けている。焼くときの煙も気にならないし、かなりいい方法だろう、これ。
あははは、こりゃ美味いわい。
あははは、こりゃ美味いわい。
しかし思うに、焼き鳥屋なんか行ったときに、運ばれてきた焼き鳥をみんなで食べやすいように串から外してしまうだろう。だったらいっそ串に刺さずに焼いてそのまま提供すれば良いような気もする訳で、串ってなんなんですかね、なんて事も思うわけです。様式美?

最後、煙くなりつつ焼き鳥を焼く

鶏肉が余ったので、最後に焼き網で焼き鳥を焼いてみようと思う。余興みたいなもんだ。

焼き鳥を焼き網で焼場合、串の持ち手部分はアルミホイルで包まないといけない。そうしないと串が燃えちゃうからだ。
やっぱ煙が凄い。
やっぱ煙が凄い。
やっぱり焼いてる間の煙が半端ない。あっという間にキッチンにモヤが掛かった。落ちた脂が燃え上がって怖いし、焼き網での焼き鳥は大変である。

フライパンの場合はタレを絡めれば良いだけだったけど、ハケで塗らなきゃならないのも面倒くさい。網に落ちたタレが焦げてまた煙が出る。戦国時代ならのろしに使えるレベルである。

いや、もしかしたらかつてのろしを上げていた頃、煙の下では焼き鳥かサンマを焼いていたのかもしれない。なんだそりゃ。
燃えると煙は減るが火事のリスクが増して怖い。
燃えると煙は減るが火事のリスクが増して怖い。
煙と炎に苦戦しつつ焼き上がった。焼くのは大変だけど、やっぱ焼き網で焼いた焼き鳥は美味しそうである。
味的にはやっぱこれが一番なんだけどね。
味的にはやっぱこれが一番なんだけどね。
文句なしに美味い。脂の煙で燻されていい香りがするし、余分な脂が落ちたせいでくどくない。味としてはフライパンで焼いたのと比べて一段上だと思う。

でも、やっぱ煙とか色々大変なので、今度焼くときはフライパンかなーなんて思ったのであります。火災報知器が反応したらコトだ。

家で焼き鳥を食べたい人へ

まぁ、焼き鳥なんてお店で食べても大した値段じゃないし家で食べることも無いかなって気もする。が、会社帰りに一杯っていうのが僕には無い。家で仕事をしてるから。そういう立場だと、やっぱ家で焼き鳥を焼きたくなるわけで、煙対策のソリューションが必要になるのだ。

なお、魚焼きグリルで焼けば煙は出ないのだけど、水を張って焼くとどうもカリッと焼けないし、水を張らずに焼くと掃除が大変だし、あんまり好きじゃないんですよ、魚焼きグリルが。セラミックの砂を敷いて焼くって手もあるけど、あれも面倒な点がありますのでフライパン式が一番楽かなって思います。


お知らせ:食べ比べ本を書きました

クレヨンしんちゃんでお馴染みの双葉社が出版している「増刊大衆」という月刊誌で、5年ほど前からB級グルメの食べ比べ記事を連載しています。その経験を生かしつつ、最近半年くらいで色々食べまくった結果を一冊の本にまとめました。約100チェーンを食べ比べました。
ウェンディーズのこれ、美味かったなぁ。
ウェンディーズのこれ、美味かったなぁ。

タイトルは「チェーン店B級グルメメニュー別ガチンコ食べ比べ」で2012/10/31発売です。Amazonのページはコチラ。ファミレスやファストフード、牛丼チェーンや立ち食い蕎麦など、色んなチェーン店のメニューを食べ比べています。面白い内容になったと思うので見かけたら買って下さい。見かけなかったらAmazonで買って下さい。
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