山は良い。山でのキャンプはもっと良い。
山でテント泊して肉を焼いたり酒を飲んだりするのはとても楽しい。でも、荷物が重かったりして結構大変。
なので、それぞの基準でゆるくキャンプ出来る様な山を探すといいと思います。あるいは、体力を付ければ多くの山が緩く感じるようになります。がんばれ。
東京の西の果てに雲取山という山がある。東京都の最高峰で、標高は2017m。2017年は標高と年が同じということで大いに賑わった。
雲取山への登山道の途中に、奥多摩小屋という山小屋がある。昭和34年に建設され、多くの登山者に親しまれてきた(僕はテント泊しかしたことないんだけど)。
この山小屋が2019年3月末で閉鎖される。閉鎖される前にもう一度テント泊をしたくて行ってきました。
※筆者はそこそこ山に登っているので緩くキャンプ気分で登っていますが、2000mの雪山なのでそれなりの準備が必要です。登るにあたって装備、計画、登山届などの準備はしっかり行っています。ホントはあまり緩い山ではありません。
雲取山に登るコースはいくつかありますが、人気があるのは鴨沢から登って山頂を往復する鴨沢コースです。奥多摩駅からバスで50分ほど。バス停の裏からすぐに登り始められます。
行程としてはこんな感じ(実際のGPSログです)。一部ショートカットや寄り道をしてしますが、基本的には同じ道を往復します。
僕が住んでるのは東京の東の果てなので、西の果てに行くには早起きが必要です。5時起きで6時の電車に乗って奥多摩駅へ。
奥多摩駅に着くとバス停は長蛇の列が出来ていました。
トイレは鴨沢のバス停にあるので、50分我慢できるなら並んでしまうほうがいいでしょう。
人数が多い場合は臨時バスが出るので、座れなそうなら後続のバスに乗ったほうがいいです。並ぶのが遅いと選択の余地なく立つことになります。なので電車を降りたらすぐ並ぶのが重要です。
緩やかな登りが続きます。2月ですが雪はなく、天気も良くて気温も高め。春の山を歩いてる様でした。
雲取山は標高2017m、通常は2月頃になると雪が積もります。が、今年は特に雪が少なくてかなり標高が上がっても地面が見えていました。
途中の七ツ石にある水場で水を補給します。ここの水場は1年中出ているので安心です。管理してくれてる関係者に感謝して水を汲みましょう。
その後は、日当たりがいい場所は地面が露出してたり、日陰は雪が積もってたり凍ってたり。左の斜面に落ちたら、死なないまでも骨折くらいはしそうな道を歩いていきます。
鴨沢からの登りが終わり、石尾根という尾根に合流しました。石尾根は雲取山の山頂から奥多摩駅まで続く尾根で、なだらかな道を気持ちよく歩ける好コースです。
次のページへつづく。
石尾根は防火帯になっているため尾根上の木が伐採されており、南側の展望が開けています。日当たりが良いので雪も少なめです(もちろん積もることもあります)。
小屋に着いたら受付をしてテントを設営します。テント場代は500円。ちゃんとお金を払って泊まりましょう。
なお、ビールなどの販売はもう行っていないので、もし飲みたいなら自分で担ぐか途中の七ツ石小屋で買う必要があります。
テントを張っても時間が余っていたので、とりあえず山頂へ。もう何度も歩いているコースなので地図など見なくても迷いません。
しかし、本当に雪がない。雪山を歩きたかったんですが、ちょっと残念ですね。
次のページへ。
山に登らない人はなかなか来ない場所だと思うので、ちょっと説明しておきます。
山頂には2017年に石碑みたいなものが作られまして、こんな感じです。
雲取山は東京都、埼玉県、山梨県の三県境になっているため、それぞれの山頂標識が立っています。山梨側は若干地味ですがきちんと抑えておきましょう(石尾根を登ってすぐのとこにあります)。
風も無いのでトイドローンで自撮りしました。86gのトイドローンなので無人機としての制限は受けません。TELLOという1万円ちょっとのやつですが、なかなかキレイに写ります。
山頂には避難小屋があり、緊急時に泊まることが出来ます。と、いう事になっていますが、実際は普通に計画して泊まる方が大多数です。 ただし、避難小屋は空間が広い分テントより寒かったりするので防寒の備えが必要です。
はい、一通り楽しんだらテントに戻って宴です。
肉を食う、そのためだけに山に登ってると言っても過言ではありません。ザックの重さは20kg。肉と酒って重いですね。
山のテント場は普通焚き火ができないので、火はガスコンロやアルコールストーブなどを使いましょう。
まずはホルモンから。脂がたくさん出るのでナスなどの野菜に吸わせます。
外で食べるホルモンと、冷えたビールの美味しさは異常です。異常を楽しみましょう。
雪はないと言っても、だんだん寒くなってきたのでテント内に移動。
テント内にはロゴスのピクニック サーモマットを敷いています。テントの床そのままよりも文化度が上がり、温かみも出ます。コンパクトにまとまるのでパッキングもしやすくおすすめ
牛の肩ロース、マイタケのみじん切り、水、塩少々をジップロックに入れておきました。マイタケはタンパク質分解酵素を含むので、どんな硬い肉でも柔らかくしてしまいます。
ありがとう、牛。
暗くなってきましたが、ランタンを忘れたのでヘッドランプ(ヘッデン)を上から吊るしました。上からの光は文明の象徴です。ランタンはキャンプにおいて超重要。
まだまだ食べます。山登るのにたくさんカロリーを使ったので、ここまで実質マイナスカロリーです。そして、米は別腹。
最後はチーカマと柿の種とウイスキー。スマホにダウンロードしておいた動画を見ながら夜は更けていきました。
夜通し何かが降ってる音がしてましたが、トイレに行ったら雪が積もってました。
次のページへつづく。
登山の朝は早い。なぜなら寝るのが早いから。5時半に起きて、まずはお湯を沸かします。テントの壁は凍ってたので氷点下ではあったみたいですね。
主食は紀文の肉まん。デカくて美味しいのです。
焼きました。
味はと言うと、ちょっとボソボソしてました。蒸して柔らかくしてから焼いたほうが良さそうです。
昨日と打って変わって雪山です。たった一晩でこうも変わる。これが山の面白さと怖さですね。
山の上では寒さや悪天候に耐えられる装備を持っていないと命に関わります。防寒着や緊急用の装備(簡易テントや救急用具、ヘッデン、雨具、GPS(スマホの登山用地図アプリでもOK)、地図、コンパスなど)をきちんと持ち、正しく使いましょう。
奥多摩小屋は老朽化のため今年度末で廃止され、今のところ再建の予定は無いようです。 廃止されたあとはトイレもテント場も使えなくなります。
残念ですが、僕が1億円とか寄付できるわけじゃないのでなんとも言えませんね。前澤さん、どうですか。
せっかく雪が積もってくれたので、もう一度山頂に行くことにしました。だいたいテントから1時間くらいです。
雪が積もっているのと、地面が凍ってるのでチェーンスパイクを付けます。
朝でも粉雪みたいなのが降っていて、ウェアに雪の結晶が付いてました。かわいいですね。
ガスの向こうに避難小屋が見えます。
山頂から帰ってテントを撤収したら下山。道中、七ツ石山に寄りました。
七ツ石山の山頂からは雲取山が見えるはずですが、未だにガスの中でした。
七ツ石山から降りたら、もうあとは鴨沢まで下るだけ。下るだけと言っても、事故の多くは下山中に起きます。最後まで気を抜いてはいけません。
なんて事ない道で死亡事故が起きるのです。
山でテント泊して肉を焼いたり酒を飲んだりするのはとても楽しい。でも、荷物が重かったりして結構大変。
なので、それぞの基準でゆるくキャンプ出来る様な山を探すといいと思います。あるいは、体力を付ければ多くの山が緩く感じるようになります。がんばれ。
▽デイリーポータルZトップへ | ||
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |