題してオーダー温泉に浸かる
今、居酒屋が閉まり、再び飲み会が失われつつある。だが私達は何が寂しいのだろうか。酒もデリバリーもビデオ通話もある。究極のところあのオーダーの「ああ、いいね」ではないだろうか。
逆に言えばこのオーダー温泉だけで飲み会を味わえれば、マスクをして換気の良い部屋に集えばいいのではないだろうか。
今回はデイリーポータルZのライターからべつやくれいさん、よざひかるさん、そして居酒屋で長く働いていたというライターの張江浩司さんを呼んで4人でこのオーダー温泉に浸かることにした。人選にあたっては年齢、性別、飲酒程度に幅をもたせた。
会議室でバーチャル居酒屋
さあどうやって居酒屋のオーダーだけを繰り返すか? であるが
・まず居酒屋の写真を見る
・アイマスクをして居酒屋を思い描く
・おしぼりを手にとり気分を高める
・1人ずつオーダーを口にして周りがリアクションする
今回はこのような仕組みで居酒屋に行った気分でオーダーだけやってみる。
大北:さあ、まずみんなで居酒屋の写真を見て高めます。この写真です
よざ:いいですね
張江:あ~飲みに行きたいなあ
べつ:へんな客がいるね
大北:あとアイマスクで目を隠してください
よざ:…不安がすごい
べつ:顔のどこも出てない!
大北:さあ、あったかいおしぼりを渡しますので、気をつけてください
べつ:(渡されて)ああ! なつかしい感じ…、おしぼり開けたときに中があたたかい!
よざ:すごい! 居酒屋だ!
張江:これだけでけっこう居酒屋ですね!
大北:とりあえず最初は生ですか?
べつ:私ウーロン茶で。お通しは何なのかな?
大北:枝豆みたいですね、何頼みます?
こうして大北以外の参加者が目隠ししておしぼりを持ったまま、オーダー温泉が開始された。
一同:……。
よざ:……ごぼうの唐揚げ
一同:ああ~~(笑)
張江:いいですね~(笑)
大北:すぐ(笑)
張江:初手から温泉につかってしまった(笑)
これがオーダー温泉である。しかしこれはまだお湯の温度を確かめた状態であり、ここから本格的な温泉に入ることになる。
張江:ぼく、あの……アジのなめろう
一同:ああ~!!
べつ:いいね、懐かしい
大北:いいっすね~
よざ:……私、エイヒレ食べたいです
一同:ああ~(笑)
張江:いい(笑)
べつ:いいね~
張江:大北さんは?
大北:ぼくは……えーと、この「山芋のふわふわ」っていう?
※手元にメニューはなく想像である
一同:ああ~!(笑)
張江:鳥貴族とかにもあるやつ
べつ:腹にたまらないからいいよね
一巡目が終わって、試みは成功である。「ああ~」という音が響き、楽しさやワクワクする気持ちが場に残る。だがはたしてこれはどこまで続くのだろうか?
張江:一巡目、終わりましたね
よざ:悩むなあ…
張江:……揚げ出し豆腐
一同:ああ~!(笑)
大北:あ~、いいですね
べつ:…じゃ、なすの浅漬け
一同:ああ~、いい(笑)
張江:べつやくさん! 僕! まさに今頭で考えてました!(笑)
大北:知らねえ~(笑)
張江:もう、超能力の実験みたいになっちゃって!(笑)
べつ:トランプに書いてあるやつね、ナスの浅漬けって
張江:うわ、いいな~、4 人だから結構たくさん食べれますね。
大北:これ無限に言っていいんですけどね
よざ:……オムそばとか
一同:ああ~! オムそば
べつ:焼きそば系はいいですね。
張江:つまみにもなるし、ちょっと半分締めみたいな感じになりますね。
大北:……季節のカルパッチョ
一同:ああ、ああ(笑)
張江:そういうのもある、別紙にあるやつ!
張江:馬肉のたたき?
一同:あー、あー、あー、
大北:いいっすね~
よざ:ほんとにいいな~…
べつ:肉系いいね
張江:ついにサビって感じが
よざ:あれ食べよ、銀杏のやつ
一同:ああー!!(笑)※銀杏の何かは明確ではない
張江:それはいいですね。
大北:…これ記事になんのかな
よざ:めっちゃ楽しいですけどね
大北:チャンジャクリームチーズ
一同:くわ~!!
よざ:机の上にずっとあってほしい~!
現場の雰囲気はこんなグルーヴが高まったものでした
温泉は続いていたが、メニューが出る速度が弱まってきたのでここらで一回休憩とし、アイマスクをとることにした。
べつ:まぶしい~!
よざ:目の前にないのが信じられない
張江:魔法がとけた感じがする
べつ:今、すごい居酒屋だったね
張江:マッチ売りの少女みたい…火が消えた
べつ:もう見えないんだ…
ここで張江さんから提案があり、居酒屋の環境音をYouTubeで流すことにした。そして再び居酒屋に突入。オーダー温泉のよいところはまた一からやり直せるのだ。
大北:さあ、今回は音つきで始まります
よざ:うわー! これリアルだ~!
大北:またおしぼりでーす
べつ:またあったかい!
よざ:これ大事すぎるんだよな…
大北:生3と烏龍茶と、あとなんですか?
べつ:なんかあれかな? あのキャベツの
一同:ああ~ ※キャベツの何であるかは明確ではない
大北:最初にね。
張江:ホタルイカの沖漬け
一同:いいですね~
べつ:渋いな
大北:えーと、この……カニっていうのは何ですか?
一同:(笑)
べつ:そんな漠然としたメニューない
よざ:カキフライ
一同:ああ~!!
大北:今年まだ食べてなかった!
張江:(笑)それ言うやつ必ずいますよね。
張江:この季節だと鍋とかもありますよ
大北:何鍋?
張江:寄せ鍋と…あとキムチ鍋ですかね(※メニューは実際にはない)
一同:ああ~
大北:あ、塩ちゃんこもありますね(※メニューは実際にはない)
一同:ああ~!
大北:…アジフライいってないんじゃないですか?
一同:ああ~、いってないいってない!
(※いってないというより全部来ない)
べつ:アジフライいいね~
張江:でも、カキフライとアジフライ…!?
大北:あー、そっか、しまった
張江:ね、でもせっかくですから、両方(※実際には来ない)
べつ:じゃあさ、何ならエビフライも!?
大北:せっかくだからやりますか!(※実際には来ない)
張江:今回、結構みんなお腹空いてますね
よざ:…セロリの漬物。
一同:ああ~!
べつ:あと基本に帰ってポテトフライ
一同:ああ~!
張江:だってポテトフライがあって困ったことがない!
よざ:結局! 結局食べますよね
大北:……。いつまでも来ない料理店。
べつ:来ないねえ
大北:いつまでも来ない料理店は夢の世界…
べつ:こんなに頼んだのにね。
張江:なんか今この 4 人の枯渇世界が全滅してて正気を保つのにやっている気がしてきて
べつ:人もいないのに
よざ: VR とかやってる気がしてきました
張江:メタバースだ
大北:これがメタバース
張江:(泣)もうアイマスクをとりたくない
べつ:とったら全てが私は現実に……
張江:怖い……
よざ:自分の頭の VR が…
べつ:ある……眼の前にちっちゃいコンロがある…
時折このような我に帰る瞬間があり、こんな簡素なシステムであるのに私達ははっきりと「居酒屋の世界」に没入していたことが分かる。夢からさめる前に夢を叶えよう。
大北:……あの! ぼくは一回、好きなだけデザート頼んでみたいです。誰にも遠慮することなく
一同:いい!
張江:おれ、抹茶アイス
べつ:私、杏仁豆腐
大北:いいですね~!
よざ:あんみつ、バニラあんみつ
大北:えーと、黒蜜きなこの…わらび餅パフェっていうのいってみていいですか?
一同:(笑)
張江:いいですね~
このデザートをめいめいに言うくだりは「ああ~」が入ってないのも興味深い。共感なく、欲望だけが突っ走っている時間だからか
大北:せっかくだから全部頼みますか
張江:さっきから「せっかくだから」って言ってないですか
べつ:「せっかく居酒屋来たからさ」って
大北:無限なのに言い訳してるんだ(笑)
よざ:鍋食べちゃった罪悪感もあるし
大北:オーダーだけでもやっぱ満腹を意識しちゃいますね
大北:じゃ目隠しとりましょうか
大北:無限にオーダーが回るかと思ったら無限ではないですね。
べつ:やっぱり居酒屋で無限には頼まないもんね
張江:「ステーキ! ステーキ! ステーキ!」みたいなことが気持ちいいかというとそうでもない
べつ:だよね。
大北:あと、やっぱり他人のオーダーを否定する気にはあんまならないですね。
張江:否定まではならないですね
疑似居酒屋のオーダー温泉の目論見は成功した。あの共感のピークがずっと続くのだ。しかも腹がふくれず、体にやさしい。同調の気持ちよさだけが残るのである。エクスタシーのボタンだけ渡されたサル、それが今の私達なのかもしれない。
せっかくなのでもう少し続けよう。はたしてこれは居酒屋以外でも成立するのだろうか? たとえばファミレスのサイゼリヤだったらどうだろうか?
■ファミレス編
べつ:じゃあ、肉サラダ
大北:肉サラダ、いいですね
張江:ああー
大北:羊の肉のあれ ※アロスティチーニ
一同:ああ~!
張江:あれ 1人 1 本にしましょう(※当然、いくらでも頼める)
張江:クラムチャウダー
大北:いいですね
よざ:あのあれ、ポテトのなめらかな
一同:ああ~!
張江:フリコ、あれおいしいですよね!
大北:イカスミのスパゲッティ
一同:ああ~!
よざ:食べたい~!
べつ:ちっちゃいフォカッチャあったっけ!?(メニューが手元にない)
張江:ミニフィセルっていうのもありますよ
大北:両方頼みますか!
張江:パン頼むならエスカルゴ頼みましょう
一同:あ~!
よざ:あとあれは青豆のサラダ
大北:あれ好きなんですよ、オリーブオイル持ってきてね。オリーブオイルは自由にかけていいんだっけ?かけて。
大北:チーズのあれ、ペコリーノチーズ
一同:ある~!
よざ:(笑)
張江:……もう結構頼んだんじゃないですか
一同:(爆笑)
大北:怖くなっちゃって(笑)
べつ:テーブルに乗り切らないから、意外に狭いから
サイゼリヤでも温泉は続行であり、同じように遠慮が見え始めた。このあとデザートを頼み、ピザも追加でいこうというくだりがあり我に返る。
張江:せっかくって言ったって、これ1人千円くらいでしょ?
大北:今これオーダーの紙見たんですけど(※もちろんそんなものはない)1人千円行ってないですよ
一同:え~!?
よざ:すごい! うれしかった、今!
大北:1人 960円です、安い。
張江:うれしい…毎日来る!
オーダーが1000円いってないうれしさの様子
大北:じゃとりますか?
よざ:悲しい…(泣)
べつ:サイゼリヤのあの皿が、模様のついたあの皿がない
張江:私もプラスチックのコップでワインを飲もうとしていて
大北:めちゃくちゃサイゼリヤいきてえ
大北:みんなサイゼリヤにないメニューを言うかと思ったんですよ。メニュー表もないから。でも全然嘘のメニュー出なかったっすね。
張江:シャンパンとかも言わないですね。
べつ:すごい思い出そうとしてたよ、サイゼリヤのメニュー
張江:ルールをなくしちゃうと楽しくなくなるんでしょうね
サイゼリヤでメニューを思い出そうと必死になっていたので、ここで想像の及ばない店を選んでみた。カジュアルなフランス料理店に入ってアラカルトで頼むことを想像する。
■フレンチ編
大北:おしぼりでございます
張江:フレンチっておしぼりあるんですか!?
べつ:いきなりに肉とか頼むと怒られるんだよね…
張江:モッツァレラチーズとトマトとの…
一同:あー…?
べつ:それイタリアンじゃない?
張江:イタリアンですか…
べつ:なんかさ、ゼリーみたいな、美味しいやつあるじゃん
張江:あのにこごりみたいなやつ(笑)
大北:えーと……前菜の盛り合わせ
張江:おしまいだ!
大北:試合放棄ですね
よざ:あれないですか? レバーのなんか塗るやつありました。
張江:あれはフレンチなんですか?
べつ:なんかスープ、なんかのポタージュがあるんだよね。
よざ:だいぶふわふわしてる
大北:なんの野菜?
張江:季節野菜のポタージュ…
一同:季節野菜(笑)
張江:ここはやっぱりあれじゃないですか? そろそろ舌平目のムニエルを…
一同:(笑)
大北:ある!(笑)
張江:ついに我々も食べる時が来たっていう
大北:仔牛のカツレツ!
一同:ああ(笑)
べつ:あと仔羊のロースト
よざ:仔をつけるフェーズ(笑)
張江:べつやくさん、私も全く同じこと考えていました。2 回目ですよ。
「舌平目のムニエル」など形骸化した名前で盛り上がるもすぐにネタは尽きて盛り下がっていく。
一同:……。
べつ:もう出てこなくなった
大北:……水牛のグラタン
よざ:水牛(笑)
張江:あんまおいしくなさそう
べつ:グロテスクだよね
イメージがわかない
べつ:フォアグラとか?
張江:オマール海老の? ビスク
大北:うにのテリーヌ?
べつ:だめだ、頼みたいものじゃなくて思いついたもの大会になってる
大北:盛り上がらないですね…
張江:そもそも舌平目のムニエルを想像できてないんですよ
べつ:目の前に料理が運ばれてくる気がしないね
よざ:たしかに
べつ:フレンチって名前おぼえようと思って食べてないもんね
大北:終わりましょう
張江:うん、眼の前にないことは納得
よざ:全然なかった
成立しなかったのである。これがフランス料理になじみのあるフランスの人ならきっと盛り上がったことだろう。ただ、私達はサイゼリヤの国の住人なのであったのだ。
さて、この試みはお店じゃないと成立しないのだろうか? たとえば「コンビニで買ってきました」だとどうだろうか?
■コンビニ編
大北:夕方の 7 時に各々がコンビニに行ってきたとして好きなのを買ってきて何買ってきたか出す。みんなで食べる前提です
べつ:わたし唐揚げくんのレギュラーと赤いやつと
大北:へえ、唐揚げくんあんま食べてこなかった。
よざ:あ~、なんとなくあると食べちゃうやつ
大北:セブンイレブンの麻婆豆腐美味しいらしいから買ってきたんですけど
一同:へえ~!
べつ:セブンだと私あの厚焼き玉子買うな
よざ:へー、おいしいんだ
張江:ちょっとつまみになるんですけど、マイバスに売ってるわさびアーモンドって。
大北:よさそう~
張江:めっちゃくちゃ美味しいんですよ
よざ:インターネットで見た。マーラーピーみたいな
一同:ああー、おいしいおいしい
べつ:1 回ローソンで買ってそれ以来見てないんだけども、いぶりがっこチーズたら
一同:へえー!
べつ:これすごい美味しいと思って次ローソン行ったらもうなかった
大北:怪談みたいだ
べつ:「もう、なかったんですよ…」
というように、なぜかコンビニ編では「へぇ~」が乱発される結果となった。この「へぇ~」を発声した実感としては、食べたことはないがおいしいのはわかる、という意味での「ああ~」に近い「へぇ~」なのだ。
張江:どうなってもいいようにペヤングを買ってきました
一同:ああー!
べつ:あと雪見だいふく2つくらい
一同:ああー!!
張江:いいなあ~
大北:あと金のウインナー
一同:金の(笑)
張江:あれあれあれ? けっこう大北さんやる気ですね
大北:もう止まらないよ、もう止まらないんだ…!
というように、「ああ~」が連発するときもあり、重なると熱いグルーヴが生まれた。もちろんフランス料理よりかは盛り上がった。
大北:馴染みはありますね
べつ:コンビニの棚が目に浮かんだよ
よざ:知らなくてもへえーってなるからいいですね
大北:そうそう、へえが多かったですね。
お店でなくても何か買ってくるのでも成立したので、今度は出前の電話である。ピザのトッピングを選ぶときにオーダー温泉は成立するのだろうか?
■ピザトッピング編
大北:ピザを注文しますので、具を言っていただければ。
張江:照り焼きチキン
一同:あー!
べつ:ダブルチーズ
一同:うんうん
よざ:あれがいい、ペパロニ
一同:ああー!
べつ:あとアンチョビ
一同:あー、ね
よざ:しらすもいけたら
一同:ああー
べつ:すごい味濃くなっていかない?
というようにピザのトッピングは居酒屋以上に「ああ~」が短く乱発されるのである。
このあとオーダーは、のり、プルコギ、明太マヨ、エビ、イカ、プチトマト、アスパラ、もち、耳にチーズ、大豆ミート、ゴルゴンゾーラ、あさり、じゃがいも、ソーセージ、ルッコラ、バジル、ピーマン、コーン、アンチョビ、生地がクリスピー、とつづく。
グルーヴはすごかった。しかしそんなに載せたものを見たことがない。
■旅館編
大北:さてちょっと趣向を変えまして、旅館に来た気持ちになっていただいて、写真を見てからアイマスクをまたしてください
張江:ちょうど温泉行きたいと思ってたんだよなあ~
大北:さあさあみなさん、つけていただいて
張江:仲居さんが来た(笑)
大北:おつかれでしょう、おしぼりです
張江:おしぼり出るんだ
べつ:温泉久しぶりなんです、ありがとうございます
大北:色んなお湯がありますので何湯にご案内しましょう?
よざ:ああ~!
べつ:お湯で!?
張江:お湯か~
ということで今度はこの「ああ~」のオーダー温泉をジャンルとしての温泉でやってみる。これは「ああ~」が飲食店以外で可能なのか?という実験である。
張江:じゃあ……ゆず湯なんてありますか?
大北:ございます、ゆず湯行かれますか?
べつ:なんかあの…空気ぼこぼこって出るやつ
一同:ああ~
大北:ございます、ジェットバス行かれますか?
よざ:あるんだ
張江:いいですね
よざ:炭酸泉は?
一同:あー、あー
大北:ございます、36°c の炭酸泉が。行かれますか?
張江:やっぱりあるんだ
張江:あの……深くなってて四方からジェットバスが出るやつは?
べつ:(笑)
大北:ございます、うちはテーマパークみたいなものですので
べつ:なんか黒多くて、ちょっとあのもう下見えないぐらいになってるような温泉
一同:ああ~!
大北:ございますね。あと他にも美人の湯、ございます
張江:そんな(笑)漠然としたやつが
べつ:じゃああの……サルと一緒に入れるやつ
大北:ございます
一同:(爆笑)
よざ:すごい! めっちゃ楽しみ…来てよかった!
大北:この辺りですとね、いらっしゃいますから
張江:じゃああの~、露天風呂入りながら、お盆に日本酒浮かべるやつ
一同:ある(笑)
大北:ございます
張江:お願いします。
大北:まだまだございます。テーマパークです。
よざ:雪降るときれいって聞いたんですけど
大北:ございます、雪の見える露天風呂が。ちょっと熱めになっておりまして。のぼせられた方は新雪のね、雪の上に
べつ:死んじゃう
張江:心臓ぎゅっ!ってなっちゃう
べつ:全裸で雪の上つらいな
べつ:滝行みたいなのって
一同:ああ~
張江:打たせ湯だ
大北:ございます
張江:ミルク風呂
大北:ございます
大北:ワイン風呂なども
一同:あ~! あ~!
よざ:入っちゃうんだよなー
べつ:箱根ユネッサンだ
よざ:結局全部入っちゃうんだよなー
よざ:あとあの壺の1人だけしか入れない風呂…
一同:ある(笑)
べつ:五右衛門みたいなやつ
よざ:あいたあいた!ってすきを見て
張江:なんか待ってしまって入るやつ
べつ:全部入っちゃうよね
大北:へりの分が断崖絶壁になってるように見えるお湯ございます
一同:ああ~(笑)
張江:シンガポールとかのプール?
べつ:あとすぐそこが海になってるやつだよね
一同:……
張江:もう、、ちょっと思いつかない
べつ:……カピバラが入りにくるやつ
一同:(笑)
大北:ございます、野生のカピバラが
よざ:やさしい
というように温泉でもオーダー温泉は成立するのである。これは一体なんなんだろう? 飲み会でもなければなんなんだろうか?
ここで飲食店に再び戻り、自分ではない感覚。おじいさんおばあさんになったとして、その舌の味覚でオーダー温泉に浸かってみる。場所も居酒屋でなくそばやである。
■おじいさんおばあさんになってそば屋編
大北:全然違う思考でできないかなということで、おじいさんおばあさんになったつもりでお蕎麦屋さんです
べつ:あんまり食べられないからね~。
張江:(笑)さっきよりも短期決戦
べつ:でも天ぷらが食べたいねえ
大北:天ぷら食べましょうか
張江:じゃ、ちょっと、板わさ
一同:ああ~
大北:南瓜の炊いたやつですかね
べつ:ちょっと喉にね、詰まるからお茶をもらいましょうか
張江:あとこの…ふろふき大根っていう
一同:ああ(笑)
大北:寒いからね
張江:あまり食べると
べつ:おそば入んなくなっちゃうからね
張江:じゃあちょっと大根やめてちょっとこの焼き味噌って、舐める。
大北:ピーナッツあるの?
べつ:ピーナッツある
大北:ピーナッツある?
べつ:ぬたとかあるといいねえ
張江:いいですねえ
張江:でも食べれるかな?
べつ:おそば入んなくなっちゃうからねえ
と、そこそこ「ああ~」はとれるのだが、どれだけの量を食べられるのか?という点がどうしても気になってしまった。オーダー温泉は無限であるはずなのに。
居酒屋の本質は共感大会
張江:やっぱ居酒屋がすごい。楽しかった…
べつ:思い出がね。そうだね。
よざ:環境音つけたのよかったです、いるって感じ
べつ:フランス料理屋のイメージの出来なさはもう…
よざ:行ったことないわけじゃないのにできなかった
べつ:そんなに食べたいって思ってないんだろうね
張江:そうですね、フレンチのときはコースだからおいしいねってことはあっても
べつ:居酒屋の「せっかくだしこれも頼もうよ」ってないよね
張江:フレンチでせっかくだしって言ったことないですよ
べつ:他の食べ物屋だと居酒屋ほどあれもこれ持って頼まない。蕎麦屋だとちょっと躊躇しちゃうね。そんなに頼んでいいのって?
よざ:追加で天ぷら言われたとき、ちょっと、うっ…てなった
張江:バーチャルなのにそんなに食えないよが発動するのって
大北:無限なのにおかしいなあ
張江:人間の想像力というものを感じました
べつ:これ、子供だったらもっと多分無邪気に頼むんでしょうね
よざ:いつからこうなっちゃったんだろう
よざ:不思議な体験でした
大北:意外とバーチャル感がありましたね
よざ:他人とやるからですかね、1人でできなさそう
張江:宇宙船でほうり出されてたりしたら、これやって。時間潰す気がする
よざ:温泉編よかったですね、女将がいると「あるんですか!?」ってなる
大北:ガイド役が要るのかも
よざ:ウミガメのスープ的な(笑)※判定役の必要なクイズ
べつ:でも本当に飲み会やったような気分になるね
よざ:これで仲良くなるのも可能な気がする
張江:居酒屋でやってることの本質は共感なんですね
大北:コロナでも政治家が会食するわけですよ