行きたいけど行けない

「行ってみた」の裏にはこうした苦労や不安が常にあるのだ。実際に行ってみるのは尊いぞ!
来年もいろいろな場所に行ってみたいと思います。よろしくお願いします!
編集部安藤です。今日は2019年の記事を「行ってみた」のテーマで振り返ります。
今年もいろいろなところに行ったなー。
国内海外問わず、毎年いろいろなところに行っているライターと言えば、やはり地主くんではないか。
地主くんは旅先でたくさん取材してきてそれで記事を書き、ストックがなくなるとまた旅に出る、というサイクルを繰り返している。いちど「日本に家がなくてもいいんじゃないか」という話をしたことがあるが、そのくらい家にいない。
ライターの間で「ふらふらおじさん」と呼ばれている西村さんも地主くんに負けていない。
ソウルのガラクタ市で「ポンチャックマシーン」を買う (西村まさゆき)
西村さんもちょっと目を離すとどこかに行っている。地主くん、西村さんの2人に共通するすごい点は、英語をほとんど話さずに現地で十分なコミュニケーションをしているところだ。きっと別の惑星に取材に行ってもいいネタとってきてくれると思う。
西村さんに続いてライター土屋さんも韓国に行っていた。
日本の常識がまったく通用しない風景を見ると、世界って広いなと思う。そういえば僕もパリで数えきれないドクロが地下に眠っているのを見に行った。
基本的に土葬の国なので、一般人の骨は教会の地下に埋められたりするのだけれど、あまりに増えすぎてしまったために大昔に掘られた採石場の跡地に骨をまとめて移した。それがこのカタコンブ・ド・パリ。
日本の常識が海外では通用しない例として、アメリカのデニーズが日本のとぜんぜん違ったいう記事もあった。
僕らが普段デニーズだと思っていたものは、アメリカのデニーズを日本的にアレンジしたものだったのだ。本場のメニューはいちいちでかくてびっくりする。行ってみないとわからないものである。
今年後半からライターとして参加したsatoruさんは聞いたことあるけど行ったことないし、そもそも行けるって知らなかった国や場所によく行っている。
コソボであそぼ、子どもとあそぼ ~子連れでたのしむコソボ旅行~ (Satoru)
世界は広い。海外の記事を読むと、もっといろんなところに行っておかないとな、と思う。そしてそれは国内の記事を読んでもやっぱり思うのだ。
次は国内編。記事を読んでわかることは、なにも海外ばかりではなく、国内にもおもしろい場所はいくらでもあるぞ、ということだ。
ライター木村さんが行った北海道にある神社は、軽い気持ちで「行ってみた」とか言えない雰囲気だった。
日本一危険な神社に参拝した!~太田山神社リベンジ (木村岳人)
日本一危険な神社というのは、それはそのまま世界一危険な神社なのではないか。
木村さんはこちらもすごい。
大東島の記事はこの他にもあって「大東島では荷物も人もクレーンに吊るされ上陸する」「南大東島の「岩盤掘込み式漁港」が凄い!」どれを読んでも軽く「行ってみた」ですまされないハードさが伝わってくる。
こちらは「憧れていた」という出雲大社へ行ってきた神社好きライター井口さんの記事。
出雲大社周辺で見つけたウサギ(の石像)のマップまで作っていた。まさに行かないとわからない情報である。
行ってみないとわからない、といえば毎月アイデムと一緒に「地元」をテーマに各県をめぐっている「地元の人頼りの旅」「投稿頼りの旅」も、まさに行ってみてからが面白い旅である。小堺さん、地主くん、編集部安藤でおとどけしています。
奈良では絶品よもぎ団子を買ってシカと絶景を見るべし~地元の人頼りの旅 in 奈良~ (小堺丸子)
福井は田んぼの中に猫がいて妄想彼女が生まれた地~投稿頼りの旅in福井県 (地主恵亮)
雪雲の切れ間から見えた知床連山が神がかっていた~地元の人頼りの旅in北海道~ (安藤昌教)
そして忘れてはいけないのが、見るものすべてが面白いDEEokinawaの記事。
つぶれそうでつぶれない沖縄本島北部の小さな売店 (miooon(DEEokinawa))
沖縄は海とか山とか見どころはたくさんあるんだけど、一番いいのは人だということをわからせてくれる。
次は「食べる」という明確な目的をもって行ってみた記事を。
まずはステーキ宮が羽田空港にできた(23区初!)というのでステーキ宮をこよなく愛するライター北村ヂンさんが食べに行ってきた記事。
東京23区初!羽田空港に「ステーキ宮」ができたぞ (北村ヂン)
記事の中で北村さんは「北関東の人は宮のたれをなめたくてステーキ宮に来るようなもの」と言っていて愛の深さを知ることができる。
大北さんは天然の炭酸水でハイボールが作りたくて兵庫県まで行った。なんとウィルキンソン炭酸のルーツがここにあるらしい。
水といえばライター江ノ島くんは南アルプスの水を飲みに南アルプス市にある公園まで行った。
水を飲みにいったはずが途中からハンバーグとか寿司とかを食べ始めて、水どうでもよくなって終わる。江ノ島くんは今年もだいたいにおいて破天荒だった。
この記事はぜんぜん違う記事の撮影をするつもりで集合したものの、目的のお店が閉まっていたため帰りにいっしょにラーメン食べに行ったのだ。それが記事化されていた。
次は知りたいから行ってみたパターン。デイリーの記事にはこのパターンが多い。
飛行機に乗らなくても空港は楽しい 船乗り場はどうか (トルー)
空港は行くだけでテンションが上がるが、トルーいわく船乗り場には「心理テストみたいな風景」があったという。行かなきゃわからない感想だ。
行き先をわざと間違えてみたら新しい扉が開いたのは大山さん。
わざと降りる駅を間違ってみたら新たな趣味に目覚めた (大山顕)
間違えたからこそ出会えた光景がある。大山さんはおかげで歩行者用のデッキ鑑賞に目覚めた。目覚めるか、それ。
目覚めたといえばこちらも行ってみて目覚めた系。
以前デイリーでも記事を書いていた小野さんがとつぜんボードゲームのお店を始めたというので行ってみた。そしたらボードゲームの楽しさに目覚めた。
散歩の達人三土さんは地形の知識をフル活用して名画に描かれた場所を特定していた。これまでの三土さんの趣味が結実したかのような取材だった。
花火大会といえばみんななよく見えるように打ち上げ会場の近くに行こうとするが、逆にどこまでだったら遠くから見えるのか。行ってみたら多摩川の花火が筑波山から見えた。
多摩川花火大会は筑波山からも見えた、あと都庁からも (デイリーポータルZ編集部)
今年も盛り上がった地味ハロウィンが台湾でも盛り上がっていると聞いて本当かどうか見に行ってきた。
台湾ならではの「いそうな人」がたくさんいて、これもやはり行ってみて初めて見える光景だと思う。
食べるため、知るため、という目的を持って行ってみた記事。次は、ただ行きたいから行った、というプリミティブな本能に従った記事を紹介したい。
次はただ行きたいから行ってみた記事。こういう記事でも何かしら発見がある。
山好きのライター松本さんが冬の山でキャンプをした記事。
ゆるいキャンプといいながら途中何度も「ここで落ちたら死ぬ」という情報が挟まれていた。ぜんぜんゆるくない。
伊藤さんは今年も休みのたびに島へ渡ってハブを探していた。半分呪われているんだと思う。
ウェブマスター林はたまにウェブで見かけるあの場所へ行った。
サンフランシスコでのメイカーフェアの帰りに寄った、と書いてあるが、目的の場所はアメリカ内陸部のカンザスシティである。それは寄ったレベルの話ではない。
ダムを観に行った萩原さんはずぶ濡れになって喜んでいた。
ダム好き萩原さんをして「ここより凄い放流は見たことがない。」というのだからかなりのものなのだろう。こういうのは写真で見るのと現地に行くのとではまったく迫力が違うので、みんなぜひ行ってびしょ濡れになってもらいたいものだ。
というわけで今年もいろいろなところに行ってみたデイリーポータルZだが、行こうとしたけど足止めされた記事を最後に紹介して今年をしめくくりたい。
「行ってみた」の裏にはこうした苦労や不安が常にあるのだ。実際に行ってみるのは尊いぞ!
来年もいろいろな場所に行ってみたいと思います。よろしくお願いします!
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