銀座木村屋の桜アンパン
とても形が良い
アンパンといえば一番有名な「銀座木村屋」。張り込みの時に後輩刑事が気をきかせようと思ったら、これが選ばれるんじゃないか。
張り込み中
「ヤバイ、めっちゃうまいです」
アパートの2階を見張っていたのだが、思わず振り返ってしてしまうほどのうまさ。
ニヤニヤが止まらない
初めて食べたんですが、これおいしいですね。
パンがしっかりしていて、歯触りがとても良いです。その後にくるあんこも上品。あんことパンの割合が「これ以外にない!!!」って感じの黄金比で、膨大な試行錯誤があったに違いないと思わせる。真ん中まで食べると塩漬けの桜が良いアクセントになっていて泣けます。
このパンとあんの黄金比。伝わるかなー
銀座木村屋の桜アンパン
張り込みに向いている度……0%
タカセのアンパン
続いては池袋・タカセのアンパン。庶民派の老舗パン屋として池袋では有名だ。
「タカセ」池袋駅前で昭和レトロをふりまいている
かなりやわらかい。持ってくるとき少しつぶれてしまったか
おっ、これはだいぶ甘い……
あ、こうなっているんだ、へえ~
口いっぱいに広がるあんこの味。タカセのアンパンはほとんどがあんこである。
思わずまじまじとみつめてしまう、あんこの多さ
うまいです。「甘いもので口がいっぱいになる」という原始的で素朴なラグジュアリー感。おばあちゃんが孫にかけるような、計算のない愛情を感じる。
一瞬アンパンに気を取られてしまったが、糖分が多いので、張り込みのような持久戦では本気で使えると思う。実用的なのもおばあちゃんっぽい。
タカセのアンパン
張り込みに向いている度……80%
メロンパン専門店・八天堂のアンパン
よく東京近郊のJRの駅の中にある「八天堂」。メロンパン専門店とうたっているが、アンパンも置いてあった。
ここ一度食べてみたかったんだよね
ガチャポンくらいの大きさのパン
これは、だいぶしっとりしてますね
あー、うまいうまい
これもかなり甘いアンパン。しっとりした食感も相まってデザートっぽい。小さめのパンで大口開ける必要なく、女性でも気軽に食べられそう。女刑事だったらこれかな。
八天堂のアンパン
張り込みに向いている度……50%
捜査メモっぽいが、アンパンの感想を記録している
メゾンカイザーのクロワッサン
高級パン屋のメゾンカイザー。日本人向けにアレンジしていない、フランスの伝統的な製法で作っているのがウリなんだそうだ。
アンパンはなかったので。一番人気のクロワッサンを購入。
高いパンはとにかく見た目からうまそう
実際の刑事だって、アンパンを用意できない日だってあるだろう。クロワッサンで張り込み、やってみます。
あ、おいしいー!
噛んだ瞬間、口の中がいい香りでいっぱいになる。味音痴でも一発でわかる、小麦粉とバターの質の高さ。
これ、立って食べるようなものじゃない。自分のお行儀の悪さが急に気になってくる。
熱い紅茶が飲みたいなー
張り込みに全く見えないのもすごい。というか、刑事にも見えない。捜査のカモフラージュとしては使えるんじゃないか。
路上にクロワッサンの皮がボロボロ落ちるのは気になったが
メゾンカイザーのクロワッサン
張り込みに向いている度……60%
シニフィアンシニフェのパン
こちらも有名店「シニフィアンシニフェ」。ここも行ってみたらアンパンはないという。高級パン屋にはアンパンは売っていないのだ。そういうこともよく知らなかった。(アンパンは本店で土日のみ取り扱いがあるそうです)
かわりに買ってきたパンがこちら。
1500円した
でかいし固い
表面は煎餅のようにカリカリに固い。そして、中身はまた質感が違って、グミのような弾力のある固さになる。頭部及び顔面の全筋肉を使って喰らいつくと、パンに自分が蹂躙されているような気分になった。
苦いような甘いような……なんだこれは?
今まで味わったことのない複雑な味がする。しいていえば一番近いのはビールの味だ。小麦粉の味の奥に、苦みを感じる。
食べた瞬間「うまい」って思えるようなパンじゃない。でも噛めば噛むほど味と香りが膨らみ、どんどん食べたくなる
張り込みには向いてないですね。このパンの味の方が事件です。
シニフィアンシニフェのパン
張り込みに向いている度……0%
ロブションのバケット
高級レストラン・ロブション。渋谷ヒカリエの中にはそのロブションのパン屋さんがある。ここにもアンパンはなくて、張り込みの刑事にとっては厳しい世の中だ。
かわりにバケットを買った。毎日仕事してたら、外でバケット丸ごと食べなくちゃいけない日だってあるだろう……いや、ないのかな? 実際のところは刑事の人生をやってみるまでわからない。
口の中が切れそう
かってぇ、でもうんめぇー!
うまいです。固いんですが、固さもうまさのうちなんだと思います。表面の固さと、切れ込みが入ってちょっとコゲているところの固さと、中身の固さがそれぞれ違って、食べ進めていてとても楽しい。
私服だと逃亡犯っぽい
カメラマンをしていた安藤さんにも、一欠け食べてもらうことにした。
こいつを捕まえろ!
私服刑事に見えるかなと思ったが、お腹を空かせた逃亡犯みたいになってしまった。バケットはいくらか日持ちがするので、ちょっとづつ食べながら逃げるのだ。
食糧は大事
ロブションのバケット
張り込みに向いている度……20%
逃亡に向いている度……80%
張り込み中に食べたパンがものすごくおいしかったら、やっぱり気が散る
今回都内の有名店を回っただけあって、どのパンにも外れはなかった。そして、想像通りおいしすぎると仕事に支障をきたす。
食べ物はおいしい方が良い……それが当たり前のように思っていたが、通らない状況というのはあるのだな。