盛り上がって買うがそれっきりになる
記事のために何らかを買うがたんすの肥やしになるパターンの代表といえば、取材先で盛り上がって記事のためと言い訳についする買い物だ。
たとえばこれなんかがドンピシャである。
映画・酔拳に出てきたお酒「三鞭酒」を飲んで強くなりたい(江ノ島茂道)
こちらは映画に出てきたお酒を飲む記事なのだが、記事中で映画のファンすぎて中華街でヌンチャクを買う。
そしてそのヌンチャク、記事にはなんとまとめ枠の写真にさらっと写っているだけ。ほとんどただの衝動買いなのだ。
結局その後、私生活でも一度も使わないままとのこと。メルカリにおける商品の状態欄の「未使用に近い」、まさにこれだ。
冒頭でご案内のとおり、今回はたんすの肥やしを出した記事を紹介しながらその肥やしをメルカリに出品した結果をお知らせしていきたい。
本稿の公開2週間ほど前からこのように出品していた。
なんと例のヌンチャク、出品後のキャプチャを取ろうとするその前に瞬殺で売れたのだ……!
「未使用に近い」で、購入価格よりそこそこ安めに出品したところ一瞬で買い手がついた。中華街での盛り上がりが完全に報われた思いだ……。
ウォォ、この調子でぐんぐん行こう、買って盛り上がった、それ自体を記事にした企画から、こんな品物もどうだろう。
乗り物酔い防止メガネを試す(林雄司)
自動車メーカーのシトロエンが技術の粋を集めて開発しただろう話題のメガネだ。
編集長の林によると、なん今やコピー品が出回りまくっているらしい。
今回は間違いなくシトロエン社の物であること、胸を張って出品してみよう。
99ユーロしたうえ、送料もかかった……売るのが若干惜しい気持ちもあり実費まるっと19000円でどうか……!
手元に置いておきたい気持ちが全面に出すぎてしまった。
さて、美品が余るといえば、今年ダイエットグッズを入手しまくったライターがいたな。
まわりを巻き込み、肉を振る舞う「株主ダイエット」で6キロやせた (さくらいみか)
「株主」からダイエットグッズを提供してもらい、そのグッズでダイエット、痩せた分の肉を配当として分配するすごい企画だった。
今回はこの中から少し使うも「豚が言うことに私の心が動じなかった」というこちらを出品することに。
間食しそうなときにボタンを押すと、豚が喋って止めてくれるグッズだ。
さすが、ダイエットグッズ強し……。かわいさもあってさくっと売れていったのだった。
つい買いすぎる
ライターが記事製作で買ったものを余らせる。
盛り上がって買うハッピーなパターンだけではなく「間違って買いすぎる」といううっかりミスもよくある。ネット通販で調達すると特にやりがちだ。
2019年もやらかしていた。
肩に付いていてかっこいい箱はピザの箱(トルー)
ロボットのように肩に箱型のものがくっついているとかっこよく見えるのでは、という予測を検証する意外な記事である。
この箱のうち、ライターのトルーはピザとケーキの箱を間違えて大量に買いすぎたそうなのだ。
こういったひょっとこな内容の記事作りの前段に、ライターがピザの箱とケーキの箱を間違って買いすぎておろおろしていると思うと味わい深いのではないか。
余らせていても、なるほど周囲においそれと必要としている人がみつかるとは思えないタイプの余剰品だ。これはメルカリしかない。
買ってくださった方からは「ちょうどピザ箱を探していた」というメッセージがあった。すごい。
バケツリレーは本当に効率がいいのか(藤原浩一)
こちらはバケツリレーの効率を疑い試す記事。
バケツリレーをやろう! そう思い立った時なにが必要か。答えはバケツだ。編集部ではことしバケツを買いまくった。
ピザ箱が売れたからにはバケツも売れるな……と思ったが、確認したところ……。
撮影参加者が多いと余ったものは分配され不要品は出ないというのも記事制作の特徴だ。
続いてこちらは念のため買って余ったパターン。これもよくある。
ラグビーは選手だけじゃなくユニフォームも強い(高瀬雄一郎)
ラグビーのようにあたりの強いスポーツはユニフォームも頑丈なのではと確かめる記事。
ライターの高瀬さんによると現場で足りなくなったらいけないと心配しすぎて2束買ったロープが、1つ丸ごと余ったそうなのだ。
心配しすぎて買うと余る、大丈夫だろうと高をくくると足りなくなる。そんな世のルールは記事製作の現場でも変わらない。
「ユニフォームを引っ張るために買ったロープが1束余っています」どういう事態なんだというコメントが味わい深い。
ドンピシャで探している人が検索してくれればいつかは売れるはずだが、短期間では難しかったか。しかしこんなにもニッチな道具に「いいね」が2もついているのがすごい。
こちらもどうだろう。
最新家電にカバーをかけて昭和感をだす(斎藤公輔)
昭和の家電のように最新家電にカバーをつけてみよういう試み。
使ったり使わなかったりしたはぎれと未開封のバイアステープが余ったとのこと。
買ってもやってみるまで要不要がわからないのが手づくりの世界だ。
まるごとセットで出品してみたところなかなか買い手がつかなかったが、やはり「いいね」はついている。どんなものにも興味を持ってくれる人がいるのだな……という嬉しさがすごい。