「それではご紹介させていただきます。お手元の資料をめくっていただけますか」(しゃべりの例)
オレンジの文字はプレゼンターのセリフである(次のスライドからも同様)。
稲作が始まった時期は諸説あるようだが、紀元前10世紀という説が新しいらしいのでそれに従った。きりもいいし。
「きょうのアジェンダでございます。このような流れでご説明いたします」
ここのスライドのあるあるは「カタカナをたくさん使う」である。課題や問題をカタカナにしたいときは、プロブレムではなくイシューなのだそうだ。
しかしカタカナ語への反動で「見える化」などの日本語が流行っている気もする。
「見える化」という言葉をはじめて聞いたときのモヤモヤした気持ちは「すぐやる課」に通じる。
「現在のライフスタイルのメリットはなんといっても移動が自由であることと考えております。ただ、環境に左右されるのが…」
まずは縄文人の生活を全否定はせず、まずは肯定しておきたい。
ただ…で、やんわり問題を共有してゆきたい。これ作るために資料を読んでいたら、縄文時代の死亡年齢のピークが30~34歳というのを読んで軽くへこんだ。
「そんな不安定な点についてはヒアリングでも聞こえてきております。」
中央は女性限定のグラフである。なぜか「女性の意見が大事」とどこの業界でも言うので、女性の声を入れておいた。
それから、どんぐりについて「嫌い」と書かずに「好きな人にはたまらないでしょうね」と婉曲表現にしておいた。なにせプレゼン相手はドングリを毎日食べている縄文人だ。全否定したら怒ってしまうかもしれない。相手が「そんなうまいもんじゃないよ」と言ってくれると進めやすい(渡来人の気持ちになってます)。
「実際のユーザ様を声をピックアップしてまいりました」
前スライドで数字を見せたので、次は具体的な声を紹介する。ありがちな展開である。
ちなみに縄文式土器はドングリのアク抜きに使っていたらしい。
「以上、問題点をまとめますとこの3点に集約できるかと考えております」
このスライドのポイントは、循環になってない要素を循環の図に当てはめているところである。「どんぐりがまずい」が「気候変動」の原因であるわけがない。
でもこんな図にすると一瞬もっともらしく見えるのがパワポマジックだと思う。
「それでは、今日の本題でもあります稲作をご紹介させていただきます」
音楽で言えばここで転調してアップテンポになるところだ。
「稲作であれば先ほどの問題点はすべてクリアすることが可能となっております。」
左に問題点、右に稲作のメリットを書いた。
ぐんにゃりと奇妙な図にしているが、表にするとこの程度である。
「コメができるだけではなく、さらなる発展性もございます」
PDCAとはPlan Do Check Action。簡単に言うと「考えて動いたら結果見てやりかた変えてくよー」ということだが、仕事の現場ではこういう言いかたをよくする。
PDCAだけだとありがちなので、この繰り返しで少しずつ上昇してゆくようにアレンジした。
実際には同じことを繰り返しながら下がってゆくこともあるから不思議である。
「他社様でも稲作を導入されております」
インダス文明ではまだたぶんカレーを作ってないと思う。ノリで書いた。このスライドは主に次のスライドへの伏線である。
「ちょっと大きく出ましたが…(笑)この数字も実現可能ではないかと!」
KPIは目標の数字である。僕も去年ぐらいにはじめて知った。ベンチマークはライバルとして設定する相手だ。三国志で有名な魏・呉・蜀をあげると縄文人も「おお!」と思うかもしれない(正確には時代が少しずれてるけど)。
こういう立派なことを資料に書いて「ちょっと大きく出過ぎちゃいましたかねー」とくだけた感じで話す人もいる(僕です)。
「スケジュールにつきましてはざっくりですがまとめました。詳細は別途お打合せさせていただければ…」
ビジネスパーソンのミラクルワード「別途お打合せ」である。先延ばしのかっこいい言い方だ。だが「別途お打合せ」を連発すると、この打ち合わせはいったいなに?と思われることになる。
ちなみに稲作は紀元1世紀までには東北まで広がったらしい。たぶんいまの生クリームがどっさり乗ってるパンケーキぐらいの人気で広まったと思われる。
「ぜひいちどコメを食べていただければと考えております」
困ったときの「総合力」と「ワンストップ」である。特になにも言ってない。
「わたくしからのご説明は以上となっております」
最後のページは企業コピーやスローガンが登場することが多い。それがダジャレになっていたりするのだが吹いてはいけない。
次回の会議日程決めて帰る渡来人
プレゼンして、その場で結論が出ることはないので、とりあえず次回の打ち合わせの日程を決めて帰ったと思う。渡来人。
稲作の視察や、お米の試食会などのイベントを作ってこまめに縄文人に声をかけたかもしれない。
声をかけやすいようにfacebookで友だち申請しておきたいところである。