特集 2016年3月17日

卵と「あともう一品」だけでケーキを作る

卵と「あともう一品」でこんな感じのケーキができます
卵と「あともう一品」でこんな感じのケーキができます
卵とチョコレート、たった2つの材料だけで作るチョコレートケーキのレシピがある。
有名なレシピなのでネットで検索すればすぐ見つかるし、ご存じの方も多いと思う。

最初は半信半疑だったのだが、作ってみると確かにケーキになるので感心した。
手順もとても単純なのに、味も美味しいのだ。

小麦粉も砂糖もバターも用意せずにケーキが作れるってすごいことだ。
このケーキをチョコレート味以外でも楽しめないだろうか。
同じ作り方で、卵と「あともう一品」だけでケーキが作れないか試してみた。
千葉県在住。歳を重ねるごとに甘いものが好きになっていく。夏が好きなのに暑さに弱いのが悩み。

前の記事:いかいかクッキーを食べた、そして炙った

> 個人サイト yukatta-yokatta

まずは基本のチョコレートケーキを作る

最初に元レシピとなるチョコレートケーキを作ってみる。
材料はこの2種類のみ。
材料はこの2種類のみ。
チョコレートは湯煎で溶かす。卵は卵黄と卵白に分ける。
卵白を固く泡立てる。
卵白を固く泡立てる。
卵白を固く泡立てるという作業、自力でやろうとすると大変だが、ハンドミキサーを使えば5分もかからず完成する。

この後ずっと卵白を泡立て続けることになる今回の記事、ハンドミキサーなしには不可能だった。
湯煎で溶かしたチョコレートと卵黄を混ぜる。
湯煎で溶かしたチョコレートと卵黄を混ぜる。
卵白と合わせたら型に入れてオーブンで焼く。
卵白と合わせたら型に入れてオーブンで焼く。
あとは170度に余熱したオーブンで30分くらい焼くだけだ。

焼けるまでの間はこんなものを食べて待っていた。
手順を間違えるとこんな状況にもなりかねない。
手順を間違えるとこんな状況にもなりかねない。
チョコレートソースがけの玉子焼き。これはこれで優しい味でおいしかった。
そしてケーキもしっかりと焼きあがった。
焼きあがりはこんな感じで、卵白の力でもこもこに膨らむ。
焼きあがりはこんな感じで、卵白の力でもこもこに膨らむ。
時間が経つとトップがへこむがちゃんとケーキになった!
時間が経つとトップがへこむがちゃんとケーキになった!
こんな感じでしっかり膨らみ、見た目は普通のチョコレートケーキになる。
一晩冷蔵庫で冷やしてカットした。しっとりしつつもふわふわだ。
一晩冷蔵庫で冷やしてカットした。しっとりしつつもふわふわだ。
食べてみても、ちゃんとしたチョコレートケーキだ。
かなり軽い食感だが、甘さも十分。
チョコレートケーキというとずっしり重いものが多いので、それを想像すると裏切られた気持ちにはなるものの、薄力粉が入っていないという違和感はない。

現に、家族にただ「チョコレートケーキ焼いたよ」とだけ告げて食べてもらったが、何も気づかず普通に「おいしい!」という感想だった。
ちなみに私はチョコレートケーキなら、チョコレートたっぷりの甘いタイプが好きなので、これが出てきたらおそらくがっかりする。
せめて生クリームを添えたい。

このケーキは直径12センチの型で焼いたのだが、2人で1個を夕食後のデザートとして軽く食べきれた。
一人当たり卵1個板チョコ1枚を食べたことになる。
食べ終わった後に、こんなに原材料を認識しやすいケーキも珍しい。
ケーキとしての満足度 ★★★★☆
有名なレシピだけあるなという感心 ★★★★★
卵と板チョコだけでケーキになってしまうのはすごいと思う。

この作り方で作るケーキを、以下の4種類の材料でも試してみた。
ギリシャヨーグルト ☆☆☆☆☆(星ゼロ)
ギリシャヨーグルト ☆☆☆☆☆(星ゼロ)
バナナ ★★★☆☆
バナナ ★★★☆☆
ゆであずき ★★★☆☆
ゆであずき ★★★☆☆
さつまいもの甘露煮 ★★★★★(星5つ!)
さつまいもの甘露煮 ★★★★★(星5つ!)
最初に結論を言うと、さつまいもの甘露煮で作ったものがいちばんおいしかった。

写真をクリックするとそれぞれの頁から読めます。
もしくは「次へ」をクリックして、もっともダメだったヨーグルトケーキの顛末からご覧ください。
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チーズケーキを作りたい

今回、ぜひやってみようと思っていたことがある。
それは、この作り方でチーズケーキを作れないかということだ。

1頁目に、「チョコレートケーキならチョコレートたっぷりの甘いタイプが好き」と書いた。
そこに嘘はない。
甘いもの好きとして、カロリー気にしてやってられっかという気概もある。

とはいえ、チョコレートケーキもチーズケーキも、カロリー高すぎやしませんか。
一切れでおにぎり2個分のカロリーなんてものもざらにある。

そんな中、この作り方であれば、カロリーを抑えたチーズケーキが作れる可能性を秘めていると思うのだ。

卵とあともう一品でチーズケーキを作りたい。
そう思ったのだが、選んだ材料はこうなった。
ブルーベリーソース入りのギリシャヨーグルト。
ブルーベリーソース入りのギリシャヨーグルト。
甘いチーズが思いつかなかったのだ。
水切りヨーグルトはチーズケーキを作るときに使うこともあるので、通常のヨーグルトより固めのギリシャヨーグルトなら似たようなものになるのではないかと選んでみた。
ブルーベリーソースで甘みもつく。
チーズスフレっぽくなれば御の字だ。
ヨーグルトと卵黄を混ぜる。
ヨーグルトと卵黄を混ぜる。
卵白と合わせて型に入れる。
卵白と合わせて型に入れる。
チョコレートのときは混ぜたら卵白の泡がだいぶ減ってしまったのだが、今回は泡がつぶれることがなく、型ぎりぎりまで生地があふれそうになった。

オーブンに入れて30分待つ。
その間は、これでも食べていよう。
玉子焼き、ブルーベリーヨーグルト添え。
玉子焼き、ブルーベリーヨーグルト添え。
絶対合わないだろうなと思ったのだが、意外にこれもおいしかった。
玉子焼きの個性が消えて、ヨーグルトが前面に出る。
ヨーグルトを食べているのに、いつのまにかお腹が妙にいっぱいになっていたぞという感じ。

さて、ケーキが焼きあがった。
断じて失敗ではありません。
断じて失敗ではありません。
オーブンから出したてのときはひるんだが、型から外して冷蔵庫で一晩寝かせたらこうなった。
見た目はチーズスフレっぽくなったのではないだろうか。
見た目はチーズスフレっぽくなったのではないだろうか。
わくわくして食べてみた。
不味くなる要素はないはず!
不味くなる要素はないはず!
なんか微妙!
なんか微妙!
とても楽しみに食べたのだが、全然おいしくなかった。
まず食感が悪い。
非常にふわふわなので、口に入れるとシュッとなくなるのだが、後に残る舌触りはざらざらなのだ。

甘味も足りないし、しっとりを通り越してじゅわじゅわだ。
酸味が際立ち、ヨーグルトの上にたまる透明な露、ホエーを食べているような感じ。
少なくとも全くチーズケーキではない。

最初は、ちょっと微妙だなぁくらいに思ったのだが、食べ続けて行くにつれどんどんつらくなってきた。
「霞を食べる」という表現があるが、ふと霞ってこういう味かなと思った。
ケーキを独り占めできるのは嬉しいのだが、結局最後までこんな表情で食べ続けた。
ケーキを独り占めできるのは嬉しいのだが、結局最後までこんな表情で食べ続けた。
ギリシャヨーグルトをそのまま食べたほうがまだチーズケーキに近かった気がする。
独り占めしたい度 ☆☆☆☆☆
霞を食べてる感 ★★★★★
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バナナケーキを作る

いまさらだが、「卵とあともう一品」と言いつつ、今回選んだ素材の多くはすでに完成した商品というか、いろんな原材料が加えられてできていた。
ケーキにするのに適した完熟バナナ。
ケーキにするのに適した完熟バナナ。
文字通り材料1つであるところの、バナナで挑戦してみる。
バナナをつぶして卵黄と混ぜ、別に泡立てておいた卵白と混ぜた。
メレンゲがほとんどつぶれず、生地が型ぎりぎりになった。
メレンゲがほとんどつぶれず、生地が型ぎりぎりになった。
焼いている間にはこれを食べた。
玉子焼きバナナ添え。
玉子焼きバナナ添え。
これは玉子焼きが温かいうちに食べたら意外に合っておいしかった。
しかし冷めてくると、両者がバラバラな個性を持っていることに気づく。
恋人同士みたいだ。
型から外して冷蔵庫で一晩寝かせた。
型から外して冷蔵庫で一晩寝かせた。
ふわふわ感がすごい。
バナナの香りの空気を食べているのかという感じで、口に入れるとふわっしゅわっと消える。

砂糖は入っていないのに、バナナの甘味だけで十分に甘く濃厚でおいしい。
ただ、かなり水分を含んでいて水っぽい。
ケーキとしては物足りないが、ダイエット中のおやつとしてならいいかもしれない。
あと、卵とバナナだけなので原価がかなり安い。
コストパフォーマンスのよさ ★★★★★
健康の良さそう度 ★★★★★
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ゆであずきだと和菓子になる

和の方向からも試してみようということで、ゆであずき缶で作ってみる。
ヨーグルトとバナナのとき水分が多すぎた気がしたので、今度は少し水分量を抑えた素材を選んだつもりだが、どうだろうか。
ゆであずきは100グラムだけ使った。
ゆであずきは100グラムだけ使った。
ゆであずきと卵黄を混ぜ、別に泡立てた卵白と混ぜたら型に入れて焼く。
これも卵白の泡はほとんど消えなかった。
これも卵白の泡はほとんど消えなかった。
焼いている間は、玉子焼き小豆添えを食べた。
見た目の違和感はあまりない。
見た目の違和感はあまりない。
どら焼きを食べているような感覚で、とてもおいしかった。

本題のケーキが焼けたので、冷蔵庫で一晩寝かせて食べてみる。
あずきの粒がところどころ見えて、おいしそうだ!
あずきの粒がところどころ見えて、おいしそうだ!
これはおいしい!
もちろんふわふわで、甘味も当然十分に感じる。
一瞬、シフォンケーキみたいだ!と思ったのだが、食べ進めるにつれてケーキというより和菓子っぽいと思った。

おいしい。もちろんおいしいのだが、ゆであずき缶と卵で作ったのだなというのがとてもわかりやすく、調理による飛躍は起きていない気がする。
あと、なんかすごい地味だ。
ケーキとしての華やかさ ★☆☆☆☆
また食べてみたい度 ★★☆☆☆
チョコレートのときは、「わぁ!ケーキになったー!!」という感動があった。
もうちょっと何か、こんなものが作れるとは!!と感激できる素材はないだろうか。
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なぜかスイートポテトができた

素材そのままどころか、調理済みなので若干反則な気もするが、これも試した。
コンビニで売っている、さつまいもの甘露煮
コンビニで売っている、さつまいもの甘露煮
ほかのケーキから得た教訓として、水分が少なく、かつしっかり味が付いているものがいいのではと思ったのだがどうだろうか。
さつまいもは皮をとってつぶした。
さつまいもは皮をとってつぶした。
さつまいもは皮をとってつぶした。
さつまいもは皮をとってつぶした。
型に入れて焼く間は、もちろんこれだ。
お弁当のおかずセット。
お弁当のおかずセット。
このおかずセット、もちろん特に何も言うべきことはない。おいしい組み合わせだ。

焼きあがったケーキを冷蔵庫で一晩寝かせて、翌日試食した。
しっとりきめ細かい!
しっとりきめ細かい!
ほかのケーキ同様ふんわりしているのだが、これは重量感もある。
しっとりしているが、決してジュワジュワではない。
これは期待できる!
起きた直後のため寝癖がひどく失礼します。
起きた直後のため寝癖がひどく失礼します。
楽しみに起きた甲斐があった!おいしい!
楽しみに起きた甲斐があった!おいしい!
食べた瞬間思い浮かんだのはスイートポテトだ。
適度なしっとり感とほくほく感はスイートポテトと重なる。
油分が全くないところはちょっと物足りなさを感じるのだが、醤油が入った甘露煮のはずなのに和風っぽさはなく、スイートポテトをふわふわにした印象になった。
サツマイモの繊維質からか、なぜかおからっぽさもあり、しっかりお腹に溜まっていく感じがする。

これは大成功だ。満足感も大きいのに、おいしくてどんどん食べられる。
ふわふわスイートポテトになったという驚き
★★★★★
生クリームを添えたらさらにおいしいのでは
★★★★☆
ヨーグルトはお勧めできないが、それ以外の素材はどれもそれなりにはおいしかった。
特にサツマイモは「ふわふわスイートポテト」という新しいジャンルのお菓子になったので大満足だ。
ハンドミキサーさえあれば卵白を泡立てるのも簡単なので、また作りたい。

とは言ったものの、地味なケーキが続いたので、フルーツとクリームたっぷりのケーキが 恋しくなった。最後に最近食べた素敵なケーキの画像を載せる。
元も子もないが、やはりいろいろな材料を使ったケーキはおいしい。
元も子もないが、やはりいろいろな材料を使ったケーキはおいしい。

ちなみに、一応卵だけのケーキも作ってみた。
ほかのものと比べて一回り小さくなった
ほかのものと比べて一回り小さくなった
焼きあがりはよく膨らんだけれど、置いておいたら小さくなった。

食べてみると、ふわふわだけれど弾力のあるもちっとした食感の玉子焼きになった。

味はないし、スカスカしているのでおいしくはないのだが、メープルシロップをたっぷりかけたらよく吸収しておいしく食べられた。
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