特集 2022年5月29日

悪者ピクニック

まんがやアニメに出てくる悪の組織に憧れる。

常にチャレンジし、その成功を夢見て高笑いをしている。
失敗しても「憶えてろ!」で済ませて引きずらない。
なにしろ自分たちで悪を名乗り、正義を押し付けないところがバランスが取れている。

ああいう理想の組織はふだんからいいコミュニケーションがとれているのだろう。
休みの日はピクニックに行ったりするんじゃないかな。
 

1971年東京生まれ。デイリーポータルZウェブマスター。主にインターネットと世田谷区で活動。
編著書は「死ぬかと思った」(アスペクト)など。イカの沖漬けが世界一うまい食べものだと思ってる。(動画インタビュー)

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悪の組織の描かれない部分を想像する

デイリーポータルZも悪の組織のようにポジティブでクリエイティブ、自分を俯瞰できる組織でありたい。

そこで物語では描かれない悪の組織の日常をやってみるのが今回だ。悪の組織としてピクニックに出かけた。

003.jpg
「兄弟、次回は人食いナマズを育ててみようと思うんだ」
「それさあ自分が食われるやつじゃないの?www」
「フルーツサンド食べる?」
「アリガトウゴザイマス…」

たぶんこんな感じでいろんな悪者がアイディアを話したり、励まし合ったりしているのだろう。悪の組織の一員となった気分でサンドイッチを食べているだけでわくわくしてくる。

才気あふれる仲間との気の置けない会話。

なにかいっぱつおれも世の中をびっくりさせてやろう、そんな気持ちになる。

ただ、デイリーポータルZの企画会議もだいたいこんな感じだった。 

「悪の組織だからみんなで高笑いしようよ」
「でも飛沫が飛ぶから距離とったほうがいいんじゃないですか」
「あー確かに…」

悪の組織とはいえ、感染症は怖い。健康な身体あってこその悪だくみである。 

そこで十分なディスタンスを保って高笑いをした。前後にもずれている念の入れようだ。
「ワハハハハ」「アッハッハッハ」「フハハハハ」

おかげでカメラが遠くなって高笑いしているのかどうかがよく分からなくなってしまった。 

高笑いのシーンが終わるとすぐにマスクをする悪者たち

オーケー、それでこそ悪の組織だ。 

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ところでどんな悪者なのか

悪の組織のメンバーをなんの説明もなく登場させてしまったが、それぞれ設定がある。
一切紹介しないまま記事が終わるのも気持ち悪くていいのだが(なにしろおれたちは悪だ)、それなりに準備をしてきたので説明してやろう(悪者っぽい語尾)。

ショッカーの戦闘員(編集部 安藤)

身体能力が高いので容易に飛ぶ。この戦闘服はこの日のために買ったものだそうだが「すごく良くできているのでまた使いたい」とのこと。
悪の仲間からは「絶対に使った方がいい」と勧められていた。 

「ちょっとコンビニ行くときとかにちょうどいいんじゃないですか」
「やっぱそうすか!」

戦闘員に悪を吹き込んでいるのはジゴロである。 

ジゴロ(CV:つりばんど岡村)

CVはなんとなく書いてみただけだ。葉巻をくわえてジゴロ感があるが、ガウンのまま公園にやってきたのは修羅場のあとで追い出されたからかもしれない。
それでも悪の組織は高笑いで解決だ。やっぱりこの組織最高だな。 

ブラックデビル的なやつ(べつやくれい)

ブラックデビルとは30年以上前「オレたちひょうきん族」という番組に登場した悪者キャラクターである。明石家さんまが演じていた。

ブラックデビル要素は耳だけだし手作りである。中には綿が入っている。

「手に持っているドクロはこれまでの実績。フハハハハ」

という設定だが(ドクロ要素はべつやくさん独自の設定)、よく見るとドクロがかわいい。 

まつげ付いてる

続いての悪者は頭脳担当だ。 

マッドサイエンティスト(高瀬雄一郎)

怪しい液体を混ぜるマッドサイエンティストである。液体の鮮やかな色がマッドでリアルだなと思ったがファンタだった。試験管に入れるだけでこんな雰囲気になるとはたいした悪知恵である。 

この液体を飲むと透明になります
透明になった設定の写真に手を貸すブラックデビル(手だけ)
マッドサイエンティスト・白アフロバージョン

アフロじゃないほうが本物っぽい気もする…と現場で悩んで2パターンの写真を撮ったが、よく考えたら本物を見たことがなかった。

ここから悪がやや難解になっていく。 

新種の寄生虫(米田梅子)

この悪者の設定はこうだ。
・幼稚園児に擬態している寄生虫
・うっかり近寄ると触手がちぎれて口や鼻に入る
・ひょっとこだったり、触手が出ちゃってるのは擬態しきれてない愛らしさ

ほかの悪者からも「マジ怖ええ」「得体が知れない」「何言ってるのか分からない」など評判が悪かった(良かった)。

設定を理解しようとする悪者と理解を諦めた悪者

人間以外の悪が登場してきていよいよ悪の組織としての幅が広がってきた。多様性が大事なのは悪の組織とて同じである。

撮影後、「今日はおつかれさまでした。写真を送ります」と丁寧なメッセージとともに自撮り写真が送られてきたのがナチュラルに怖かった

次も人間以外の悪キャラ。 

悪いサイボーグ(トルー)

ロボット三原則を全無視するサイボーグである。かつて印刷会社に勤めていた人間であることも、「おもしろ半島」というお笑いコンビを組んでいたことも忘れ、悪のサイボーグとなった。

だがカットスイカに満足そうな悪いサイボーグ (左・右は寄生虫)

スイカを食べているだけで「徐々に人間の心に触れて過去を思い出そうとしている」という物語が見えてくる(そしてそれを受け入れられず爆発する展開も)。

ただ、悪いサイボーグはカラコンを入れるのに戸惑って遅刻したため「すいません~」と走って登場した。

時速120kmで走ってくるような写真になった

 最後に私、林の悪者は結婚詐欺師である。

自称・国際線のパイロット・偽物なので足元が便所サンダル

ディカプリオがパイロットになりすます映画(キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン)を見て、パイロットの制服なんて着たらダイソーとかでもツケで買えちゃうんじゃない?と思ったが、この格好で店に入る勇気はなかった。
ディカプリオはすごい。

キャプテンの綴りもバッチリ違うぜ
以上が悪の組織のメンバー紹介だ。悪者ならいつでも誰でも歓迎だ。でも本物はだめだぜ。
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いいピクニックだった

悪の組織だと思うと、なにげない仕草も良く見える。元不良の先生がちやほやされる理論である。

手を拭くためのウェットティッシュを出す悪者。キュンとする!
売店で飲み物買ってきた悪者(リアル上司と部下なのでこの2週間後に考課面談をした)
カットすいかで故郷を思い出すジゴロ
悪者なので基本、自由行動だし干渉しない

いいことをすると良さが映えるし、無関心で勝手な行動をしてても「悪者だからな!」の一言で済む。なんのしがらみもない。気軽でいいピクニックだった。

こんなピクニックをしていれば、悪の組織がポジティブでクリエイティブさを維持できるのも納得である。 


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「こっちを見てる子どもがいるな、ワハハハ」
「『僕は30年後から来た未来の君だよ』って言って近づいてみようか、フハハハ」
「即ブザー鳴らされるだろうな、グハハハ」
「じゃあやめておいてやるか!ウハハハ」

正しさの束縛から離れ、不遜な笑いを入れて話をするだけで堂々とした気持ちになる。おれたちは自由だ。

公園でサンドイッチを食べる時間がより一層豊かな時間になった。チームビルディングに勧めたい。

コミコンに集まったナードの仲間がうっかり活躍するコメディ(日本未公開)のようになった
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