特集 2020年5月17日

日本語のブランドタグがかっこいい(デジタルリマスター版)

こういうの!

古着屋やバザーで、古い服に日本語のタグがついていることがある。

「女性自身」や「東京おしゃれ泥棒」なんてのを過去に目撃した。

ほとんど英語表記のことが多いだけに、すごく新鮮なのだ。あらためて古着をあたって探してみた。

2009年2月に掲載された記事の写真と画像を大きくしつつ、加筆修正して再掲載しました。

1979年東京生まれ、神奈川、埼玉育ち、東京在住。Web制作をしたり小さなバーで主に生ビールを出したりしていたが、流れ流れてデイリーポータルZの編集部員に。趣味はEDMとFX。(動画インタビュー)

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> 個人サイト まばたきをする体 Twitter @eatmorecakes

これまでのベスト日本語タグ

たいてい、洋服にはノンブランドでも適当な欧文のタグがついているものだが、いかにも古そうな素材、懐かしい感じのデザインの服のタグに「えっ」と思うような日本語の単語や時に文章が縫い取られていることがある。

例えば、今まで私がバザーなどで見たけたなかで心ゆさぶられた和文タグにはこんなのがあった。

・女性自身(あの雑誌のロゴのまま!)
・ガキ大将が行く
・東京おしゃれ泥棒

ほんとに、こんな文章が服の襟の裏のタグに縫い取られていたのだ。「女性自身」に関しては一体何があったのだろうと思った。「ELLE」みたいなもんか。

しかし残念ながら記事にしようとまでは思い及ばなかったため購入せず。後々悔やんでいた。

そんなおり、地区のリサイクルセンターが年に1度行うガレージセールで「殿」と書いてあるジャケットを見つけた!

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殿(日本語というより中国のタグか)

かっこよすぎる。厚手の男性もののコートだったため、お願いしてタグの写真だけ撮らせてもらった。

そして、こういうの、ちゃんと集めよう! そう決心したのだった。 

日本語タグにも色々ありまして

古着屋を回る前にまず確かめておきたい。

今回探すのはできれば古い服の日本語タグ! ということだ。実は、新しい服でもタグが日本語のもがある。

高級な国内デザイナーのミセス向けの服にはブランド名が日というパターンがままあって、そんな服は新しくてもタグは日本語だ。

若い人のおしゃれブランドにもわざと日本語というケースがある。そういえば、当サイトでも服がおしゃれなライターの梅田さんが「泥棒日記」というタグのついた服を着ていた。

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ライターの梅田さんに写真を撮ってもらった。襟の裏ではなく、ズボンのバックポケット脇のタグだが「泥棒日記」とある

泥棒日記ってそれはそれですごいが、今回はそういうのではなく、あくまでも古い服の日本語タグを探したい。

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古着屋さんはオシャレ系よりも、リサイクルの意味あいが強い大型店を中心にめぐりました
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公営系のリサイクルショップは古い服の掘り出し物が多いです。こちらは品川区が出しているお店

 

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開催団体自体が出店するスペースが出てたりすると古い服がたくさん見つかるフリマ

「大地」に「音楽海岸」…見つけましたよ……それでは紹介していきましょう、出でよ、和文タグ! 

いったん広告です

まずは今回のベストヒットから

婦人服・コート「大地」

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大地。

なんだろう。婦人用コートである。洋服に大地、とは。

よく見ると「中国上海」と書いてあるし、DaDiというのは中国語での「大地」の読みのようで、日本語というより中国語といったほうがいいタグかもしれない。

そういえば前ページの「殿」も中国語らしかった。みどころのあるタグに新たな市場が開拓された形か。

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服の全貌はこちら。「大地」と言われると確かにそんな気がしてくる

ちなみに今回、見つけた日本語タグの服を着るあてもなく買うのもどうかと思い、お店の方にお願いして写真だけ撮らせてもらった。分かりにくい依頼へのご快諾、ありがとうございます……。

全体的に慌てて撮影したため、よく撮れていないものもあるが、ご了承くださいませよ。

業務連絡が日本語で

婦人服・ブラウス「ドライクリーニングしてください」

服に関してのインフォメーションが日本語で縫い取られているタイプも今回はじめて発見した(写真はマウスオンで洋服全体が見えるようにしました!)。

古賀の実家から発掘。派手なシャツだが、誰のものかは不明(母?)。ブランド名「Lapica」がカタカナでまた書かれているのもいいが、やはり「ドライクリーニングしてください」たまらない。

婦人服・カーディガン「東京・京都・大阪」

こちらもブランド名の読み方表記に続き、地名に会社名を日本語で。こまかい機械刺繍がかっこいい……!

 

紳士作業服「サンフォライズ・綿100%」

たたみかけるかわいいロゴのブランド名と、綿100%表示!サンフォライズとは天然の繊維に蒸気をあてて最初から縮めてしまう方法のことらしい

やっぱりグッと来るポイントは「日本語がちまちま縫い付けてある」というところに大きいのかもしれない。

小さいフォントでタグに注意書きが縫い取られているのはツボをつかれた。

ハングルも良い……!

今回の古着狩りで初めて見つけたのが、ハングルのものだった。ひらがなのように細かく縫い付けられているのがやっぱりかわいい。

(※以下の2枚は洋服そのものの写真の撮影を忘れてしまっていました。なのでマウスオンはありません)

婦人服・ジャケット
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CONFLANCEってどういう意味だろう

読者の方からメールをいただきました。これ、フランス語の「confiance(信頼・信用)」では、とのこと。ハングルでもコンピアンスと書かれているそうです。情報ありがとうございます! 

婦人服・ジャケット
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こちらは「CAF」のロゴもかっこいい。婦人服っぽくない未来っぽい雰囲気

そうだ、スナックなんだ

さて、韓国語からまた日本語へ戻ろう。

撮りためたタグの写真を眺めていてハッと気づいたことがある。日本語のタグは、スナックの名前みたいなのだ。

婦人服・ニットジャケット「パステル」

どこかで見たことがあるようなタイプのロゴだと思ったらスナックだ。服もママが着てそうである(実際、この服は古いというよりも婦人服の現存するブランドかもしれない)

婦人服・カーディガン(?)「マイ恵美」

いや、もう、紛れもなくスナック。服はちいママが着てそうな感じか。着こなしが難しそうすぎて私には試着することすらできなかった

婦人服・カーディガン「クイーン ベジー」

このタグは自分のなかでグッとくるようなそうでもないような微妙さだったのだが、スナックの名前だと思えばすべて納得がいく(なんだろう、納得って)

婦人服・ブラウス「花のブラウス」

これだってスナックの名前にありそうなんだから、すごいのは日本語タグよりもスナックの名前の方なのではと思えてくる。しかし服全体を見るとこれがまたすごくて、もう何が何やらだ

 

妙に力の弱そうなタグも

さて、ここまでのタグはその日本語のインパクトでぐいぐいと押してくる強烈なものがほとんどだったのだが、日本語でありながら押しの弱いタグというのもあった。

単純にフォントの線が細いからだとは思うのだが、そんなジャンルに分けられた2着がどちらもポロシャツだったのが興味深い。

紳士服・ポロシャツ「世界綿紀行」

古い服、というよりトートバッグでおなじみの「一澤帆布」的な意味合いでの日本語なのかもしれない。どちらにせよ、かなり頼りなげなイメージ

婦人服・ポロシャツ「音楽海岸」

音楽海岸。なんだろうと思わせつつ、着になるその線の細さ。線が細くても英語で「Music seashore 」って縫い付けておけばそれほど気にならなかっただろうに………

 

「殿」タグへのアンサー服があった

以上が今回見つけた日本語のタグだ。やはりこの量だとまだちょっと満たされない感じはある。

が、最後にそのもどかしさを一気に解消するタグが見つかったのだ。

前ページでご紹介した、今回の企画のきっかけになったタグ、「殿」。なんと今回、偶然にもこのタグへのアンサーともいえるタグが見つかったのだった。

 

婦人服・カーディガン「王」

服やフォントに古さを感じないのが残念だけれど、何しろ「王」である。着てみたら王様のような仰々しさはなく普通に着れる服であった。思わずダブルピースだ


古物、サイコー

楽しい……!

古物のわくわくを服のタグという小さなところに感じられるのが最高だ。今後も古着店やバザーで積極的にウォチする所存であるし、合わせて実家でも目を光らせていきたい。

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母の「ラピカ」ブラウスに買ってきた「クイーンベジー」カーディガンを合わせてみました

 

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