特集 2020年7月7日

紙パックの「たたんでくれてありがとう」と向き合う

スゴイありがとう。

紙パックを飲み終えて開くと、上のところに「たたんでくれてありがとう」と書いてあることがある。あれがなんだか唐突でおもしろいと思った。

だからたくさん買って「ありがとう」と向き合った。

1987年東京出身。会社員。ハンバーグやカレーやチキンライスなどが好物なので、舌が子供すぎやしないかと心配になるときがある。だがコーヒーはブラックでも飲める。動画インタビュー

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唐突に現れる「たたんでくれてありがとう」

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「たたんでくれてありがとう」

紙パックをたたむのはゴミがかさばるのが嫌なだけなので、お礼を言われるような気持ちの準備もしていない。しかしそのお礼はあらかじめ印刷されていて、そのことをたたんだ瞬間に突然知るのだ。

いつもの道を歩いていたら曲がり角に紳士が立っていて、まっすぐこちらを見て「たたんでくれてありがとう」と言われた、そういう気持ちだ。嬉しいが、唐突である。唐突で嬉しい。

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紳士。

この唐突な「たたんでくれてありがとう」をたくさん見たい。驚かされてばかりだったが、こちらから「ありがとう」にぶつかりにいってもいいんじゃないか。抱きしめにいってもいいんじゃないか。

36パック見た

結局、ありがとうの気配を探りながら36の紙パック飲料を飲み、15パックから「たたんでくれてありがとう」をいただくことができた。

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紙パック一覧。

この中の約4割の曲がり角に紳士がいて唐突に「ありがとう」と言っているのだ。これが多いのか少ないのかはよく分からない。そもそもありがとうと言う紙パックが偉くて言わない紙パックが偉くない、という話でもないのだ。ありがとうと言われなくたって紙パックはたたんで捨てるのがいい。

だから全体については特に何も言えないが、紙パック一つ一つへの感想はある。「ありがとう」の4つの分類別に紹介します。

「たたんでくれてありがとう」

一番ストレートなタイプである。プロポーズのセリフだったら「結婚してください」だし、写真撮る時は「はい、チーズ」と言う。そういうストレートさである。紙パックの「たたんでくれてありがとう」の所に「たたんでくれてありがとう」と書いてあるのだ。

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まず野菜生活。
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ベリーサラダ。「色んな果物とかがいっぱい入ったやつ」を「サラダ」と呼ぶ。このスマートさである。
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ストロー側に「ありがとう」があるタイプもある。
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カゴメのトマトジュースもありがとうがストロー側だ。
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すれ違ったあと背中越しに「ありがとう」と言われる感じ。
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アーモンド効果からも「ありがとう」 どういたしまして。
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マルサンアイと、ことりっぷのコラボ商品からも「たたんでくれてありがとう」

いつもはびっくりしていたが、気持ちの準備ができた上で「ありがとう」をいただくとすごくほんわかした気持ちになる。全部ひらがなのところもすごくいい。「どういたしまして」と思う。

そう言えば日頃「どういたしまして」と口にすることがなかなかない。感謝の気持ちを表すことは大事だけど、その気持ちを受け取れたことへの感謝も同様に大事であるはずだ。「どういたしまして」って、機会があったら言おう、と思った。

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「リサイクルありがとう」

紙パックをたたむ行為に先回りして印刷された「たたんでくれてありがとう」であるが、その更に先を行ったものが「リサイクルありがとう」である。

たたんだだけでその先どうするかはまだ分からないぞ、などと意地悪なことを考えてしまうが、ありがとうと思ってくれたのであれば、それはどういたしましてである。

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1リットルの牛乳パック。

しかし気が早い。先回りしすぎてもう未来からのメッセージになっている。開いて洗って乾かして、リサイクルに出さないと「どういたしまして」と言えないのだ。

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未来からのメッセージ。

フレンドリーな「ありがとう」

「たたんでくれてありがとう」にひと工夫されているパターンである。

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キッコーマンの調製豆乳は「♡」が付いている。
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プリン。
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フルーツミックス。

この豆乳飲料はうまい棒みたいに味のバリエーションがすごく多い。しかもちょっと無茶じゃないか、という味もちゃんとおいしくてすごい。

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マルサンアイの『ごまはち』は「たたんでくれてありがとうにゅう」
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突然こんなこと言われても困る。
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ドールのジュースは「Aloha!」と言ってくれる。明るい。
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スゴイダイズは商品名にストレートに掛けてきた。

このスゴイダイズは、本当にスゴくて一口飲んで「スゴイ…!」と言ってしまった。名前の通りスゴイダイズだった。

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コープのミックスキャロットというジュースには『こどもおみくじ』が付いている。大吉だ!
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楽しくてもう1回飲んだ。小吉だ。
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あとこのイラスト、ニンジンのまゆげがバナナでそのバナナにも顔が付いていて、わけがわからなくてとても良かったです。
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側面では特に説明もなくじゃんけんっぽいイラストがあるのも良かった。ここを見せ合ってじゃんけんするのだろうか。

以上が今回見つかったフレンドリーな「ありがとう」である。「たたんでくれてありがとう」を探す一番の醍醐味があると思う。やはりちょっとした変化があるだけでもそこからサービス精神が感じられて嬉しいのだ。

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無し

「ありがとう」の最後の分類。「ありがとう」が無いものである。

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21パックあった。
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開いたところ。

僕は今回、表記が無いものからも「ありがとう」というメッセージを感じた。だってお礼が有ろうが無かろうが捨てる時にはたたむのだ。その行為が起きた時点で「ありがとう」「どういたしまして」というやりとりも僕と誰かの間で暗黙のうちに発生しているはずで、表記の有る無しは大した問題ではない。

…何が言いたいのか分からなくなってしまったが、いい紙パックがあったので紹介したいです。紹介します。

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これが見ていて飽きなかった。

まず「がぶ飲みDiet」という勢いのあるワードがいい。

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「サクセス30Diet」とも書いてある。なんだか分からないがうまくいきそうである。
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黄色地に黄色で「Success」と書いてある。きっとサクセスするだろう。そういう勢いがある。

味は、パッケージほどクセはなく、飲みやすくておいしかった。

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あとこれは、太い明朝体が色んな大きさでギュっとなってる感じがエヴァンゲリオンの予告みたいだった。
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緊張感がすごい。

最後に、これは全ての紙パックに言えるのだが、開くと印刷の時使ったインクが並んでいる面があって、これを見るのも楽しかった。

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よくあるのがこの4色なんだけど、
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そうじゃない特別な色を使っている場合もある。
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特色というらしい。
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四角じゃなくて点で表示してあることもあって、かわいくてよかった。
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とにかく「ありがとう」という表記はないが、それでもいいのだ。たたむことが大事だったんだから。
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無いんだけど「ありがとう」を感じる

どういたしまして、の気持ちです

たくさんの紙パックからたくさんのありがとうをいただいた。やったことと言えばパックをたたんだだけなので、いただき過ぎな気もする。ただ「どういたしまして」と言うだけでは足りないんじゃないか。

そこで特に印象的だった『スゴイダイズ』のメーカーのサイトから、商品の感想を送れるフォームを見つけて「おいしかったです。たたんでくれてありがとうと書いてあって嬉しかったです。」という感じのメッセージを送った。

メーカーのサイトから商品の感想を送るなんて初めてやった。「ありがとう」への向き合い方として正しかったか、自信はないが、なんだか今は清々しい気持ちなのでとりあえずよしとしようと思う。

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こちらこそありがとうございました。

のむ豆乳ヨーグルト、おいしかった

あまり味の話をしなかったが、一番好きな味だったのはのむ豆乳ヨーグルトだった。

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エヴァンゲリオンの予告みたいなやつ。

豆乳とヨーグルトの組み合わせが新しくておいしかった。

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