牛肉特集 2023年7月24日

豚を牛に置き換えて作る二郎風ラーメン「牛二郎」は予想以上にうまかった

牛で作る二郎風ラーメン、おいしいよ。

製麺をするのが趣味なので、よくラーメンを作っている。たまに豚肉と豚骨をたっぷり使ったラーメン二郎インスパイアのガッツリ系も作るのだが、その材料を牛肉と牛骨に置き換えてみたらどうなるだろうか。

試しに作ってみたら、かなりおいしいラーメンに仕上がった。

趣味は食材採取とそれを使った冒険スペクタクル料理。週に一度はなにかを捕まえて食べるようにしている。最近は製麺機を使った麺作りが趣味。(動画インタビュー)

前の記事:エビ天のようにチクワを揚げる店があった

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 だいすき! 牛肉特集 

いつだって食べたいものと言えば牛肉……。5人のライターが、いまあらためて向き合いました。5日連続でおおくりします。

7/24 豚を牛に置き換えて作る二郎風ラーメン「牛二郎」は予想以上にうまかった(玉置標本)
7/25 牛肉どまん中をできた瞬間に食べたい (江ノ島茂道)
7/26 七色ステーキ(パリッコ)
7/27 牛汁は、豚汁よりちょっとごちそう(べつやくれい)
7/28 焼肉で牛タンだけを食べて満たされたい(月餅)

そしてそして! 「デイリーポータルZをはげます会」では、2023年7月31日まで牛肉のプレセントキャンペーンを実施しています。えっ……急に……なんで……? 怖すぎてすみません。事情はこちらからどうぞ! 

ラーメン二郎のおさらい

まずは予備知識としてラーメン二郎の説明をざっくりさせていただくと、豚の肉と骨と脂で作ったこってりしたスープを醤油ダレとうま味調味料で濃いめに味をつけて、低加水の極太麺をたっぷりと入れて、煮豚(通称ブタ)や茹でモヤシ(ヤサイ)などをトッピングした、ボリューミーで中毒性の高いラーメンを出すお店である。

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ラーメン二郎亀戸店のヤサイ、アブラ、ニンニク。

これを家で一から自作するのがすごく楽しい。いわゆる「家二郎」というやつだ。

もちろん店で食べる味とはちょっと違うし、店で食べた方が圧倒的に安いし早い。それでも先人の知恵をお借りして、シンプルな材料を組み合わせて作る一杯には、毎回感動を覚える満足度と達成感がある。ありがとう、おやっさん(創業者)。

詳しくは「ラーメン二郎の店長に素人の作った家二郎を食べてもらう会」という、読み返すたびに心臓がキュっとなる記事をどうぞ。

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自作した二郎風ラーメン。こうやって比べると私のは盛りがチマチマしていますね。

材料の牛を買いに行く

このようにラーメン二郎の材料は豚なのだが、豚カツと牛カツがあるように、ポークカレーとビーフカレーがあるように、豚を牛に変えた二郎があってもいいのでは。

実在のお店では食べられないプライスレスな架空ラーメンを作ることこそ、自作ラーメンの醍醐味である。名付けるとしたら「牛二郎」だろうか。元祖グルメ漫画である「包丁人味平」の原作者みたいなネーミングでおいしそうだ(それは牛次郎)。

それでは作ってみるかと行きつけの肉屋にいったものの、予約もなしに牛の骨なんて買えるのだろうかと思ったら、適当にカットされた使いやすいものを出してくれた。心強いお肉屋さんだ。

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さすが「店頭に無い商品もお気軽にお声がけください」と書くだけあるな。

どれくらいの量が必要なのかまったくわからないが、とりあえず骨を3キロ、バラ肉を1キロ、脂を600gほど購入してみた。

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牛の骨と脂はキロ150円と豚よりも少し安い。豚骨や豚脂はラーメン用の需要があるからだろうか。塊のバラ肉(外国産)はキロ1500円。理想としては骨の倍くらい用意したいが、材料費が恐ろしくなるので控えめにした。
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ご家庭で作れる牛二郎のレシピ

以下、作った様子をどうぞ。

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骨髄がたっぷりと詰まった見事な牛骨。どんなスープになるのだろうか。
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ゲンコツ(大腿骨)なのだろうか。でかい。
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とりあえず洗って、水に浸けて血抜きをする。あまり血は出てこない。
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骨3キロに対して水5リットルで煮込んでみよう。
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灰汁は豚骨に比べると全然少ない。これなら下茹では不要と判断。
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灰汁が出切ったところで味見をすると、ものすごく濃い牛味だった。知っているけど知らないスープだ。胡麻油とニンニクを入れて焼肉屋のワカメスープにしたらうまいのでは。

 

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牛バラ肉の塊。スライスじゃない牛バラ肉を調理するのは初めてかも。豚に比べると脂の層が薄いからきっとヘルシー。
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煮崩れないようにタコ糸でグルグルと縛る。
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沸騰した状態からよりも肉が柔らかくなるかなと、一度常温まで冷ましたスープで煮る。脂の層がすごいことになっているな。
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二時間煮たところで肉だけ取り出して、醤油に浸けておく。脂が多すぎてコンフィみたいだ。
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これ以上の脂を入れる必要はまったく感じなかったが、もう買ってきちゃったし、ヴィジュアル的にハンペンと呼ばれる固形の脂身をトッピングしたかったので、ニンニクと一緒に少し加えて煮込む。
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その間に低加水の極太麺をクルクルと製麺する。
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スープを覆う黄金色の液体脂。ぜんぜん乳化しないぞ。

⏩ 次ページに続きます

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