千葉県警の祭典である。
発端は警察のフェス
さて、イルカの耳石が海岸に落ちているという話だが、どこで知ったのかというと千葉県警が千葉そごうでやっていた「ふれあいフェスタ」である。
たまたま千葉に行ったら開催されていて、面白そうだと一回りしたら予想外に面白かった。
ざっとご覧ください。
パトカーかっこういい。
子供たちが白バイに乗って、親たちが写真を撮ってた。
生皮を剥いだみたいな色ですが、千葉県のゆるキャラ、チーバくんです。
振り込め詐欺のポスターが怖くてよかった。
水上バイクの白バイなんてのもあるのだ。
名前は「ぼうそう」。これ見て「あはは、暴走だって!」って笑ってたら横にいた警官に「房総半島の房総です」って言われた。流石警官というマジレスぶりで好ましかった。
他にも機動隊のコスプレが出来るコーナーとか、鑑識体験が出来るコーナーとかあったが、大体子供向けだったのでスルー。一番奥でひっそり開催されていた警察官の芸術作品展示コーナーへ向かった。
そこにあったのだ。
これが海岸に落ちているという。まったく知らなかった。
白くて綺麗な耳石。
イルカの耳石が化石になった物らしい
動物の耳には耳石という平衡感覚を感じるための石が入っている。石と言っても炭酸カルシウムの結晶だそうなので、骨みたいな物だ。
写真の耳石はイルカの物だそうで、長い年月を掛けて化石になったのだと、横の説明に書かれていた。色は埋まっていた土壌によって違うらしい。
米俵に布袋様が座っている姿に似ていることから布袋石という名前で、漁師の間では昔から縁起の良い物と言われてきたのだとか。僕の目には布袋様っぽく見えないが、そういう事らしい。
最近はサーファーのお守りとしても流行っており、1個1万円くらいで売っているとも聞いた。
1万円である
漁師の間で縁起物扱いされているのも知らなかったし、サーファーがお守りにしているのも知らなかったし、第一こんな石が海岸に落ちてるのも知らなかったし、なんつっても1個1万円である。
これはもう、拾いに行くしか無いだろう。という事で内房線に駆け込み乗車し、館山に向かった。なんでも、館山の海岸に落ちているらしいのだ。
地中海を思わせる館山駅の駅舎。かわいい。
千葉の南の先っちょにあるのが館山駅。
館山駅に到着
内房線に乗ったらなんだか電車が遅れたりして、随分時間が掛かったが館山に着いた。おそらく同じ時間で、新幹線なら大阪まで行けちゃう。房総は遠い。
なお、今回はいつもの行き当たりばったりではなく事前に調査してきた。耳石が落ちていそうな海岸まで歩いて40分。かなり遠い。そこで、駅前でレンタサイクルを借りる事にした。
これが滅法楽しい自転車だったのだ。
くじら弁当ってのが売られていた。房総は和田で捕鯨をしているので鯨をよく食べる。
たてチャリという名前のレンタサイクル。観光協会がやってるらしい。
借りられるのは電動アシスト付きの自転車で、最初の1時間が300円。2時間なら500円。以降は1時間毎に250円である。その場で個人情報と引き替えに「たてやまファンクラブ(無料)」の会員になれば2時間以上の利用で100円引きになる。つまり3時間借りたら750円で、会員なら650円って事だ。
とりあえず3時間借りていく事にした。マシンは下の写真。いつも思うが、レンタサイクルはちゃんと整備されていて快適である。
人生初の電動アシスト自転車である。
自転車の電源を入れるって新感覚だ。
電動アシスト自転車ヤバイ
生まれて初めて電動アシスト自転車に乗った。ペダルを踏み込むとアシストが働き、後ろからグイッと押されたような感覚になる。なんてスムーズな漕ぎ出しだろう。
ギアを重くしても重いと感じないし、坂道でも存分にアシストが働いて辛さを感じない。なにこれ。ちきしょー、みんなこんな楽しい乗り物に乗ってたのか!という悔しささえ感じた。これはちょっと欲しくなってしまう。
これで館山の街をグルグル走り回るのも楽しそうだが、それじゃ流石に記事にならない(この先の展開も色々アレだが)。
沖ノ島を目指してペダルを漕いだ。
そういえば、こんな噂を聞いた
イルカの耳石、布袋石について調べた時にたびたび目にしたのが「欲深い者には見つけられない」という言葉である。探そう探そうと思っている欲深い人間の前には現われないのだという。
逆に、なんとなく海岸を散歩していたらふと見つかる、そういうものなのだそうな。ははーん、迷信である。僕の性根と、石が見つかるかどうかという結果とは無関係である。そんなもんはたまたまの偶然であるので、一生懸命に欲深く探せばちゃんと見つかるはずだ。
で、沖ノ島に着いた。
奥の緑のこんもりが沖ノ島だ。
沖ノ島公園っていうのだそうな。
インターネットで調べたのだ
イルカの耳石を探すに当って、一応どこに落ちているのか調べた。もちろんインターネットで調べたのだが、拾ったという人のブログなどを読むと、どうも沖ノ島の辺りが有力そうだった。
ここには遺跡のようなものがあって、そこからイルカの耳石が出てきたとか、かつてここにイルカの解体場があったとか、まことしやかな情報満載である。なにやら石が落ちていそうな雰囲気プンプンする。
そこでここに狙いを定めた次第である。
早速探すぜ!
単に散歩するだけでも凄く良いところです。
ありゃしねぇ。薄々判ってはいたが、広い海岸で2cm程度の小さな石を探し出すのは容易ではない。難しい。棒きれを拾って漂着物をかき分けると、謎の小さな虫が跳ね回って大変に気色悪い。かっ!こらしごとだ!(房総弁)
イルカの耳石ねっぺかー。
ねーなー。
こういう石を探したいのだ。
ここで一度確認したい
今日探しているのはイルカの耳石、布袋石である左の写真みたいな、なんか噛み終わったガムみたいな形の石である。海岸に落ちていたら相当目立つはずだ。
石ころや貝殻とは決定的に違う形をしている。ちゃんと探して、もし落ちていたら気付くはずだ。
しかし見つかるのは違う石ばかりだった。
珊瑚の欠片ですかね。
これも珊瑚だろうか。雷おこしみたいだ。
ルアー落ちてた。
そしてピーマン。
海岸には石ころとか貝殻がいっぱい落ちてた。
そして自衛隊のヘリが飛んでた。すぐ近くが基地なのだ。編隊飛行かっこいー。
この中に布袋石はなかった。
貝殻はこんなにたくさんあるのに。
山にも落ちていたが、海にもプルトップ落ちてた。
沖ノ島には落ちてなかった
もう書いちゃうが、この記事全編を通してイルカの耳石は見つからなかった。沖ノ島でも見つからなかったし、次のページでは別の場所でも探すが見つからなかった。
下調べをして、結局沖ノ島では3時間近く探したが見つからなかったのだ。
なぜだ。次のページでは鴨川の海岸でイルカの耳石を探します。
自衛隊基地の門外から展示ヘリを激写。オスプレーはない。残念。
鴨川の海岸でリトライ
館山ではダメだったので、次の日は鴨川に出かけた。鴨川の東条海岸は遊泳は出来ないがサーファーが多い海岸だ。
そもそもイルカの耳石がサーファーの間で流行ったのは木村拓哉さんが鴨川の知人から貰って首から提げたのがキッカケらしい。ってことは、もしかしたら鴨川の海岸にも落ちてるのかも知れないという淡い期待で砂浜に降りた。海は大荒れだった。
大荒れの東条海岸。サーファーすらいねぇ。
流木とかはたくさん落ちている。
すべすべの石も落ちてて河原っぽい。
考えてみたら東条海岸の砂浜に降りるのは初めてだ。サーフィンしないし、鴨川で砂浜に降りる用事は全くなかった。高校時代に彼女が鴨川の人だったりしたら、一緒に海岸で追いかけっこでもしたのかも知れないが、そもそも高校時代に彼女なんていなかった。
で、東条海岸には石ころや流木など色々落ちていたが、イルカの耳石が全く落ちていない。木村さんの知人はどこで拾ったのだろう。
あまりに見つからないのでダウジングを始めた。
拾った棒でダウジング。開いたらその場を調べる。
落ちてないかなー、1万円、いや、イルカの耳石。
ロッドが反応した。
二本の枝を持ってブラブラ歩いていたら、強風のせいが大きいと思うがロッドが開いた。お、ここにイルカの耳石が落ちてるのか?と足下を見たらキムチが落ちていた。
海って驚きに満ちている。
賞味期限は8月12日。2ヶ月前である。流石にこのキムチを食べる勇気はない。
日本語だし、日本で売られていた物らしい。
ダウジング続行
ロッドは風で開いちゃうので、今度はストラップを付けたiPhone5をブラブラさせるダウジングに挑戦。これで今度こそ耳石を見つけられるに違いない。そう、アイフォーンならね。
iPhone5でダウジングをしたのはきっと僕が世界初。
さっきのはL字型の枝を両手に持ち、開いたらその場を探す方式だった。今度のダウジングは、紐に吊るしたものが回り出したらその場を調べる方式だ。
で、ブラブラしてたら反応があった。足下を見ると。
椰子の実が落ちていた。名も知らぬ遠き島より流れて来たのだろうか。
こんなのダウジングじゃなくても見つかる。ダウジングの意味あったのだろうか。いや、ないな。
遠くには潮風に煙る鴨川シーワールド。
海は大荒れである。
しんどい。風も強いし波しぶきが飛んできて体やカメラが潮っぽくなってきた。ドラクエの毒の沼地みたいに歩くたびに体力が削られていく。
ダウジングも失敗したし、目視でいくら探してもイルカの耳石は見つからない。やはり欲深き者の前には現われない様だ。
ここで撤退である。
振り返ると妻が堤防の上で遠くを見ていた。あとで何をしてたのか聞いたら、大魔法使い気取りでいたのらしい。セリフ的には「風が、悪いものを連れてきたな」とかだろうか。後ろに写っている亀田病院で厨二病を看てもらいたい。いや、ダウジングとかしてる時点で僕も同類か。
一応結果をご覧ください
前のページでイルカの耳石は見つからなかったと書いてしまったのにこんなところまで読んでいただいてありがとうございます。
一応、海岸で貝殻とか小石を拾ってきたので最後のページではその成果を発表したいと思います。
イルカの耳石は無いけどな。
鴨川の東条海岸で拾ったもの
まずは東条海岸編。ここはすべすべした石ころとか、摩耗して丸くなった貝殻とか落ちていた。いつでも波が高い海岸なので削れやすいのだろう。
すべすべした石が可愛い。特に一番下の石が可愛い。
貝殻が丸くなってて可愛い。ガラスの破片とかもすべすべしてた。すべすべマニアには堪らない海岸である。
イルカの耳石はガムの塊っぽいという認識のもと、それっぽいものも拾った。おそらく溶けたプラスチックの塊とか、金属の塊とかそういうものだ。
耳石!と思って拾ってガッカリするっていう繰り返しだった。
館山の沖ノ島で拾ったもの
次は沖ノ島で拾ったもの。やけに宝貝の貝殻が多いが、妻が耳石そっちのけで宝貝ばかり集めていた。なぜか自慢されたが、宝貝より耳石を探せと言いたい。
こうして並べると可愛いけどさ。
あと、ちょっと面白い貝殻が落ちていた。魚のエラっぽいのだ。
こっちから見ると貝殻ですが。
裏から見ると魚のエラっぽい。エラ石と名付けよう。
ウニの殻も可愛い。もう耳石のことは忘れてくだされ。
漫画版の風の谷のナウシカに出てくる、王蟲の殻で作った家みたいな形で可愛い。
珊瑚の欠片が耳石っぽいと思った
館山は日本における珊瑚の北限で、海底には珊瑚が生えているらしい。だからだろうか、珊瑚の欠片っぽいものも海岸に落ちていた。
それがやっぱりガムの塊っぽくて、見つけるたびに耳石か?と一人で色めき立っていた。
ガムの塊、ガムの塊、と念じながら探していたので、こういうの結構拾っていた。
こんなの1個も落ちてなかったよ。
今後も欲深く探します
迷信の通り、欲深く探していた僕はイルカの耳石を見つけられなかった。が、おそらく色んな都合により4時間ほどしか探せなかったのが主な原因だと思う。実家があるので房総には今後もよく行く事になるだろう。また海岸に行ったら耳石を探そうと思っているので、耳石を見つけたらまた報告します。