真夜中のアンテナショップ巡り
普通のアンテナショップはだいたい朝10時から20時くらいまで。なのに24時間開いているってどういうことなんだ、働き過ぎでしょう、と驚いてしまう。
でも聞けば納得。それは他のお店と違い、コンビニの大手「ローソン」の中に設置されているアンテナショップなのである。
(0:00)うちの近所の普通のローソンから出発
24時間開いているということは、真夜中や早朝にふと「あの県の名産のアレが食べたい気分」となったらすぐ手に入れられるということだ。もしくは何かのアリバイ作りにも使えるかもしれない。
ぜひどこに何があるのか把握しておきたいところだ。
電車がなくなるので自転車で周る
調べてみたらすぐに周れそうな場所は5カ所。まずは銀座にほど近い京橋のローソンを目指した。
(0:33)1店舗めの前で待ち合わせしていた。暗くてよく分からないけどローソンの才木さん
ローソンの方と一緒に周る
ところで今回は特別に店内の撮影許可をとっている。すると広報の村上さんと、ローソン内のアンテナショップをとりしきっている才木さんのお2人にも付き合っていただくことになった。
コラボでもなんでもないのに初対面の方を巻き込んでの企画だ。途中でとんずらは許されないぞ。
1店舗め:京橋駅前店の「北海道・函館もってきました。」
ローソンの看板に並びちゃんとアピールされてる
入ってすぐにイカール星人に変身
店内に入るとすぐアンテナショップコーナーがあった。
函館のイメージ通り、海産物の商品が目に入る。そしてイカール星人というキャラクターのかぶりものとグッズも並ぶ。このお店の特徴として、よくこれをかぶって記念撮影するお客さんがいるという。
一列を陣取り、食材やグッズがギッシリ。函館をメインにしながら、北海道を代表するものが並ぶ
クッキーやバター飴、きび団子、乾き物などが並ぶ棚。売れ筋のキャラメルは富良野メロン味が一番人気だとか。ジンギスカン味は無かった
地元で売られているドリンクも人気。初めて見るものばかりだ
函館の「五島軒」というところが出しているカレー。特に真ん中の黒いパッケージのが才木さんのお薦め。たしかに分かりやすく残り少ない
意外に人気なのが刑務所で作られているこの前掛けや鞄。しっかりとした生地の割にお手ごろ価格
イカめしも惹かれるしアイスも惹かれるし・・・
見ているとどれも欲しくなるし優越感が出てくる。なんていったってこの時間に函館の食品やグッズを手に入れられるのは、現地以外はここしかないのだ。(たぶん)
悩んだ末買ったのは「コアップ・ガラナ(復刻版)」と「燻製たまご北斗物語 」。お土産にいか徳利
さっそく外で味見する
ドリンクの中で一番人気の「コアップ・ガラナ」を飲んでみる。昭和30年に京都の舞妓の立ち姿をイメージしてデザインされたという瓶がかわいい。
飲んでみると、薬っぽいようなクセのある味だった。ずっと飲んでいると夏祭りに出てくるカキ氷のシロップのような甘さを感じるが、微炭酸でのど越しは良い。
函館アンテナショップ人気No.1の燻製たまごは・・・
「これは買った方がいいやつです!」と感想を言うとローソンのお2人もレジに向かった。145円
函館ショップにきたら燻製たまご
袋に「なまらうまいべ!(なまら=すごく)」と書かれていたとおり、めちゃくちゃ美味しい。スモークの香りが食欲をそそり、半熟ぎみの食感もたまらない。生産に1週間かかるという手間のかかった商品だそうだ。
真夜中の東京で、遠くの函館を感じられる。なんていい企画だろうか。
(1:20)タクシーに乗り込むお2人。そうか、その手があったのか
しかしここから先は長い。一人自転車をこぎ、次のアンテナショップに向かった。
目指す場所は「虎ノ門」
次は最近できたばかりの虎ノ門ヒルズのすぐ近くだという。そう遠くない場所で、自転車で15分でつく予想である。
有楽町で仕事デキる風の男性が地べたでパソコン開いてた。ノマドだ
ふぁ~
体を動かしていれば大丈夫かと思ったが既にかなり眠い。タクシーのテールランプや工事現場、遠くに見える東京タワーのボンヤリとした明かりがなんとも眠気を誘う。
そんななか、目的のローソンはやたらまぶしかった。
(1:50)予想の倍の30分かかってしまった。暗くて怒っているように見える才木さん(実際は笑顔)
2店舗め:徳島のアンテナショップ虎ノ門巴町店「なっ!とくしま」
真っ暗で虎ノ門ヒルズがどれなのかさっぱり分からないまま到着。眠かったけど、特産品コーナーを見るとやはりテンションはあがる。
右奥にあった特設コーナー
ここでもキャラがお出迎え。2013年ゆるキャラグランプリ12位の「すだちくん」
まず目につくのはお遍路をテーマにした萌えキャラのパッケージ商品。コーヒーやそばかりんとう、辛子味噌などたくさんあった。
徳島は麺類も豊富。生そうめんやすだち麺、麺を作る工程であまった端っこを集めた「ふしめん」など珍しい麺が並ぶ
すだち商品もイチおし。このあたりは会社も多いが住宅も多く調味料などがよく売れるそう
才木さんのおすすめ「すだち酎」。お酒が苦手だけど、このすだち酎はグイグイいけると絶賛
でも何よりもこの店のウリは「味付のり」。発注数を間違えたのかとおもうほど並ぶ
虎ノ門店にきたら味付のり
むかし100均でバイトしていたとき、ピエロのお面を桁を間違えて千枚発注してしまったことがある。
その時こんな風に広めにピエロコーナーを作ったのだが、これはそういう経緯とは違うらしい。よく売れるから並べているパターンである。(ちなみにピエロはまったく売れなかった)
徳島の家庭の食卓にはみんなこの味のりが置かれていると力説。この辺りの家も徳島県化してるかもしれない
味付のりとすだちジュース、お土産にふしめんを購入
ここまでPRされたら買うしかない。それに私は味噌汁にいつも刻み海苔を入れるくらいの海苔好きなのだ。
いただいてみるとパリパリと張りがあり、味がしっかりとしていて美味しい。いちいち袋に入れられていないのもあって手が止まらない。
すだちジュースはスッキリとした爽やかな甘さで一気に飲めた。
すだちジュースもおいしいけど、味付海苔をつまみにすだち酎が合いそうだ
(2:40)そしてまたお別れ
もっとも辛い3時
次は自転車で30分予想の場所。地図上で見るとたいした距離はなさそうなのだが坂がところどころにありペースダウン。
あくびも止まらないし膝に多少の痛み、そして孤独も感じられるようになってきた。
(3:08)きつくて落ち込むこともありましたが
ピリッと濃い味のりを食べながら意識を取り戻す
そんな時にはお土産で買った特産品を見て励まされる。家に帰ったらイカ徳利で一杯飲もう。ふしめん食べよう。
途中途中で味付海苔をつまみ、特産品たちにエールをもらいながら進んだ。
3店舗め:飯田橋三丁目店「なっ!とくしま」
実は次も徳島のアンテナショップが入ったローソン。徳島県の意気込みが強く感じられる。
(3:36)約1時間もかかってしまったのに笑顔で迎えくれてほっとする。途中休憩していたのは内緒だ
先ほどと同じ「なっ!とくしま」なので品揃えは似ている
隣に大学があり学生さんが多いためか、おやつが多い。中でもスイートポテトが人気
かわりにここは味付け海苔が少ない
品揃えは似ているが、先ほどと推してるものが若干変わっていた。学生向けか、すぐに食べられるようなおやつや揚げ物が豊富だ。
飯田橋店ではフィッシュカツを買おう
この店で買うべきは、徳島で子供から大人まで愛されているという「フィッシュカツ」だ。魚のすり身にカレー粉をまぜ、パン粉をまぶしてあげたもの。
眠気ざましとエネルギーを取れるものをチョイス
駄菓子のビッグカツの贅沢版「フィッシュカツ2枚」(195円)
駄菓子のビッグカツに似ているので徳島出身でなくてもおもわず「懐かしい」と感じられる素朴な味。しかし噛み応えや衣が本格的なのでビッグカツよりリッチである。
そして大きさも、エネルギー消費が激しい自転車の旅にもってこいだ。
TVに紹介され売れ筋の唐辛子薬味「みまから」。激辛好きにはたまらないと才木さんはパクパク食べていたが普通はご飯やラーメンなどに少しだけトッピングするといい
「みまから」はきざんだ唐辛子をごま油でいため、みりん醤油とかつお節を加えたものだ。
小指の先ほどだけでも口とお腹の中が熱くなり、気合の入る辛さ。しかし数秒たつとスッとひいていくので辛いのが苦手な人でもこれならいけるかもしれない。
次の店へ。眠気がきたら「みまから」でパワーを出す。作戦通りだ
(5:00)アルタ前
4店舗め:西新宿店にある埼玉の「彩の国」
4店めは西新宿の高速バス乗り場がある近くにある埼玉のアンテナショップ。飯田橋店を出てから50分かかった。
すでに日は昇りだし、朝帰りの若者たちが駅にゾロゾロと向かっている。その中をフィッシュカツとみまからを食べながら自転車で通り抜けた。
それぞれいろんな朝があるな、と思う。
(5:10)今回初のナチュラルローソン
入ってすぐのところと、右奥に要冷蔵もののコーナーがある
コバトンがお出迎え。爽やかでいいですな
今までの遠く離れた県のものとは違って、すぐ近くの埼玉の名産が集まっている。
もともとそんなに遠くないけどもっと頻繁に会いたいから来ちゃった、というラブラブカップルのような関係だろうか。
草加せんべいや芋けんぴなどの和菓子から洋菓子までスイーツの割合がすごい。その中でもダントツで人気なのが「十万石まんじゅう」
この店で一番売れるそうだ。水曜日は売り切れることがあるので注意!
埼玉県民が買っていく「十万石まんじゅう」
買っていくのは、意外にも埼玉県民が多いとのこと。
十万石まんじゅうは埼玉でも売っているところが限られているので、交通の便のいい新宿でお土産に買っていく人が多いそうなのだ。そういう使い方もあるのか。
こちらは専用の袋に入れてくれる。嬉しい
たくさん買っちゃった
異常な柔らかさのマシュマロの中にメープルシロップが入った「ちちぶまゆ」。これは女性はぜったい好き!
これもぜったい好き! 飲むチーズケーキ「LATTEO」
絶賛の十万石まんじゅうは言わずもがなとして、私がチョイスした2品もまたとても美味しかった。
赤ちゃんのほっぺたのようにほよほよとしたマシュマロにカエデ糖が入った「ちちぶまよ」は、疲れた脳に優しく癒しを与えてくれる。
また、「飲むチーズケーキ」は買うとスプーンを渡され、上澄みをすくって食べながら飲むというかわったもの。飲むヨーグルトとチーズケーキを混ぜたような、夢のコラボである。
(5:40)村上さんに食べさせてもらう。この時間だとおかしなテンションになるのだ
さて、いよいよ最後のお店に向かう。最後はだいぶ離れて神奈川県・関内にむかった。
最後は電車で
関内までは、さすがに自転車では無理なので駐輪場にあずけて電車でむかった。移動が一人ではないのがとても嬉しい。
一瞬寝落ちした才木さん
いよいよこれが最後と思うと感無量だ。都内を自転車でノロノロと移動しただけなのだが、手には北海道と徳島と埼玉土産がある。 たった数時間でも長旅をしている気持ちなのだ。
5店舗め:横浜住吉町四丁目店「元気いっぱい千葉産品」
(7:03)私のせいいっぱいの元気ポーズ
神奈川県に千葉県のアンテナショップか。
間に住んでいる都民としては、正直中途半端で不思議な感覚であるが、2つの県はアクアラインでつながっていることもあり結びつきが強いそうなのだ。
アンテナショップオープン時には千葉県知事の健さんも来たらしい
店内にはいると、黄色いあいつが目立つ
ご当地キャラのチーバくんを差し置いてふなっしーの存在がすごい
しかしチーバくんのレアもの発見! かわいい
千葉ショップにきたらストラップと半立落花生
ローソンの制服姿のチーバくんストラップ(378円)が置かれているのはこちらのお店だけだという。
犬好きでローソン好きの私としては即買いだ。(あとで調べたらチーバくんは犬じゃなかったが)
コーナーの幅をしめたのは落花生商品。なかでも「千葉半立」と書かれた落花生は最高級品種だそうでお薦め。甘みが多く、とても香ばしかった。
千葉といったら落花生は欠かせない
こちらは人気ナンバーワンの落花大名。あまじょっぱい
特徴のあるカレーも並ぶ。なかなかのお値段だな
ビワ製品も豊富だ。まるごと入ったゼリーやお酒、ジュース、ジャム、羊羹など
お酒に合いそうなつまみもある
ほか、「ぬれ煎餅」を世に広めたという銚子電鉄の濃い口味もお土産に購入。
買ったのを並べたら渋い品揃えに。
最後はやき蛤とビワジュース。いやあ・・・合わない!
疲れて眠い中チョイスしたからか、最後にいただいた2つは驚くほど合わなかった。
しかし、ジャムに近いくらい濃厚なビワジュースと、日本酒が飲みたくなるようなやき蛤はそれぞれ単品でいただけばとても美味しいものであった。
ありがとうローソン
こんな感じで、旅は終了。いつもは寝ている時間にこんなにたくさんの名産を味わえるとは。
それに、最後までつきあってくれたローソンのお2人とも同じものを食べあった仲だ、すっかり打ち解けることができて嬉しかった。
残すは新宿に行って自転車をひろい、家までこぐという現実が残っている。「みまから」で気合を入れながら帰った。
(9:43)近所のローソンについた。そろそろ普通のアンテナショップが開きだす時間だ。なんとなく勝った気分だ
電車かタクシーで行くのがおすすめ
週末の二日間動けないほど疲れた。しかし一気にまわった事でどこに何があるのか把握できたのは満足だ。しかもお店に詳しい方と周れたおかげでいいものをゲットすることができたと思う。
いま、今回おもいきってはしょった道中の写真を見ながらもって帰ってきた品々をかみ締めている。やっぱ徳島の海苔、もっと買えばよかったな。
早朝の新宿駅の通路に立ったまま寝てる人がいた。激辛唐辛子の「みまから」をあげたい
ローソンよりお知らせ:9月下旬に新宿イーストサイドスクエア店に旭川のアンテナショップができるそう。旭川ラーメンを買いに行こう。
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