特集 2015年10月10日

「いっせーのーで!」で指を上げる遊びを自動化した

子どもの頃の遊びを自動化しました
子どもの頃の遊びを自動化しました
「いっせーのーで、さん!」などと言って指を上げ下げし、数字と同じ数かどうかで勝ち負けを決める指遊びがある。

呼び名は各地で違えど、きっと子どもの頃にやったことがあると思う。

しかし一人暮らしの今、そんな遊びをしてくれる人はいない。一体どうしたらいいんだろうか。
1987年兵庫生まれ。会社員のかたわら、むだなものを作る活動をしています。難しい名字のせいで、家族が偽名で飲食店の予約をするのが悩みです。(動画インタビュー

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休み時間とかにやってた遊びです

この遊び、名前が特になくて書くときに困る。
Wikipediaの「手を用いた遊び」には、
この遊びの名称は地域や人によって違い、せの、いせのせ、いっせーのーで、いせので、いっせっせ、ちゅんちゅん、ちょんちょん、ちっち、ルンルン、あおざめ、せっさん、たこたこ、バリチッチ、チーバリ、そろばん、ジンチ、指スマ などたくさんある。
と書いてある。予想以上に多かった。あおざめって聞いたことないな。
これこれ、これで呼んでた!というものがあるかもしれないが、この記事では僕の慣れ親しんだ「いっせーのーで!」で通したいと思う。すいませんご了承ください。

子どもの頃、暇なときに友達とこの遊びをやると結構はまったものだ。
ただ大人になってからは全くやらなくなってしまった。このモヤモヤはどうしたらいいのか。

相手がいないなら、作ってしまえばいい。自動で「いっせーのーで!」をしてくれる装置を作ろう。

早速作ってみる

とりあえず家にあった色々な部品で組み立てていく。
モーターやらなんやらをつなぐ。
モーターやらなんやらをつなぐ。
モーターは工作用紙で作った箱に置く。固定はセロテープで。
モーターは工作用紙で作った箱に置く。固定はセロテープで。
関係ないが工作用紙って名前がすごい。工作に使われることを宿命付けられている名前だ。
産まれた瞬間にもう家業を継がないとならない。小学生の頃から優秀な立体になるよう英才教育を施されるのだ。

そうこうしているうちに、完成した。
思わず外で撮った
思わず外で撮った
名前も付けた
名前も付けた
「いっせーのーで!」の遊びを相手してくれる世界初のロボ、「伊勢 野出夫(いせ のでお)」である。
勢いで描いた上半身により小学生の工作感がぐっと盛り上がったが気にしないでください。

このまま動いている様子を撮影しようとしたら、ものすごい強風で色んなものが飛ばされそうになったので、冷静になって帰宅した。
それでは動作の模様をご覧ください。
伊勢くんのターンでは、スピーカーを通して数字を言ってくる。
それに合わせて指が上がったり下がったりするのだ。
いっせーのーで、に!
いっせーのーで、に!
一方で僕のターンでは、マイクで数字を言う。
こういうマイクを
こういうマイクを
こんな感じでつけています
こんな感じでつけています
むかし買ったハーモニカホルダーが役に立った。ハーモニカは持っていないが。

対戦してみる

せっかく作ったので、ルールを決めて対戦してみようと思う。
本来であれば自分が言った数字と指の数が合えば片方の手を下ろすのだが、そんな機能はないので合った回数が先に50回に達した方が勝ちということにした。

自分が作った装置との戦いだ。これは負けるわけにはいかない。
もっと言うと僕の脳とプログラムのこの真ん中の一行のどっちが強いかという戦いである
もっと言うと僕の脳とプログラムのこの真ん中の一行のどっちが強いかという戦いである
対戦の模様はこんな感じになった。
冒頭、いきなり3対15まで差をつけられる
冒頭、いきなり3対15まで差をつけられる
全く構図が同じだが33対35まで盛り返す
全く構図が同じだが33対35まで盛り返す
リーチをかけられた・・・(いちいち勝敗をメモしてます)
リーチをかけられた・・・(いちいち勝敗をメモしてます)
負けたーー!!
負けたーー!!
負けた!しかも38対50の大敗だ。序盤で猛攻を受け、一気に大差を付けられたのが痛かった。

あとずっと同じ姿勢で座って指を上げ下げしているだけで色々な所が痛くなった。

この勝負、決着が付くまで20分以上も続いたのである。人生で一番この遊びをしたと思う。
自分で作った装置が相手だからか、予想以上に熱中してしまった。

しかし負けてしまうとは思っていなかった。
ドラゴンボールZで人造人間17号にやられたドクター・ゲロもたぶんこんな気持ちだっただろう。
カカロット、お前がナンバーワンだ
カカロット、お前がナンバーワンだ

この指遊び自体が面白い

たぶんこの指遊びは色々な人が遊んだことがあるだろう。それだけにゲームとしての面白さがすごい。
単純なだけに相手が人間だろうが機械だろうが白熱することはわかった。

ただ相手が機械だと疲れることがない。
50本先取の勝負が終わったあとも勝負を仕掛けてきて、こちらは疲労困憊なのにそのひどさに「お前人間じゃないな!」と思った。その通りなのだけど。
最初に描いた設計図。絵心がなさすぎる。
最初に描いた設計図。絵心がなさすぎる。
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