シャトーブリアン・ボンバイエ
3000円あれば買える幸せ。財布に3000円くらい入ってますよね?外でお酒飲んだら3000円なんてあっという間でしょう。ってことは誰もがシャトーブリアンを食える。食べていいんですよ?
この肉を買えばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば肉はなし 迷わず買えよ 食えばわかるさ
食えよー!!シャトーブリアン!ダー!
今回のあらすじダー
牛肉には、シャトーブリアンという部位がある。ただでさえ高価な牛ヒレ肉(大腰筋)の特に良い部分で、牛1頭から600g程度しか取れないのだという。つまり、牛肉の中の牛肉。
その味は筆者から思考力をうばい、錯乱し、表現力が暴走した。
そして、シャトーブリアン脳になった筆者はセカイがシャトーブリアンに見えてきて迷走の終わりなき旅に出ました。
シャトーブリアンはスーパーでも売ってます。家の近所にOKストアというナイスなスーパーがあるんですが、そこで土日だけ売られています。
お値段は100gあたり950円です。さすがお高い。でも、100g200円くらいの肉よりも30倍くらいおいしいのでお得です。あと、ゴールドは1gで5000円なので、それよりは圧倒的に安い。
ついでに言えば、シャトーブリアンとしてはおそらく破格に安い。
どうですか、見てください。これがシャトーブリアンです。持った感触は、餅です。フワフワの肉餅が均一に詰まっている感じがします。ビーズクッションを初めて触ったときの驚きに近いものがあります。
シャトーブリアンを焼くとシャトーブリアンステーキ。シャトーブリアンって、ボルドーとかブルゴーニュとか松阪牛とかみたいなブランドや地名の事かと思ってたら、部位、あるいは料理の名前のことでした。
シャトーブリアンというのは人の名前で、1800年頃フランスにいた政治家兼作家だそうです。あまりにこの部位が好きでしょっちゅう食べていたので名前が付けられたそうな。僕がウニを食べ続けていたらウニ軍艦巻きが松本圭司になったみたいな話です。素敵やん。
それにしても、シャトーブリアンを焼いてる絵面の強さよ。
焼いてる間もずっと凄い。
厚みがあるので、結構焼いても中は相当に生です。
「焼きすぎたかな?」と思っても結構大丈夫です。牛肉を美味しく食べたければ厚切りを買いましょう。
ほんの欠片で、30gも無い感じですが皿に載せてみました。
絶対うまいという確信があります。ビデオに撮った「ショーシャンクの空に」を見てからの確信より確信に近いな。
食べたら頭の中でアントニオ猪木さんがボンバイエった。
痺れる。脳に感じるこの痺れは、絶対脳内麻薬がドッパンドッパン分泌されてます。ボンバイエ!ボンバイエ!祭りじゃ祭りじゃ肉祭りじゃ。
安い肉を美味しく食べるテクニックとか、そういうのがいかに無駄な努力だったのか分かります。この差はライフハックでは埋まりません。
ライフハックなんか捨ててカネで解決しましょう。
ほんのちょっとでも満足感が凄いのだけど、塊にすると、もう、地形です。大地のパワー!!
肉の崖に肉汁の滝が流れています。ああ、スモールライトで小さくなってこの崖をよじ登りたい(肉を食べながら)。
どう食べてもうまいので赤ワインソースとかかけてみたりする。
お菓子です。求肥でありケーキです。肉のスポンジケーキです。一分の隙もなく、すべてがフワフワ。ケーキがなければシャトーブリアンを食べればいいじゃない。
肉の口どけを感じたことはありますか。なんですか、これは。これがシャトーブリアンです。
基本赤身肉なので脂っぽさも無いしスジもありません。旨味の塊です。奇跡ですか?
たまにでいいんです。3ヶ月、いや、半年に1回くらいでいいので、シャトーブリアンを食べさせてください。それで生きる希望が湧いてきます。神よ、私はシャトーブリアン教に入信します。
それだけのパワーがある、パワーステーキです。確実なご利益があります。
赤ワインソースよりうまいソースを編み出しました。肉を焼いたフライパンに生トマトとバルサミコ酢を適当に入れて煮詰めると神ソースが出来ます。尊い。
煮詰めて裏ごしして肉に掛けると、こうです。
ミートピアから天使が降りてきた。雲間から光が漏れるなか、ゆっくりと肉の天使がラッパを吹きながら降りてきます。
こりゃ胸の鐘の音も鳴りますわ。ほいでサボテンも赤い花を付けますわ。 そして僕ら何度も乾杯しますわ。
で。
希少部位=シャトーブリアンとするならば、ヤゲン軟骨は鶏のシャトーブリアンです。一羽から1つしか取れないのだから。
30年くらい前に父が『これは一羽から1個しか取れない貴重な軟骨だ』と言ってありがたがって食べていました(そして僕にはくれませんでした)。あのときの気持が蘇ります。
ぼんじりとも迷いましたが、僕はヤゲン軟骨が好きです。 ヤゲン軟骨にはシャトーブリアンが宿っています。
ピーマンにもシャトーブリアンがあります。
焼いたピーマンに醤油とごま油を掛けたものが好物で、特に、わずかしかない芯の部分が甘くておいしい。つまり、ピーマンにもシャトーブリアンが潜んでいた。
ポテチにもシャトーブリアンがあります。
たまにある、小さくて味が濃いやつ。あれがコンソメパンチのシャトーブリアンです。
ポッキーの先っちょのチョコとか。
ケーキフィルムについたクリームもシャトーブリアン。
もう、これは心躍るものはすべてシャトーブリアンと見なしてもいいのかもしれない。
猫の目に光が宿る食べ物、ちゃおチュールは、『ちゃお・シャトーブリアン・チュール』と呼んでもいい存在。
なお、ネコのシャトーブリアン期(いちばん良い時期)は子猫時代です。
ネコと和解してますか?
3000円あれば買える幸せ。財布に3000円くらい入ってますよね?外でお酒飲んだら3000円なんてあっという間でしょう。ってことは誰もがシャトーブリアンを食える。食べていいんですよ?
この肉を買えばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば肉はなし 迷わず買えよ 食えばわかるさ
食えよー!!シャトーブリアン!ダー!
▽デイリーポータルZトップへ | ||
▲デイリーポータルZトップへ | バックナンバーいちらんへ |