特集 2011年12月28日

豆の常識を疑え!あずきのカレー、レンズ豆でお汁粉

あずきはあんこや汁粉だけのものじゃない!
あずきはあんこや汁粉だけのものじゃない!
世界的に見ると日本の汁粉は変わっているのらしい。豆を甘く煮るってマジデスカ?と。グローバルな"普通"では豆は甘く煮ずにしょっぱく味付けするのだそうな。たしかにポークビーンズはトマト味だしチリコンカンや豆のカレーなんてのもある。

肉や魚を砂糖で煮込むみたいなものと考えると、たしかに豆を甘く煮るのはクレイジーかもなぁと思う。

そりゃ細かく見れば甘い豆料理やあんこが好きな白人もいるだろうが、日本人ほど豆を片っ端から甘く煮る民族も珍しいのらしい。

中でもあずきといえば汁粉やあんこが定番。もちろん甘い。今回はそんな常識を疑ってみたいと思います。
あばよ涙、よろしく勇気、こんにちは松本です。

1976年千葉県鴨川市(内浦)生まれ。システムエンジニアなどやってましたが、2010年にライター兼アプリ作家として自由業化。iPhoneアプリはDIY GPS、速攻乗換案内、立体録音部、Here.info、雨かしら?などを開発しました。著書は「チェーン店B級グルメ メニュー別ガチンコ食べ比べ」「30日間マクドナルド生活」の2冊。買ってくだされ。(動画インタビュー)

前の記事:ミニ四駆に翼をつければ飛ぶか?

> 個人サイト keiziweb DIY GPS 速攻乗換案内

一袋300円くらい。
一袋300円くらい。

ひよこ豆やレンズ豆は甘くしたら美味いか?

あずきの常識を疑うと同時に、ひよこ豆やレンズ豆の常識も疑ってみたい。ひよこ豆やレンズ豆といえば、よく豆カレーに使う豆だ。

考えてみれば、これらの豆を甘く煮るのもアリなんじゃないか。ついでなのでレンズ豆やひよこ豆で汁粉を作ってみたいと思う。

まずは吸水が必要なので、水につけて一晩放置する。その隙にあずきカレーを作ろう。
あずきって可愛いよね。
あずきって可愛いよね。

あずきは吸水がいらない

大豆にしろ黒豆にしろ、豆ってのは大体固くて使う前には吸水させる必要がある。が、あずきは吸水いらずでいきなり茹でる。

一度沸騰させて灰汁を取ってまた煮込めばいい。豆の中では扱いが簡単な部類だ。1時間ほど茹でれば柔らかくなる。

では、茹でている隙にベースとなるキーマカレーを作ろう。

インドカレーって簡単です

カレーといればカレールウを使いがちだけど、インド風のカレーを作るのって意外に簡単なのでだだっと紹介したい。

大雑把に言えば、材料を細かく切って炒めてスープで煮込んでカレー粉始め色々適当に味付けして煮込めばいい。目分量でもかなりそれっぽい物が出来ますが、分量や味付けを細かく知りたければクックパッドでも見てください。
しょうがとニンニクをみじん切りにして油で炒める。
しょうがとニンニクをみじん切りにして油で炒める。
玉葱と人参をみじん切りにして投入。
玉葱と人参をみじん切りにして投入。
挽肉を投入して炒める。基本、材料を細かく切って炒めればいい。簡単。
挽肉を投入して炒める。基本、材料を細かく切って炒めればいい。簡単。
鶏ガラスープとかコンソメスープとか適当なスープを投入。煮込む。
鶏ガラスープとかコンソメスープとか適当なスープを投入。煮込む。
なんでもカレー味にする魔法の粉、カレー粉を適当に大さじ1か2または3投入。
なんでもカレー味にする魔法の粉、カレー粉を適当に大さじ1か2または3投入。
塩とかガラムマサラとかケチャップとかソースとかトマトピューレとかで適当に味付けをする。味見をして少し濃いめにする(後であずき入れるから)。で、煮込む。
塩とかガラムマサラとかケチャップとかソースとかトマトピューレとかで適当に味付けをする。味見をして少し濃いめにする(後であずき入れるから)。で、煮込む。

煮込んでる間に今年を振り返ろう

味付けまで出来たらあとは10分くらい煮込んで、そこにあずきを投入してもう10分煮込んだら完成。

だからあと20分くらいで出来るだろうか。20分と言っても貴重な時間なので、空いた時間に今年の自分の記事を振り返りたい。
1月最初はプログラムの流れを紙に書いた「フローチャート」の記事。元旦に実家へ帰って、2日に戻ってきて記事の撮影をした。ライターに正月休みはない。
2月は海外を感じられるスポットを巡って旅行気分を味わった。どこも楽しかったが、IKEAは度肝を抜かれた。最近行ってないのでまた行きたい。
3月は人型寝袋を紹介した。これは本当に温かくて今も重宝している。もうすっかり慣れたもので、宅配便が来ても着たまま受け取っている。3月は「重曹でスパゲティがラーメンになる」も書いた。今年食べたビックリ料理の中で一番面白かった。
ちょっと飛んで6月は、たまには工作っぽい事もしてみようと思って無理して工作して酷い目に遭った。
7月は涙を溜めた。涙って綺麗なイメージがあるが、溜めてみると白濁していてまつげとか浮いてるし結構アレな見た目だ。発見である。はっけんの水曜日だ。

あ、カレーが出来た。あずきも煮えたので合体だ。
あずきを大胆に投入。
あずきを大胆に投入。
10月はいいちこメソッドの記事を書いた。広告はずっと前から好きで、一時期は宣伝会議賞に応募してた事もある。写真を撮るのも好きなので、写真と広告を合わせてなんか書きたいなと思って頑張った。撮影するために一眼レフデジカメとレンズ数本、中身が入ったいいちこを持って街を歩き回ってとにかく疲れた。

と、今年を振り返ってる間にあずきカレーが出来た様だ。
あらやだ、なにこのお洒落カレー。
あらやだ、なにこのお洒落カレー。

違和感無いような気がする

出来上がったあずきカレー。挽肉も入れたので、あずきキーマカレー。言いづらいので、あずきーまカレーとでも呼ぶか。

あずきの匂いは全然しなくて、カレーの匂いしかしない。特殊部隊はジャングルで何かの肉を食べるときはカレー粉を掛けるという。どんな肉の臭みも消えるからだそうな。
アップで。普通に美味そうですな。アリだと思います。むしろお洒落な見た目。
アップで。普通に美味そうですな。アリだと思います。むしろお洒落な見た目。
では、いただきます。
では、いただきます。

実食

食べてみよう。味は大体食べる前から予想できてますが。
ナンに乗せて食べるのです。
ナンに乗せて食べるのです。
あーん。
あーん。
むぐむぐ。
むぐむぐ。
あはは、うめぇ。
あはは、うめぇ。

どんな味かというと

カレー味だ。カレー味以外に表現のしようがないほどにカレー味だ。笑っちゃうくらい違和感がない。普通に豆のカレーである。ホクホクしたあずきがカレー味で美味い。

イメージ的にあずき自体が甘いと思ってる人もいるかも知れないが、あずき自体にはあまり味がないので、カレーに入れればしっかりカレー味になる。

あずきーまカレーはまったくなんの違和感も無く美味しいので、今後は豆のカレーを食べたいけれど家にあずきしかないって場合も安心してあずきで豆カレーを作ればいいと思う。
レンズ豆は見た目が2枚貝みたいで可愛い。
レンズ豆は見た目が2枚貝みたいで可愛い。

レンズ豆の汁粉

あずきでカレーを作って終わっちゃうとタイトルに偽りありすぎで半分嘘になっちゃうので、次はレンズ豆で汁粉を作る。

ちょうどいい具合にレンズ豆の吸水が終わった。水と一緒に鍋に入れて煮込むと柔らかくなる。それを砂糖で甘く味付けすれば汁粉の完成。

汁粉って簡単だよね。
色が薄めで上品な見た目のレンズ豆汁粉。
色が薄めで上品な見た目のレンズ豆汁粉。
いただきます。
いただきます。
どれどれ。
どれどれ。
アリだと思います。
アリだと思います。
特別美味くもないが、不味くはない。普通にこういう甘味があってもいいかなという感じ。汁粉かと言われると、よく知ってる汁粉とは違うのだけど、不味いわけではない。

夜中にどうしても汁粉を食べたいけどあずきじゃなくてレンズ豆しかないのなら、レンズ豆で作るのもアリかなって感じだ。

(重曹パスタとかベジマイトとかでも書いたし)僕はよくこういう事書くけど、実際はそんな状況ないよな、って思いながら書いております。

ついでにひよこ豆の汁粉

タイトルにはひよこ豆の事は書いてないけど、吸水させておいたのでひよこ豆も甘く煮て汁粉にしてみよう。

水でしばらく煮たのだが、あずきやレンズ豆と違って強固に形を保っていてちっとも汁粉っぽくならない。嫌だわ、早くすり潰さなくては、と思ったので鍋の中でちょっとつぶして汁粉っぽくした。
甘いのかしょっぱいのか判らないような見た目だが、甘い。
甘いのかしょっぱいのか判らないような見た目だが、甘い。
ホクホクしてます。
ホクホクしてます。
レンズ豆汁粉同様の面白い味だ。外人が聞きかじりで豆を甘く煮て汁粉もどきを作ったらこんな感じに作るかも知れない、みたいな味になった。

食べ慣れていないせいだろうが、そこはかとなく外国っぽさを感じたのでシナモンを振りかけてみた。完全に外国のデザートみたいな味になって更に面白かった。

豆は神の食べ物だ

豆は凄い。甘く味付けしてもカレー味にしても美味い。栄養もあって、どんな調理法でも美味しくて神の食べ物なんじゃないかとすら思われる。

皆様におかれましても、あずきは甘くしなきゃダメだとかレンズ豆とかひよこ豆はしょっぱくしなきゃダメだとかいう常識に囚われることなく自由に豆を楽しんでいただけたらと思います。
あずきカレー、本文中ではナンで食べましたが、ご飯と食べても美味しかったです。
あずきカレー、本文中ではナンで食べましたが、ご飯と食べても美味しかったです。
今年も記事を最後まで読んでいただいてありがとうございました。来年もよろしくお願いします。良いお年を。
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