ベジマイトとは?
ベジマイトとは、ビールを造るときに出るイースト菌抽出物を原料にした黒いペーストの事。オーストラリア人はベジマイトを好んで食べるのらしいが、ちょっと独特な風味があり苦手という人も多い。
オーストラリア旅行の定番土産でもあったりして、僕も友人からもらった(日本ではカルディなどで買えます)。
大きさも色々。この二つは別々の友人からもらった。左の大きいのくれた友達は今シドニーに住んでる。
もらったはいいが、食べ方が判らない。実は10年以上前にも人からもらった事があり、ちょっと舐めたら凄い味だったのでなんとなく「不味い物」と思い込んでいた。
そういう訳でどうにも食べる気が起きず、もらってから長々と食料庫の奥にしまわれていた。
今回食べてみようと思ったのは、ちょうど良い記事の企画が無かったからである。じゃなきゃまだずっと食べてみようと思わなかったかもしれない。
よく見るのは黄色いパッケージのオリジナル味だが、他に子供向けのマイファーストベジマイトやチーズベジマイトなどがある。
マイファーストベジマイト。子供用のベジマイトで、食塩50%カット、各種栄養を増強などオリジナルと成分が違う。味は、なぜかオリジナルより食べにくい(ベジマイトの風味が強い)。
チーズベジマイト。チーズ入りでかなりマイルド。初めて食べるベジマイトとしては、マイファーストよりこちらがお勧め。チーズおかきに挟まってるチーズを少し緩くした感じ。
見た目はチョコレートみたいなんだよ。
どんな味なのか?
ではベジマイトを食べてみよう。変な味ってのは知っているが、具体的にどんな味なのか説明する為には改めて食べてみなくてはならない。
まず黒いペーストという見た目そのままに、匂いは結構チョコレートっぽい。だが醤油っぽい匂いや味噌っぽい匂いも混ざっている。
そして味は、かなりしょっぱいのだ。八丁味噌の様であり、甘さがない甜麺醤っぽくもあり、旨味も感じるし酵母感もある。そして後味は焦げた醤油の様に苦い。
慣れてない人が食べるとなんだか頭が混乱する味だ。下の写真の僕みたいに。
舐めてみる。なんだろう、この味。
チョコと醤油と味噌の匂いに塩気と旨味と苦味で、もうわけ判らない。困った顔をしている。
でも不味くはないと思う
あまり他の食べ物では味わえない味だと思う。日本で普通に暮らしてたらまず味わえない感じ。でも、よくよく味を分析してみると味噌や醤油と似てなくもない。不味い物では・・・ない。多分。
例えば、いきなり生の味噌を舐めて美味いかって言ったらやっぱ塩気が強いし独特の風味もある。醤油だってそれだけ舐める物じゃない。
同じようにベジマイトも、それを単体で舐める物じゃないはずで、まずは基本通りトーストに塗って焼いて食べてみる事にした。
あくまで薄く塗るのが美味しく食べるコツらしい。左半分はチーズベジマイト、右半分がオリジナルベジマイト。
食べてみると、これが美味い。あれ、ベジマイトって美味いじゃん。これ嫌いな日本人なんているの?って思った。なにせ、焦げた醤油の匂いと味そのものなのだ。
意外と美味いって言うか間違いなく美味い。
これが一番おすすめの食べ方という、ベジマイトチーズトースト。
パンにベジマイトを塗ってチーズを載せて焼くと美味いって教えて貰ったのでやってみた。
これ、超美味い。単にトーストに塗った場合よりベジマイトの風味が穏やかになって、ベジマイト嫌いの人でも食べやすいと思う。和風のピザといった味わいがある。アリです、アリ。
次のページでもベジマイトを美味しく食べ、最終的にはべ汁に至るのです。
調子に乗って焼きおにぎり
後味が焦げた醤油っぽいから焼きおにぎりにベジマイトってのもアリじゃないかと思ってやってみた。
味噌を塗った焼きおにぎりっぽいですな。
イケると思ったんだけど、ベジマイトの埃っぽいようなキノコっぽいような風味が増幅されてすごく食べにくい。
問題は主に匂いである。この独特の匂いこそベジマイトが嫌われる最大の要因だろう。菌類っぽい匂いが強いのだ。白米みたいにシンプルな材料にベジマイトって場合は風味が強すぎる様だ。
そこで、誤魔化そうと思って海苔を巻いたら俄然食べやすくなった。
海苔の香りでベジマイトの風味をマイルドにする。
ベジマイトと醤油を混ぜた、ベジ醤油。
海苔だったら、磯辺焼きならどうだ
海苔の香りとベジマイトが合うのなら(というか誤魔化せるなら)、と思って磯辺焼きにベジマイトを使う事にした。餅を焼き、ベジマイトを塗って海苔で巻く。
ベジマイトをそのまま塗るパターンと、醤油に溶いたベジマイトを塗るパターンの2つを試してみる事にした。
左がベジマイトのみ、右がベジ醤油を塗った餅。
まさかの餅とベジマイトのマリアージュ。
まずはベジマイトだけ塗った方。ベジマイトの風味が焦げた醤油に似てて普通に美味い。少し塩気が足らない感じもしたので、多めに塗るといいかも。
ベジマイト醤油は、かなり普通に磯辺焼き。コクと旨味が増してる感じがし、むしろ普通の磯辺焼きより美味い。すごいぞベジマイト、磯辺焼きとの相性バッチリだ。
ならば煎餅ならどうだ?!
前のページで書いたが、チーズベジマイトはチーズおかきのチーズと味が似ている。だったら煎餅に塗るのもアリだろう?
色が同じで判りにくいですが、たまりしょうゆ煎餅にチーズベジマイト。
予想通りばっちり美味い。チーズのまろやかさとベジマイトのコク、旨味が煎餅にマッチしている。少し塩気が強いのが気になる場合は、薄味の煎餅に塗ったら良いと思う。
亀田製菓のうす焼きに塗っても美味い。見た目はおかしいですが。
今度は豚肉だ!
これは絶対肉にも合うだろうと思ったので、豚肉を焼いてベジマイトで味付けをしてみた。
焼けた豚肉を大写しにしてみんなのお腹を鳴らすコーナー。
味の説明とか要らないと思うのでしない。豚肉焼いて味噌とか醤油とか、そういう発酵調味料で味を付けてちょっと焦がした感じ。白米もってこーい!3合もってこーい!って味だ。ベジマイトでご飯のおかず作れるぞ。
さて、ここまででベジマイトの味と使い方は大体見切った。次のページではベジマイトで一食分の食事を作ってみるのです。
本来出会うはずのなかった酒粕とベジマイトが出会ってしまった。
鶏肉のベジ粕漬け
味噌とか醤油とかそういう味なら、酒粕と混ぜて肉など漬け込んだら美味しそうである。そこで、鶏肉のベジ粕漬けを作ってみる事にした。
ベジマイトはビールの残りかす、酒粕は日本酒の残りかす。どちらも酒の副生成物って点では共通している。きっと相性も良いだろう。
同じ街出身の有名人同士は仲が良いだろうって勝手に思い込む、みたいな話だが。
混ぜるとこんな感じ。色は美味しそう。
鶏肉を24時間漬け込んでみる。
アサリのべ汁
ベジマイトは旨味があって八丁味噌っぽい風味もあるので、赤だしの味噌汁を作ったら美味しい予感がした。
具は、おそらく貝類が合いそうな気がしたのでアサリを買って来た。ベジマイトの酵母っぽい匂いがアサリと合うと思う。
ダシは「本だし」、アサリに火が通ったらベジマイトを適当な量溶かしてみた。手間的には普通に味噌汁を作るのと同じだ。
元気にカパッと開きました(死んでるけど)。
ベジ納豆
醤油の代わりに納豆にベジマイトを混ぜてみる事にした。納豆やねぎ、カラシがベジマイトの匂いを隠してコクと旨味だけ際立たせてくれるに違いない。
どちらも発酵食品である。体に良さそうだ。
ベジマイトだけだと粘度が強すぎてかき回すのがキツかったので、水をちょっと入れた。
という感じで、ベジマイトで味付けをした和食が出来たのだった。
ばーん、これが和風ベジマイト定食だ。
ベジマイトが写り込んでなかったらなんの違和感もないと思う。
果たしてベジマイトで味付けした焼き鳥やベジマイトを溶かしたアサリのべ汁は美味いのか。次のページで実食です。
ベジマイト和食を食べてみよう
まずはアサリのべ汁から。知らなければ、これ見てベジマイトで味付けされてるとは思うまいよ。味噌はまったく使っておりません。
見た目は普通に赤だしの味噌汁ですな。
どれどれ。
一口、驚いた。赤だしの味噌汁そのものだ(って言い切ると後で怒られる気もするが)。ダシが効いてるので全く抵抗なく飲める。八丁味噌は無いけどベジマイトならあるって状況なら味噌として使えると思います。
亡き母が作った思い出の赤だしを再現してもらおうとして山岡士郎に頼んだら、なんか最高級の八丁味噌とか持って来て味噌汁を作って、でも思い出の味じゃない!なんでだ!あ!そういえば母はオーストラリア人だった!きっと八丁味噌の代わりにベジマイトを使ったのよ山岡さん!士郎め・・・。みたいな話のネタになりませんかね。ならないね。
赤だしだわ、これ。
続きまして、鶏肉のベジ粕漬け焼き鳥。もうここから先は成功が約束されてる様なもんなので安心して読み進めて下さい。
ベジマイトの可能性、広がるか。
ひゃー、うめぇ(笑)。
これ、いいわ。
ベジマイトと酒粕は風味が似てるので相性もよかった。酒粕とベジマイトのコクがすごい。
これから焼き鳥はたれ、塩、ベジマイトって3択にしたらいいと思うくらい美味い。普通にまた作ろうかなって思えるレベルだった。
次、納豆ご飯。
あんまりベジマイトっぽさは無いので、ベジマイト初心者は納豆に混ぜると良い。
納豆がそもそもかなり強い食品なので、ベジマイトは圧倒されて遠くに風味を感じる程度。だけど、よくよく味わえばいつもの納豆よりも深い味になっていると気付く。
いつもの納豆に飽きたらベジマイト納豆、どうですか。
デザートもベジマイトで
最後はデザート。バニラアイスにベジマイトを混ぜて食べてみる試みだ。多分、みたらし的な味になって美味いと思ったんだ。
こうしてみるとチョコスプレッドっぽいけど、実はベジマイト。
食べるときはアイスとベジマイトをよく混ぜた方がいい。大体思った通りの味で、甘じょっぱくて美味しい。
冷たいみたらし団子風というか、塩キャラメルアイスっぽいというか。遠くにビターな感じもあり、甘くてしょっぱくて苦くて冷たくて、舌と頭が混乱するけど、脳が「美味い」とはじき出したのでこれは美味いスイーツです。
ではまとめます。
ベジマイトって面白い
ベジマイトは今まで食わず嫌いしてたのを全力で後悔するくらい面白い調味料だった。醤油っぽくもあり味噌っぽくもあり、酵母の旨味やコクがあり、日本人の好みからもそう遠くないと思う。オーストラリア人と日本人はもっと仲良くなれると思うんだ。
未知の調味料をどう使ったら美味しいか考えながら料理するのは楽しい。これからもベジマイトで美味しい料理を作ってみたいと思いました。
まだ4瓶もあるなんて、嬉しすぎる。
お知らせ 合同ハイキングしませんか?
来る2011/11/27(日)に高尾山の奥にある陣馬山に登ろうと思っています。緩いハイキングといった感じで、70年代に流行ったと言われる合同ハイキング(※)みたいな事をしてみたいのですが、よろしかったら参加しみてませんか?良い出会いがあるかも(ないかも。出会い目的でなくても可)。
※合コンの山版でギター担いで行って歌ったりハンカチ落としをしたりするらしい。さすがに今回ギターで歌ってのはやらないですが。ノリとしては、山でオフ会、グループ交際ごっこ的な感じです。
日時 2011/11/27 午前9時集合
集合 JR高尾駅北口改札外 2番バス停から9:12発の「高01小仏行きバス」に乗ります。
参加費 無料(自分の交通費や食事代は自己負担)
悪天候の場合は中止です(寒いし楽しくならないから)。小仏バス停から陣馬山を目指して登って16時くらいまでに下山って感じです。メールで参加希望いただけると嬉しいです(中止の場合連絡しやすいので)。
メールアドレス:
[email protected]
またはツイッター:
@keizi666
晴れてたら連絡なしで適当に来てもらってもいいです。緩い山なので運動不足解消にも良いと思います。お気軽にお問い合わせ下さい。以上、どうぞよろしくお願いいたします。