今回の設定はこちらになりまーす
実験は以下の通りに設定した。
1.洗剤の量 3パターン
・洗剤標準(30g)
・洗剤半分(15g)
・水だけ。洗剤なし。
2.汚れの種類 6種類
・醤油
・ラー油(こないだ作ったやつ)
・ごま油
・マヨネーズ
・ケチャップ
・アクリル絵の具
・綿のふきんに汚れを付け、12時間放置した。
3.補足
・水の量は46リットル(中)。
・モードは全て普通。洗濯機の動きは同じ。
・実際の洗濯に似せるため普通の洗濯物も一緒に洗う。
・洗濯機は12年物の普通の全自動洗濯機。超音波とかイオンとかは出ない。
以上の条件で洗って汚れの落ち方を比較してみようと思う。
なんか悪い事をしているような気分になる。
すっかり汚れがついた。良い匂いがする。
汚れ、初期状態
汚れを付けて12時間後。染みになった。さぁ、どの程度落ちるのだろうか。
洗剤無しはちょっと心配
上で実験の条件は決めたが、流石に洗剤なしでは油汚れの落ちが悪い気がする。心配だ。そこで、洗剤無しの場合は小細工をしたバージョンもやる事にした。つまり全部で4パターンになる。
1.洗剤の量 4パターン
・洗剤標準(30g)
・洗剤半分(15g)
・水だけ。洗剤なし。
・洗剤なし(小細工バージョン) New!!
ネットを色々検索したら洗剤なしの洗濯について色々な情報が見つかった。なんでも、重曹とかクエン酸が洗剤の代わりになるのらしい。なるほど、アルカリとか酸で汚れを分解しようという事か。
ちょうど飲み物用に買ったクエン酸が余っている。よし、クエン酸を入れて洗濯してみよう。
クエン酸。たまに水とか酒に混ぜて飲んでいる。美味い。
更にネットで調べていると、洗剤無しでも汚れが落ちるという、ランドリークリーンリング(略称LCR)という商品が見つかった。
量子力学的な効果で波動エネルギーを起こし、水道水を組織水という状態にして汚れを落とすのだという。波動エネルギーって宇宙戦艦ヤマトと関係あるのだろうか。ひょっとして、コスモクリーナーの仲間だろうか。
突っ込みどころがありすぎて困った。アメリカでは詐欺商品として訴訟を起こされたという話もあった。しかもこれが1万円ちかくするのだ。これはちょっと試せない。高いしあまりに眉唾だ。
ただ、洗濯機のなかに何か入れて洗うというアイディアは良いかもしれない。水流に乗って洗濯物にぶつかり、その衝撃で汚れが落ちるというのはありそうな話だ。
そこで、クエン酸と共に120mlのペットボトル3つに水を入れて洗濯機に放り込む事にした。洗剤無しでどこまで汚れが落ちるか。挑戦だ。
ゴミ箱から拾ってきた。洗ったよ。水を入れて洗濯機の中で上手く動くように沈める。
早速洗っていこう
計量スプーン1杯分の洗剤をサラサラと入れる。45分後に洗濯が終わって、洗濯物の奥からふきんを取り出す。
次は半分の15g。次は洗剤なし。次々に洗濯機を廻した。運動部のマネージャーってこんな事を毎日やってたのだろうか。憧れの先輩とかいなければバカらしくて続けられないんじゃないだろうか。
「先輩!このタオル、使って下さい!!洗っておきました!」
「お、マネージャー。サンキュ。良い匂いだな、なにこれ。」
「先輩のだけ、ちょっと違う洗剤を使ってるんです!」
「そっか、いつもありがとな。今度の試合、お前のために頑張るから。」
「え、そんなー。また冗談ばっかり。やだなー、もう。」
「オレは本気だよ。絶対にお前を甲子園に連れて行くから。そして、優勝してみせるからな。見ていてくれよ。」
「松本先輩!わたし、一生懸命応援します!!これからも、頑張ってタオルを洗います!ユニフォームもどんどん汚してきて下さい!そして、いつか、わたしも先輩の色に・・・・!」
なんて、甲子園とは無縁だけど妄想は進む。病気か、僕は。
現実に帰ろう。ただいま。
箱には、洗剤の標準使用量が書かれています。
ザーッっと洗剤をいれてスイッチオン。
結果を比べるよ!
3時間半掛かって洗濯が4回終わった。4種類の洗濯方法で、6種類の汚れの落ちを比べていきましょう。なんていうか、判定方法が僕の主観という点についてはご容赦いただきたい。
評価方法はともかく、洗い上がったふきんは驚くべき状態になっていた。
全面的に、かなり奇麗だ
うわー!奇麗なんですけど奇麗なんですけど!!
驚いた事に、4パターン全てでおおよそ汚れが落ちてしまった。凄い。ラー油と絵の具の汚れが目立つが、他の4種類はかなり薄い。
これだけでも十分驚いたが、詳しく汚れを見て、各洗濯方法に洗濯得点を付けてみようと思う。差は出るだろうか。
ほとんど汚れは残っていない。
写真だと判らない。肉眼でうっすら見える程度。
肉眼でしか見えない程度の汚れが残った。ごま油の汚れも全てのパターンで奇麗になっていた。うっすら残っているが、洗剤を標準量使った場合と大差がない。そういう訳で得点にも差が出なかった。
次はラー油を比べよう。楽しくなってきた。
全てのパターンで同じくらい残っている。
全体的に、洗う前とあまり変わっていない。3番の水だけの場合はやや色が強く残っている。流石に油汚れは水だけで落とすのは難しそうだ。ラー油なので色も強く残って目立ったようだ。4番は洗剤無しにしては頑張ったと思う。
だけどよく考えたら、こんなに大胆にラー油で汚れる事はない。落ちなくても仕方ないんじゃないかと思う。さぁ、ケチャップとマヨネーズはどうなった?
全然見えない。凄い落ちちゃった。
ケチャップの汚れ残りも差はない。全てのパターンで、写真には写らない程度にうっすら残っている。相当注意しないと見えない程度だ。よって点数も差がつかない。凄いぞ、水。
肉眼で見るとほんのわずかに黄色い。各、左下の赤いのはラー油汚れです。
本当に微妙な差で、3番と4番の洗剤なしの場合にうっすら残っている。やはり本格的な油汚れは水だけで落とすのは難しいかも知れない。が、洗剤を普通に使った場合でもうっすら残っていた。点数的には2点しか差がつかない。
それでは、最後アクリル絵の具の結果を比べよう。
クエン酸+ペットボトルが圧倒的に強い。どういう訳だろう。
なぜかクエン酸+ペットボトルの場合が一番落ちた。70点を付けたが、もっと高い点数でも良いかもしれない。アクリル絵の具は乾くと耐水性になるので、普通に洗っても落ちないはず。それがここまで落ちるというのは驚きだ。クエン酸+ペットボトル、凄い。
ただ、これだと色柄ものの場合は服の色が落ちてしまうような気もする。クエン酸を使う場合は気をつけた方が良いと思う。
以上、6種類の洗濯得点をグラフにして比べてみた。こんな結果で良いんだろうか。
なんと、クエン酸+ペットボトルが1位
なんと、クエン酸+ペットボトルの場合がトップになってしまった。勝因はアクリル絵の具だ。そこで大きく差がついた。ただ、アクリル絵の具の点数を差し引いても大きな差は出ない。
洗剤標準
466(合計) - 30(アクリル絵の具) = 436点
クエン酸+ペットボトル
501(合計) - 70(アクリル絵の具) =431点
洗剤標準と洗剤半分にも大きな差は出なかった。わずか5点差だ。という事は、洗剤は半分でも十分汚れが落ちるという事ではないだろうか。
なんだよ、半分でよかったのか!!
水だけの場合は油汚れがやや残ったが、今回の様な大胆な油汚れなんてそうそう無い。あったとしても洗濯前に部分洗いしたりするから、実際にはもっと差は縮まるだろう。
洗剤半分っていうか、水だけでもいいんじゃん!!
エコとかロハスとか最初に言い出した奴ぁ誰かのう
今回試した汚れなら水だけでも大体落ちるし、洗剤は標準使用量までは必要ない(みたいだ)。汚れのレベルにあわせて洗剤の量を加減したり、洗濯方法を工夫したりしてみるのもいいと思った。
僕は週に1回か2回洗濯をしている。平均すると5日に1回程度だ。5日に1回30gの洗剤を使うとして、1年で2.2kgの洗剤を使う事になる。洗剤二箱分って事か。これが半分になると、年に一箱で済んでしまう。
単純に日本国民全員が洗剤の使用量を1kg減らしたら、1年間で13万トン減らせる事になる。東京ドーム何杯分かは判らないが凄い量だ。
僕の実家の方(鴨川市)では下水が無いので汚水が直接川に流されている。川が泡立ち、それが海に流れ込んでいる。
もし多くの人が使う洗剤を減らしたら環境にも優しいかもしれない。下水処理のコストも下がるか
天気が良いからよく乾いたよ。
もし多くの人が使う洗剤を減らしたら環境にも優しいかもしれない。下水処理のコストも下がるかも知れないし、下水の無い場所では河が奇麗になるかも知れない。
エコとかロハスとか声高に言うつもりは全然無いが、使わなくてもいい製品を無駄に消費するってのはあんまり良い事だとは思えない。必要ないものを、習慣だからと無理に使う事も無いだろう。
とりあえず僕は、使う洗剤の量を減らしていこうと思う。全く使わないと生乾きの匂いが心配だし、洗剤の匂いが好きなのだ。
洗剤半分、1/3、洗剤無しでペットボトルを入れるなど、これからは色々試しながら洗濯を楽しんでいこうと思う。
3番まで洗った状態。ラー油の汚れはほとんど変わってないね。
わかったこと
・ ラー油の汚れはとても落ちにくい。っていうか落ちない。
・洗剤の量にかかわらず、ラー油以外の汚れは大体落ちる。
・洗剤の量にかかわらず、汚れの落ち方に差はほとんど無い。
・アクリル絵の具はクエン酸で落ちる。
・ただ、色柄ものの色も落としちゃうかも。
水だけで大体の汚れは落ちてしまった。つまり、洗剤を使わなくても日常の汚れ物は奇麗になってしまう感じだ。僕が聞いた話は本当だった。
ラー油の汚れは落ちなかったが、これは洗剤を通常の量使っても落ちなかったから仕方ない。お湯で部分洗いをしておくとか、そういう、素敵な奥様的努力が必要だろう。
本当に落ちないならクリーニング屋さんに頼むという手段もある。なにせ洗濯のプロだ。
クエン酸とかペットボトルで一工夫してみるのもちょっとは意味があるかも知れない。ペットボトルは会社のゴミ箱から拾ってきたので原価はタダだ。やっても損するわけじゃないから試してみるのも良いと思う。
※洗剤無しで洗濯を続けると、白いシャツに黄ばみが出たり、部屋干しの時に生乾き臭が強くなったりする場合もあるようです。部屋干しする時は普通に洗剤や漂白剤を使うなど、加減して洗剤を使うと良いと思います。
また、素材による汚れの落ちやすさもあるはずです。素材によっては水だけだと汚れが落ちないかも知れません。
洗濯機にペットボトルを入れると、ガコンガコン音がして心配になります。洗濯機が壊れるかも!と、心配な場合は真似しない方が良いと思います。