無骨なのに効きそう
今回言及しているのは、いわゆる
こういう
やつの
ことです
薬局で、実家で、一度は見かけたことくらいあるのではないだろうか、派手なパッケージだらけの薬局だからこそ逆に目立つ、この無骨で渋いパッケージ。
僕の祖母の家にはこれのハッカ油があり、夏になるとそこらじゅうにまき散らしていた。
そういう経験もあってかもしれないが、何だか医学というより「おばあちゃんの知恵袋」的な効きそうさがあると思うのだ。(ハッカ油が薬かは置いといて)
これがパッケージの力だとすれば、同じフォーマットで作れば体に効かなそうなものも効きそうに見えるはずだ。
野菜ジュースの疑いをはらす
今回使うフォーマットは、一番よくみかける「健栄製薬」のものを使うことにする。
いわゆるこのデザイン
このパッケージに何かを入れて、体に良さそうになるか試したい。何がいいだろうか。
そういえば、健康によいとされているが実際どこまで効いているのか、ずっと疑問なものがあった。
暴飲暴食が続いたときは罪滅ぼしみたいな気持ちで飲むのだけれど、いまいちどれほど効果があったのかピンとこない。
でも飲まないよりはいい気がする。
野菜ジュースである。
おまえ、本当に効くのか
キャッチフレーズって難しい
フォーマットに沿って箱の展開図をつくる。
デザインはそのままに、文字だけ中身にあわせて変える。
フォントはそれらしいのを探した。はらいの強弱が大げさなのを選ぶとそれっぽいようだ
じっくりパッケージを見て思ったが、これ本当に宣伝文句が少ない。
いまお手本にしている同社の重曹を見てみると、「胃酸過多、胸やけなどに」たった一言である。
有効成分は、即効性は、頑固な汚れは、いったいどこにいったのだ。
だからこそ自分で作るとき、この限られたスペースに何を書こうかすごく悩んだ。
この商品をズバンとあらわす一言を決めないといけないのだ。
そもそも効くか分からないから買ってきてるのに、である。心苦しい。
「不足しがちな栄養補給に」。考えた割にどこかで聞いたフレーズになってしまった
試作品一号ができたのでプリントアウトする。
最近はコンビニで厚紙が出力できるらしい。知らない間にずいぶんと箱を作るのに便利な世の中になった。
「光沢紙」を選ぶ。実際は光沢よりもその厚さを求めて
そそそそれっぽいのが出てきたー!
プラモデルを買ったときみたいな気持ちで持ち帰る
思ってたより万能フォーマット
できあがった箱プラモこと展開図を組み立てていく。
とはいえ基本的には切って折って貼るだけ
全貌が…これは…
それっぽい!
おお…それっぽい…!思ったよりそれっぽい気がするぞ。
急に薬品感がでた。
孫が風邪をひいたときにおばあちゃんが正露丸くさい薬品箱から出してきそうな雰囲気すら漂っている。
出し入れも自由だ
薬箱へ。この違和感のなさよ
いい感じだったのでこの調子で他にも作ってみた。
スーパーで「効くのか(または体にいいのか)疑っているもの」「そもそも薬から遠いもの」を探しておいた。
薬から遠いものまでパッケージの力で体に良さそうに見えてきたら大したものである。
買ってきたものがこちら。
偏食家の昼食
薬から遠いものは考えだすと無限にあったので(要は普通の食べ物全部だ)代表してジャンクフードの王様、ビッグマックで検証する。
もともとのパッケージも箱だしちょうどよい。作りやすくて。
製作過程はまったく同じなので、いきなり完成品だけご紹介したい。
青汁。もともと健康食品の印象があるためかスッと受け入れられる
ビフォーアフター。やっぱり薬品感が強くなる
豆乳。飲料っぽさは失われる気が
納豆。一気にまずそう
おかめマークも大胆にカット
冷蔵庫ではだいぶ異彩を放つ、というか食品っぽさゼロだ
ビッグマック。I'm lovin' itに心がこもってない
でもビッグマックの文字の訴求力はすごい
充実の薬箱
…ものによりけりだが、どれも元のパッケージよりは「なんか体に良さそう」ではないだろうか。
効きそうな代わりに美味しくはなさそうだけど。
パッケージの説得力
やはりあのパッケージの説得力はすごかった。
あっという間に昭和中期ぐらいから長らく親しまれてきた健康優良食品っぽくなる。
(実際にそのころからあるか分かりません、すみません)
子供が嫌いな食べ物とかも、これで包装すれば体にいい気がして食べるようにならないだろうか。