特集 2021年9月17日

沖縄本島は40分で横断できる

普段あんまり歩かない道をひたすら歩きます

縦に細長い形をしている沖縄本島。読者の方からメールで情報をもらったのだが、実は40分くらいで横断できる場所があるらしい。では横断しようじゃないか!沖縄本島を!

新潟出身。沖縄に来てそろそろ15年くらい経つのに泳げないため全然沖縄を満喫できていない気がする。最近の悩みは高血圧。

前の記事:沖縄の黄金森(クガニムイ)には何があるのか


まずはルートを確認しよう

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© OpenStreetMap contributors

というわけでまずは沖縄本島である。wikipediaによれば、沖縄本島の面積は1,207.00キロ平方メートル、周囲は476km、直線距離は南北端で約106.6kmだそうでそれなりの大きさはある。

ただ、形的にはものすごい縦長なので場所によってはそこまで時間をかけずとも横断することは可能だろうということは何となく予想がつくと思う。

読者の方にメールで教えて頂いたのは地図の赤丸付近になる。

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うるま市側の海は太平洋、恩納村側の海は東シナ海(© OpenStreetMap contributors)

地図を拡大してみると、場所的にはうるま市石川から恩納村仲泊に至る道が最短ルートであり、ざっくりとした距離は3キロとちょっと。所要時間を測ってみると確かに40分程度となっている。

これが、8時間かかるとかだったら相当気合いを入れないと歩けないが、40分程度なら割と気軽に横断できちゃうんじゃないだろうか。さっそく試してみることにした。

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うるま市石川からスタート

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このあたりがスタート地点です(© OpenStreetMap contributors)

まずはスタート地点となるうるま市石川に。

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こちらはうるま市にある石川公園。このあたりはもともとは石川市というひとつの市だったのだが、2000年の合併でうるま市のひとつの行政区に組み込まれている。公園の門に書かれている「みほそのまち」は石川市のキャッチコピー(たぶん)。

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公園を抜けて石川ビーチに移動。横断なので、海からスタートして、反対側の海に着く形が良いだろう。というわけでここをスタート地点に設定。

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改めて、反対側の海までの時間と距離を測ってみると、距離は3.4kmで時間は44分。最初に測ったときよりも若干距離と時間が増えてる気もするが、全然歩けない距離じゃ無い(と思う)。頑張ろう。

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石川市街地を抜けていく

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© OpenStreetMap contributors

まずはうるま市石川の市街地を通り、恩納村向けに歩いて行く。

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ビーチの近く。白浜という字名らしい。

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スタート時は快晴だったのだが、なんだか雲行きが怪しくなってきた。

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道中で見つけた「ありがとう白浜ハイツ おもしろ荘」というパワーワードしかないアパート。

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よく見るとアルファベットが順番に配された歩道。

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石川市街地のすこし外れを歩いているのだが、この辺りは道が広く新しい建物も多い感じがする。

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沖縄にありがちな建物に直に書かれた看板

それでも色々と見所があって面白い。

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これはかつての石川市の市章があしらわれたマンホール。市章には漢字の石があしらわれている。

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しばらく歩くと川に。

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川の名前は「石川川」。ちょっと言いにくい。

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恩納村に向かって丘を越える

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© OpenStreetMap contributors

川を越えて、さらに恩納村向けに歩いていく。だんだんと民家がなくなり、畑が広がってきた。

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なんだかよく分からない電柱みたいなものがあったが、あとで聞いた所によれば、牛を繋いでおくものらしい。うるま市は闘牛でも有名な地域なのだ。

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ちなみにこのあたりの電柱の名前は「月之浜」。なんだかロマンチックな名前なのだが、随分海から離れている気がする。

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すごい門構えの家…ではなく、これはお墓である。沖縄のお墓はもともと大きいことで有名だが、たまにさらに輪をかけて立派な門などで囲まれたものすごいゴージャスなものがあってビックリしてしまう。。あと色んな所に墓がある。だいたいは個人所有の土地らしい。

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このあたりから歩道を草が邪魔して歩きにくくなってきた。このあたりの道は誰も歩いて通らないのかもしれない。遠くに見えるアーチは沖縄自動車道。

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沖縄自動車道の下を通過。

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このあたりから同じような風景が続いて、特に紹介するものがない。道、青空、木くらいである。

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ただ少しずつ、回りが森深くなってきた気がする。

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いよいよ東シナ海が見えてきた

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© OpenStreetMap contributors

同じような風景の中、ひたすら山の道を歩いて行く。

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そこまでアップダウンがあるわけでもなく、緩やかな上り坂をひたすら歩いている感じ。

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何か紹介できそなものが無いかと辺りを見ながら歩いていたのだが、見つかったのはハブ捕りの罠くらい。

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しかし、上り坂が下り坂に変わって、ついに恩納村の案内板を発見!

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国語の教科書に「あの坂を越えたら海が見える」みたいな話があったが、いよいよ向こうに海が見えてきた。

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ようやく恩納村を通る県道6号線にやってきた。このあたりは恩納村仲泊という集落。

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ここまで来たらゴールは間近。集落の細い道を抜けていく。

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ついに太平洋から歩いて、東シナ海が目の前に。

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ゴール地点に到着。これにて沖縄横断の旅、達成である。

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所要時間はナビの通り、40分あまり。そこまでアップダウンもなく、割とさっくりと横断と横断することができた。なかなか面白かったのだが、最短距離をいくと行程のほとんどが山の中で大した見所がない。いや、まぁ横断できればよいのだけど。

そのあたりが悩ましいところではあるけれど、なかなか沖縄を歩いて横断するという機会はないのではないかと思う。軽い散歩の気持ちで、みんな一回くらいは挑戦してみてもよいのではないだろうか。


沖縄は歩いてまわるのが面白い

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というわけで、沖縄横断はいかがだっただろうか。観光で訪れるとなかなか歩いて移動することは少ないと思うのだが、沖縄は歩いて回るのも面白いのでおすすめだ。ちなみにゴールの仲泊集落ではその昔、海が荒れて漁ができないときはサバニ(船)を担いでうるま市側の海まで漁に行ったりしていたらしい。健脚ぶりがすごい。

 

 

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