これが伊勢うどんだ
いきなり伊勢うどんのフルコースの説明をされてもピンとこないと思うので、まずは王道がどんな姿なのかをお見せしたい。
この極太でやわやわな麺は、伊勢市内にあるみなみ製麺という製麺所が50分しっかり茹でてから水で締めたもので、それをあえて一日以上寝かせてから、注文にあわせて丁寧に温め直している。
たれは煮干し、鰹節、昆布などで驚くほど濃く煮だした出汁に、真っ黒いけど塩分は意外と低いたまり醤油、みりん、砂糖などを加えたもの。 見た目ほどは塩辛くなく、出汁の風味とたまり醤油のまろやかさが感じられる。
どの店でも具は青ネギがスタンダードで、オプションで玉子、牛肉、天婦羅などのトッピングが用意されている。
一口に伊勢うどんといってもいろいろで、大正時代から伝わる伝統のたれを守っていたり、手間暇のかかる自家製麺にこだわっていたり、コシのある伊勢うどんに挑んでいたり、食べ歩くごとに新たな発見があった。
私は昨年の6月に初めて伊勢を訪れた「にわか」なのだが、伊勢うどんについて語りだすとものすごく長くなるので、この続きは同人誌「伊勢うどんってなんですか?」を読んでいただければ幸いです。
伊勢うどんフルコースの会
この本の発売記念として行われた会で挑戦したのが、伊勢うどんのフルコースである。
このコースを食べることで、伊勢うどんの歴史や現状が学べ、さらには伊勢うどんが持つ懐の深さや可能性を知ってもらえるのではという企みである。
本音を言うと、あの独特な柔らかい麺に合わせた料理を、いろいろ作ってみたかっただけなのだが。
伊勢うどんフルコースの会は二回おこなわれたのだが、一回目を無事に終えて、もっとこうした方がよかったという反省や、また同じ料理を作ると飽きるといった理由から、二回目は少しメニューを変えている。
そのあたりも含めて、どんな内容のコースだったのか紹介させていただこう。