特集 2024年1月12日

馬しかコンテンツがない!ドイツの少女向け馬雑誌紹介

ドイツ、チェコ、ポーランドを巡って、馬グッズの多さに驚いた。どうやらヨーロッパの女の子達は馬が大好きみたいだ。

中でもドイツの本屋で馬しか載っていない子ども用雑誌がたくさん売っていたのが衝撃的だった。内容が気になり、1冊買ってきたので中身を紹介しよう!

イカをこよなく愛する人形劇人。特にコウイカが好きです。

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> 個人サイト note

馬グッズ多すぎ

ヨーロッパを巡って共通するのは「女の子用の馬グッズが多い」ことだ。

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生き物フィギュアも棚3段分が馬
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ドールハウスにも必ず馬
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海の上でも馬
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売り場にも馬
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スクールバッグも馬オンパレード

あまりにも馬グッズが多すぎる。相当人気なようだ。

でもなんで馬……?

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馬雑誌発見

本屋さんに行くと、女の子向けの馬雑誌が何種類も売っていた。

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最初見たときはファンシーな競馬雑誌だと思った
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馬シール、馬消しゴムなど、付録も全部馬!馬への愛が雑誌全体から溢れている

どんな内容なのか気になるので、1冊買ってみることにした。値段は4.99ユーロ。日本円で750円ぐらいだ。高っ!!タウンワークぐらいの薄さなのにまぁまぁの値段である。

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読んでみよう

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こちらの1冊を購入。表紙は白馬!アイドル的存在なのだろうか
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付録ももちろん馬。夕日をバックに海辺を駆けている

形はPSPのゲーム機っぽいが、水圧で遊ぶわなげの古典的なおもちゃである。懐かしい〜!ドイツの子どもも、このおもちゃで遊ぶんだな〜。

当たり前だがドイツ語で書かれているので全く読めない。今回は、旅行先でも大活躍したGoogleレンズで、ふわっと何となく読んでいこうと思う。

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いきなり馬のニュースから始まる。少女が興味ある内容なのか?

馬のグラビアで1ページ使っている。今をときめく俳優ぐらいの扱いだ。どことなくニヒルな笑みを浮かべているようにも見えてきた。

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どちらの乗り方が好きか選ぶアンケートが載っているのが衝撃的だった。人生で1回も
馬の乗り方について考えたことがないぞ
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品種、出身地、性格、などの情報。どのスポーツもできるよう品種改良されたようだ。本当に競馬のための情報誌じゃないんだよね??

日本だったら、馬愛好家か、競馬をやる人しか読まなさそうなページである。

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子ども雑誌らしく、ぬりえも入っていてちょっと安心した

ナルニア国物語の馬にスポットライトが当てられている。馬出てたんだ……。

ドイツの少女達、大河ドラマとか観たら喜びそうだな。

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顔だけでなく、尻だけのグラビアも需要があるのか…?
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別ページにさっきの尻の上半身が載っていた

ビジュアル系の馬。ずっと見てたら不安な気持ちになった。


 

出てくる女の子たちが11才、12才ぐらいなので、その辺の年齢をターゲットとしているのだろう。

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「ユニコーンだけ大好き!他の馬はそんなに興味ないです」と笑顔でコメントしている

白馬が好きなのはユニコーンっぽいからか!!なるほど!

「馬の大ファン。あらゆる乗馬大会に出場している」とコメントしている子もおり、ユニコーン以外の馬好きガチ勢もいるようだ。

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馬とのふれあいを実写マンガで表現している

こういう実写マンガ、「ファッション着回し1ヶ月コーディネート!」などの企画で雑誌でよく見かけるが、馬とのふれあいは初めてみた。

乗馬のコツなど丁寧に書かれている。ヨーロッパの少女達は乗馬をたしなんでいるのだろうか。

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別でイラスト乗馬マンガも載っている


本当に馬コンテンツしかない。気持ちいいぐらい潔い雑誌だ……!

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あ!お菓子レシピ!馬意外も載ってるじゃん!と思ってよく見たら、馬の蹄鉄クッキー
だった※蹄鉄=馬のひづめに付ける鉄の器具

日本の小学生だったら、ファッション雑誌『ニコラ』を読み始めるぐらいの年頃だろうか。日本の本屋で、この馬に全振りしている少女雑誌を見つけたら、「すごい尖った雑誌売ってる……!」と思うだろう。

でもヨーロッパの馬好き少女がオシャレに興味ないということではなく、ちゃんとコスメ情報も載っている。

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でもやっぱり馬だった

あまりにも馴染みのない文化なので、当サイトのライターでドイツ在住のほりべのぞみさんに、この馬文化について聞いてみた。

ほりべさん
7歳の姪っ子(ドイツ人)が馬のフィギュアを集めているので、なんとなく「馬が流行っているのか……」と思ったことはありましたが、知らないところでこんな馬ワールドが存在していたとは!
ヨーロッパでは日本より乗馬カルチャーが浸透しているからか、身近な動物なんですね。
ドイツ人の夫に聞いてみたら、彼が小学生だった30年前も「男の子は車、女の子は馬」というように、けっこうメジャーなホビーだったそうです

男の子は車、女の子は馬……!両方移動手段……。雑誌に載っているように、乗馬を習っている少女も多いのだろう。

馬が身近なドイツに長く住んでいると、少女達のように馬が好きになったりするのだろうか?と思ったが、ほりべさんは「馬は嫌いではないですが、文化が違いすぎてドイツ少女達の馬カルチャーには全く共感ができません……!」とのことだった。

何故こんなに馬が好きなのだろうか。今度ドイツに行くときはもう少しドイツ語を勉強して、少女達に話を聞こう!と思った。

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