「レンズが反射して表情がわからない眼鏡キャラぁ?なんだそれ、全然言っている意味がわからん、おれは寝るぞ!」と思った方、ちょっと待ってください、まだ寝ないでください。
言葉だけではうまく説明できないのでイラストで説明するとこんなだ。
これをマスターすれば一気に知的な雰囲気を出せるはず
どうだろう、一度は見たことあるんじゃないだろうか。
レンズの反射により①瞳が見えず、②眼鏡が光る。漫画などでよく見かける表現だけど、今まであんなに光を反射させたことがない。
長年眼鏡をかけている人間として、あれを一度やっておきたいのだ。
まずは"瞳の見えない眼鏡"を作ろう
ではさっそく"レンズが反射して表情がわからないように見える眼鏡"を作っていこう。
用意するもの
・眼鏡(フチのあるものが望ましい)
・白い紙
・光るもの
反射眼鏡(いま命名した)の作り方
第1段階として、まず"瞳の見えない眼鏡"を作る。
もっともらしく書いたけど、上の図のとおり紙を切って貼るだけである。フチのある眼鏡にすることで適当に裏から貼るだけでも紙がはみ出ず、かつセロテープで貼りやすい。
小学生のほうが遥かにレベルの高い夏休みの工作を提出すると思う。おれにはこれ以上むずかしいことはできない。
そして眼鏡を光らたい
ここからが第2段階であり肝の部分だ。この眼鏡を更に光らせる。
満を持して向かったのはダイソー錦糸町店。敷地面積が日本一らしく、下の写真の通り異様に大きなモンスター店舗だ。
遠くが霞んで見える!
初めて来たのだけど、もう「ここに答えがなければ諦めるしかない…」とすべてを委ねる気持ちになる。
ダイソー錦糸町店楽しかったのでまた今度ゆっくり行きたい
その豊富な商品群のなかで「これだ!」と電流が走ったのがこのインテリアライト。
見た感じすごい眼鏡にフィットする予感がする。しかもふたつで100円!なんだこれ、眼鏡を光らせるためにあるんじゃないのか。さすがは日本一のダイソーである。
うそ、七色に光って綺麗…
家に帰って意気揚々とスイッチを入れたらレインボーに点灯し始めた。赤、黄、緑、青、紫…嫌な予感がする。
あと、眼鏡を光らせるためにあるんじゃなくて、飲み物に入れて色が変わるのを楽しむためのものらしいです。南無三。
とりあえず眼鏡に装着してみた
サイボーグ?
あ、 失敗だ。わかりきっていたことだけどおれの目が七色に輝きはじめた。隠れた相手の位置も右目のレーダーで特定し殺戮するサイボーグになってしまった。
ひとりふたり殺めている
ふたつのライトが自由気ままに色を変え、両目の色がなかなか揃わない。このままでは子どもたちにちょっとしたトラウマを与えかねない。これは…これはまずい。
いいや、次の手だ!
いったん落ち着こう。そんなこともあろうかと、違うライトも購入しておいたのだ。これはカバンにかけるタイプ、レインボーに光るなんて表記はなく、これなら確実だ。
だめだ
緑に光るなんて書いてなかった。そうかー。緑に光るかー。日本一のダイソーでも眼鏡を光らせる商品はなかった。おれにはもうなす術がない。
というかもう光を使わない紙だけの状態が一番マシな気がする。幸せの青い鳥も案外すぐそばにいるのだと聞いたことがある。とりあえず、とりあえず街に出て撮ってみよう。
反射眼鏡はいろんな表情を見せる
そう言ったわけで街のそこかしこで眼鏡をかけてきた。目以外の表情を作ることで意外といろんなキャラになることができた。
パターン1:クール、知的
「…で、その話、オレにメリットは?」
まずは王道のクールなキャラだ。無表情な口元を作ることで冷淡な印象を与えることができる。
「やれやれ、面倒なことになりそうだ…」
この手のキャラに関しては一瞬のレンズの反射どうこうというより常に眼鏡が白くて表情がわからないことが多い。どんな眼鏡をかけているんだ、前は見えているのか。おれは何も見えない。
フェンスが異様に合う
雑多な背景と合わせることで少し影のある過去があることを匂わせることもできる。地味に人気のあるキャラだ。
「なに、簡単な推理さ」
眼鏡キャラは頭がいいので推理をする。今回、キラーンとひらめいている様子の撮影に初めて成功した。
この眼鏡を作るためにはハサミが必要だ!
上のように眼鏡の紙の部分を斜めにカットしたのだ。
実際のところ、紙を切って眼鏡に貼っているような人間の頭が良いわけはないのだけど、この写真の世界の中では頭がいいキャラなのだ、好意的に見て欲しい。
パターン2:目の奥で泣いている
クールなキャラだけではない。瞬間的に眼鏡を反射させて上を向いたりすることで、「あ、涙は見えないけど泣いてるのかな?」と相手に勘繰らせることができる。
クールなキャラから一転、途端に血の通った温かみのあるキャラに成り代わるのだ。
「そうか、あれからもう3年か…」
「はは、あいつにも見せてやりたかったな…」
多分、"あいつ"が3年前に死んだんだと思う。前のコマで普通の眼鏡をかけておくことで効果は倍増する。
普通の眼鏡、レンズの白い眼鏡をセットで用意しておくと撮影がスムーズだぞ。
ベンチに座り下を向くことで過去を悔いているキャラになれる
今回自撮りで済まそうと思っていたのだけど「全く前が見えない」というハンデが大き過ぎて思わず撮影のヘルプをお願いした。
周りの様子がわからないので撮影される側は恥ずかしくなくて良かった。
パターン3:狂気
クールキャラと紙一重でありながら明確に違う世界観を持っているのが、目の奥に狂気を宿したキャラである。
多分このあと日本中を震わせる凶悪な事件を起こす
写真の彩度を落としたらそれらしくなった。
手の表情に"常人ではない"感じを持たせたり、笑顔を歪ませたりすると一気にこの人格が花を咲かせる。
「キヒヒ、お前の名前は知ってるゼ?」
鳥居の雰囲気も相まって、完全に中学生の考える悪役だ。おれの中の14歳が全部しゃしゃり出てきた写真である。
いろんなパターンの中でも狂人が一番なりやすかった。反抗期すらなかったのに狂人が似合ってしまう。
パターン4:威厳
みなまで言うなという具合だけど ほとんど特定のキャラクターのコスプレである
鉄板なのが圧倒的な威圧感を与える司令官キャラだ。眉間にしわを寄せ、気持ち顎をひくことで威厳度がアップする。
小道具に白手袋を用意したら一気にそれっぽくなった。実際にはダイソーのナイトケア用の手袋であり、眼鏡も同じくダイソーの老眼鏡である。手肌が繊細な初老の司令官だ。
ちなみに先ほどの司令官の写真どこで撮ろうかなーと思ったらカラオケの壁がしっくりきた。このロケーション選びは今回の記事のベストバウトだったと思う。 司令官になるならカラオケ館。覚えておきたい。
意外とそれっぽくなれた
眼鏡に白い紙を貼るだけでどこまで戦えるものかと思ってたけど意外に奮闘することができた。
おれはついに"レンズが反射して表情がわからない眼鏡キャラ"になった。2018年もいい年になりそうだ。
今後の眼鏡に向けて
もしも自分に工作力があったら、"ここぞのタイミングでキラーンと光る眼鏡"を作ってみたかった。またの機会に挑みたい。