自転車に乗って気持ちよく歌ってみる。「(この人は歌っているし)バカだなと思ったら旗を上げてください」と手前の審判(編集部橋田さん)にお願いしてある
はい、歌が聞かれてバカだと思われた。この距離か。遠いな。
声量を決める
まずどの距離で歌ってるとバレるのか把握しよう。
歌ってて気持ちいい声量とはどのくらいだろうか。審判役に「歌ってるとわかったら旗を上げてください」とお願いして気持ちよく声を出して距離を探ってみた。歌だとわかった距離は約15mだった。
もちろん人の半径15m内で歌わなければ歌は聞こえないわけだが歌を止めるのも気持ち悪い。
そこで声を小さくしてみよう。5mでなら歌だとわかるように声量を調整した。体感としては静かな部屋で「こういう歌があったよ」と人に歌って聞かせるくらいのボリュームである。
声量をおさえる。5mくらいの距離で歌と認識できるくらいの声量にする
声をひそめて自転車で通ってみる
直立して5mの距離で歌ってた声量で自転車で移動してみた。直立5mは自転車でも同じ結果だろうか? それとも自転車の音やスピードにまぎれて気づかれないだろうか?
抑えめに歌ってもやはり5mくらいに近づくとバレた。バカだとバレた
これがバカの壁か。どうやって乗り越えればいいものか
今はこういう状態。ここをどうやって乗り越えるか
速度を変える
バカが通り過ぎる時間をものすごく短くすれば気づかれないのではないだろうか。風くらい速く走り抜けよう。風だと思うかもしれない。
予想
スピードを速めて強行突破してはどうか
はい、歌がバレた。風でなくバカだと思われた
わかったこと
スピードをたかめてもバカはバカだと思われるようだ
鼻歌はどうか
ちなみに歌ではなく鼻歌ではどうなんだろうか。口をとじて鼻でフフフと歌う。
予想
鼻歌だと通り抜けられる。しかしこの陽気。鼻歌じゃがまんできないんだ
人に遠慮する
自転車で全力で歌えるまでの前の段階として、人が近づいたら声をひそめるというものがある。完全に陽気が羞耻心に負けた形であるが、それでも歌いたいものは歌いたい。
声をひそめるパターンでくぐり抜けられるか?
近づくと声をひそめるパターンをやってみよう
ぎりぎり通り抜けられた。しかしこの疑われようは。かっこわるさがすごい
わかったこと
人がちかづくと声をひそめるのも有効。しかし負けた感じがしてきもちよくない
聞いてる人の状態を見極める
今度は聞いてる人の状態を変えてみよう。おしゃべりしてる人だとどうなんだろうか
予想
一方、聞いてる方がおしゃべりをしてる場合だとどうなるだろう
ふだんより近いところで気づかれた。おしゃべりしてる人は歌にきづきにくい
携帯をいじってる人だとどうだろうか
予想
気づいた距離はここ。おしゃべりよりも遠い地点だ。スマホの人にはばれやすいことがわかった。
わかったこと
スマホをしてる人は意外と歌を聞いている
人を迂回してはどうか
人を避けて避けて気持ちよく歌っていくのはどうだろう。半径5mの円のぎりぎり外側を行く作戦であるが…
こうなるのでは?
迂回してみる
アウト。人をさける方法は微妙のようだ
聞こえる範囲を限定するのは難しい
わかったこと
人を避けたと思っても意外と人は聞いている
道具を使ってみる
今度は歌う側を改良していこう。マスクなどで口をふさいで音を減らしていく
マスク以外にもいくつかやってみる
今度は自転車側の条件を変えよう。マスクで声量を落とそう
気づかれてない、まだバカだと気づかれてない…!!
バレた! はい、バカだとばれました。しかしその距離はちぢまった。審判の橋田さんによると「口元が見えないから歌ってるかどうか自信がなくなる」とのこと。視覚か
わかったこと
マスクは口が見えないので歌っててもバレにくい
猿ぐつわをしてみた。これなら歌だとバレないのではないか
ふがふが全力で歌っている
ここでバレた。猿ぐつわの人は歌っててもなかなかバレない。しかし歌ってて気持ちよさはかなり減る
口の開いてないお面だとどうだろう
いい感じだ、バレてないぞ
よし、バカだとバレてない! しかし鬼だ! これが痛し痒しか
わかったこと
お面も口元が見えないので有効。しかし怖い
マシュマロを口いっぱいに頬張った状態だとどうだろう
よし、歌はバレなかった。バカだと思われなかったが食いしん坊感は…
わかったこと
マシュマロを口いっぱいにほおばると、歌ってても音量がなくてバレない。きもちよさはない
ガムテープで監禁された感じを出してみた。セーフ。
「歌ってるなとは思わなかったけど怖かった」「自転車に乗って近づいてくるのが怖かった」ガムテープされてる人は被害者であるはずなのにさんざんな評価であった
わかったこと
口にガムテープを貼るとまずバレない。しかし怖がられる。
むしろ開き直って陽気な人になれば心理的ダメージがないのではないか
すぐアウトが出たが、まあいいか、おれ陽気だしなという気分にはなる
わかったこと
扮装すると歌っててもいい気にはなる。しかし社会的ななにかを失う
まとめます
これらの方法にくわえて一番大きいのは「周囲の雑音」であった。バイクが通るときが一番聞こえにくかったという。バイクが通った瞬間が人はバカになれるチャンスだ。
さてここで有効な方法をまとめよう。
・マスクをする→口元が見えないので「歌ってる」と思われにくい
・声を小さくする→静かな室内で人に話すくらいの声量
・通行量が多いところ→閑静な住宅街は禁止。バイクの通行が多い時間帯がチャンス
・おしゃべりしてる人はOK→気づかない
このあたりが方法として有効であり「マスクをして国道沿いの井戸端会議の前を控えめの声量で歌い上げる」このレベルまで達するとまずバカだと思われないだろう。
そして考えられる最強の方法は「ガムテープで猿ぐつわをしたうえで上からマスクをして不審感を消す」である。 これはもう「バカでない」を超えて「賢い」と言ってしまってもいいと思う。
ここまでくるとそうまでして歌いたいのかというご批判もあるだろう。残念ながらそれでも歌いたいのだ。それは夏が一度きりなように、春も一度きりなのだから。
泣いても笑っても一度きり。君も猿ぐつわの上からマスクをしてこの春を最高の春にしようぜ。