特集 2021年7月13日

なんでも勝手にマリトッツォ

最近、マリトッツォというパンが流行っている。

ふんわりとしたパンに生クリームがこれでもかとはさまれているパンで、多くのパン屋さんのレギュラーラインナップに食い込みつつある。

このマリトッツォ、マリトッツォ用のふんわりパンじゃなくても別にいいのでは。

むしろ、出来合いの菓子パンに生クリームをはさんだほうが、倍おいしくなるはずだ。

北海道在住の大学生。演劇サークルに所属していますが、やったことがあるのは音響担当・舞台装置担当・当日宣伝担当で、一度も演技をしたことがありません。好物はパステルのなめらかプリン。

前の記事:さあみんな、セイコーマートで酒を買え


マリトッツォ概論

トレンド最前線を突っ走るマリトッツォ。パン屋さんだけでなく、コンビニやスーパーでも見かけるようになってきた。

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近所のパン屋にもありました。これはいちごのマリトッツォ。

元はイタリア発祥のお菓子で、ブリオッシュ生地に生クリームをたっぷり挟んだものをこう呼ぶらしい。

それが日本に伝わって流行り始めたのが今年の上半期だろうか。ビジュアルが強烈だからであろう、いわゆる映えだ。

日本で流行っているマリトッツォに挟まれているクリームには派生系がある。単なる生クリームだけでなく、ラムレーズンをたっぷり含んでいるものや、ピスタチオを練り込んだものもあったりする。

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ピスタチオクリームのマリトッツォ。おしゃれ!

マリトッツォに挟むクリームを変えていいのなら、パン自体を変えたっていいだろう。

あらゆる菓子パンに生クリームをこれでもかと挟んでいき、マリトッツォにしてしまおうと思う。

菓子パンを勝手にマリトッツォにする

まずは和風の菓子パンの代表格、あんパンと豆パンさんにお越しいただいた。

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まだ何も知らされていないあんパン
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同様にまだ何も知らされていない豆たっぷりの豆パン

このままでもおいしそうである。
そんな彼らに気づかれないようにこっそりと生クリームをホイップしておく。

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こぼれずに食べやすいようにかために立てましょうね

さて、「その瞬間」がきた。さあ、きみたち、マリトッツォになるんだよ。

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切れ目を入れ
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かっ開く
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あっお客様、お客様困ります〜〜

ここに、あんパンマリトッツォが爆誕である。

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なんだこれ超うまそうじゃん

豆パンも同様にして、豆パンマリトッツォに生まれ変わった。

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豆パンなのにクリームがはみでているな

食べた感想としては、最高。うまい。

大量のクリームの中でも豆がしっかり主張していて、負けていない。

僕は正直「和のパン」は普段選ばないが、これがパン屋にあったら選んでしまう。

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あばばばば

あふれんばかりのクリームがはさまった豆トッツォ、パン屋で売ったらいいのに!

ただ一点、学んだことがある。

「ちょっとリッチに」と思い、挟むクリームに動物性生クリームを使ったのだが、あとから反省した。

口にした瞬間はコクの波が押し寄せ超うまいのだが、マリトッツォ程の生クリームの摂取量だと、かなり胃もたれしてしまうのだ。後悔。

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これ超便利

試行錯誤の結果、牛乳で溶くタイプの粉クリームを使うといいことがわかった。加える牛乳を低脂肪乳にし、なるべく軽くしようという算段だ。

パン屋のマリトッツォで使われているクリームは口当たりがたいへん軽いので、そういう工夫がなされているのだろうか…?

さて、胃もたれ対策もできたので、他のさまざまなパンもマリトッツォにしていこうと思う。

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どんどんマリトッツォにする

メロンパン

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メロンパンさんが
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マリトッツォに

メロンパンもクリームを挟めばマリトッツォだ(前日の残りの生クリームを使ったらぼそぼそになってしまったが、ご愛嬌ということで…)。

既存の生クリームメロンパンの数倍の生クリームがはさまった結果、満足感が大変なことになった。

クッキー生地のバターの香りと、生クリームで乳製品のインフレーションが巻き起こる味だった。 

ナイススティック

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あのナイススティックだって
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ナイスマリトッツォ!

ヤマザキの菓子パン、ナイススティック。これに生クリームをはさむと細長いマリトッツォだ。

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デフォルトのクリームと生クリームで「ダブルシュー」みたいな味わいに!

すでに挟まっているクリームとは喧嘩せずに共存している。カスタードクリームと生クリームが入った「ダブルシュー」のような味わいでたいへんよかった。

生クリームを挟むことを想定していないパンの設計なので、クリームの重みでたやすく折れてしまう。ちょっと食べにくいので注意である。

マーラーカオ

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蒸しパンだって
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蒸しトッツォだ!

今度は、パンはパンでも蒸しパンだ。中華風蒸しパンのマーラーカオである。

生地とクリームが合わないんじゃないかと思ったが、これもおいしくいただけた。

マリトッツォの味かといえば少々怪しいが、もともと黒糖の奥ゆかしい味だったのが、かなり華やかになった。

大人向けの蒸しパンが、幅広い年代にウケる味になった感じだ。

パン・オ・ショコラ

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パン・オ・ショコラは
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超罪深マリトッツォに

スイーツパンとしてこの頃人気のパン・オ・ショコラ。これをマリトッツォにすると、超罪深スイーツパンになった。

バターが効いた生地に、生クリーム、そしてパリッとしたチョコ。書いているだけで興奮して鳥肌が立ってきた。

カロリーのことは考えちゃいけないが、超うまかった。超うまかった…(大事なことなので繰り返しました)。

シナモンロール

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シナモンロール
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これも超罪深マリトッツォだ!

シナモンロールも超罪深マリトッツォに変身した。

シナモンの香りにクルミ、そして押し寄せる生クリーム。飲むように食べられる。これは本当に罪だ…。

菓子パンによる罪深マリトッツォ、これは皆さんも試すべきだ。どんどん罪を犯してほしい。

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しょっぱいマリトッツォの検討

これまで甘いパンしか試してこなかったが、塩気のあるマリトッツォも作れないだろうか。

例としてカレーパンを用意した。

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ここに生クリームを挟むのはミスマッチがすぎる。そこで用意したのはマッシュポテト。

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これをありったけ挟んで…

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カレーパンもマリトッツォ!

しょっぱいマリトッツォの完成である。手に持つとずっしりとした重さで、もともとカレーパンだったとは思えないボリュームになった。

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味はというと、少々カレーが足りなくなってしまったかもしれない。マッシュポテトにマヨネーズやチーズなど、味を足してあげるともっとパンチが効いてうまいと思う。

しょっぱいマリトッツォもポテンシャルがある。というか、パンはなんでもマリトッツォになれる。しかもだいたいうまい。

これ、「ある」と思います。
(妙に懐かしいフレーズで締めてしまった)


次にマリトッツォになるのは僕かもしれない

この記事に登場したマリトッツォは、1日1~2個、僕が間食として美味しくいただきました。おいしいんだけど、クリームが出てきちゃいそうな…。

クリームがはみだすマリトッツォを作った僕自身が、最終的にクリームがはみだすマリトッツォになってしまうのかもしれません。

あれ、顔のむくみに有意な差が……。 むくみ……?太り…??

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あの某パンマンさんも
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マリトッツォになりました
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守りたいこの笑顔
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