三白眼のキンクロハジロ
鳥の名前はキンクロハジロ。漢字で書くと金黒羽白だそうだ。目が金で羽が黒と白だから。見えてるところの色(三色)を全部つなげただけの雑な名前である。
特徴は常にびっくりしていること。そして後頭部にとさかみたいなのがついていること。
キンクロハジロはカモのなかまなので渡り鳥である。このびっくり顔でシベリアに帰っていくところが想像できない。こんな顔でシベリアまで行けるのだろうか。群馬あたりにいるんじゃないかと疑っている。
群馬をシベリアと思い込んでないだろうか。
ずんぐりしている
そしてほかのカモよりもずんぐりしている。頭もでかい。潜るのが得意なのでこういう体型だと図鑑には載っているが、実はうそでただずんぐりしているだけであってほしい。
こんもり
鏡餅みたいなシルエットである。
下の写真は正面からの表情になっているが、そうなのだ、正面から見ると目付きが悪いのも特徴である。
頭が長くてゴリラっぽい
池のほとりに立っているとエサを期待してやってくる。しばらくうろうろして、エサをくれないとわかって去ってゆく。
街にいる野生動物っぽいが、その一連の行動が全て無表情である。
遠くの方から無表情でやってきて
ひとつも媚びない目で人を見て
くれないとわかるとスーッと去ってゆく。人をこばかにした目で。
もちろん動物に感情はないし、ほとんどの動物は無表情なのだがキンクロハジロの無表情さは際立っている。
図々しい猫みたいだ。
キンクロハジロを見たあとで他のカモを見るとなんて愛らしいと思う
休んでいても休んでない感がすごい
じっとしているキンクロハジロは首を折り曲げてくちばしを羽に突っ込んでいる。どうやらこれが彼らの休む姿勢らしい。
とはいえ目は開いているのだが
自分と同じにおいになっている毛布を堪能しているようだ
目を開けたまま寝てる人のようである。ちなみに僕もわりと目を開けたまま寝る。
無表情ポーズ集
キンクロハジロを久しぶりに見て写真を300枚ぐらい撮ったが、ほぼすべて同じだった。
びっくり顔しかない
そのなかからちょっとだけ変化があった写真を紹介したい。些細な違いなので注意深く見てほしい。
驚き
びっくり顔がデフォルトのキンクロハジロだが、これは首が伸びているので特に驚いている、ように見える。
がんばるぞ
無表情なのでやる気があるのかどうか分かりにくい。どこかがかゆくてたまたま立っちゃっただけかもしれないし、そもそも何がしたいのかわからない。
キンクロハジロがイヌワシみたいな大きさじゃなくてよかったと思う。
落胆
動物がうなだれていると落ち込んでいるように見えるものだが、なにせびっくり顔なのでまったく伝わらない。俳優だとしたら相当アヴァンギャルドである。
もめていても無表情
「やったなー(棒読み)」
キンクロハジロ同士でもめているときももちろんびっくり顔である。後ろで見ているカモメのほうが感情が感じられる。
スネ夫のママってこんなじゃなかったっけ
変顔のキンクロハジロ。擬人化してセリフをしばらく考えたが無表情ゆえにまったく浮かんでこない。「スネ夫のママ」とキャプションに書いてみたが、画像検索したら全然違った。
微笑み。口角が少しあがっている
これを微笑んでいるというのもキンクロハジロを甘やかせている気がする。でもここまで読んでもらったみなさんには微笑んでいるように見えているはずだ。
満足
最後の写真はクールな人の爆笑顔を見てしまったようで感激した(本当は瞬きの途中)。
シベリアで見たい
キンクロハジロを見にシベリアまで行ってみたい。ほんとうにいるかどうか確かめたいし、夏に日本人が目の前に現れたらびっくりするんじゃないか。でも元からびっくり顔だからたぶんわからないだろう。つくづく悔しい鳥である。