神泉の街をぶらりと歩いてみた。そこには小さいけれど見過ごすには後ろ髪を引かれるような発見が色々とあった。地元の人たちと触れ合い、神泉という街の息づかいを感じることが出来た。 また次回、別の街を散歩して心がときめくような経験をしたいと思っている。
神泉 ファーストコンタクトは上々
1回目は神泉です
京王井の頭線、神泉駅の改札を抜け階段を下る。この日の気温は摂氏20度。散歩にはうってつけの陽気である。
あらお洒落、と褒められた
駅の前で記念撮影をしていると、そこに通りかかった地元のおばさんから「あら、お洒落」と声をかけられた。神泉の街に降り立つなり褒められる。この街とのファーストコンタクトは上々だ。
ミスター林
今回、この散歩をコーディネイトしてくれるのが、ミスター林である。ミスター林と私は、今から数年前、ジャカルタの街で知り合った。ミスター林がジャカルタを旅行した際、私がコーディネイトを担当した。「蒸し暑いけど活気が勝るな」。ミスター林が何度もそう言っていたのを昨日のことのように思い出す。
サントス散歩、スタートです
変貌と増殖を続けるメトロシティ渋谷からたった1駅。そんなロケーションにありながら、神泉の街に渋谷の喧噪は一切ない。まだ午前中ということもあり、駅周辺に何軒かある小料理屋さんはどこも開いていない。
目的を持たずにやって来ると、このように街に不意打ちをかけることができる。まだ外の人間を迎える準備が整っていない、素顔の神泉を歩いていく。
目的を持たずにやって来ると、このように街に不意打ちをかけることができる。まだ外の人間を迎える準備が整っていない、素顔の神泉を歩いていく。
気になる張り紙発見
木下フレンド専用
早速、気になる張り紙を見つけた。ゴミ置場のようだが、「木下フレンド専用」と書いてある。木下さんの友だちしか出すことが出来ないゴミ置場なのか? 歩みを止めて張り紙を見つめていると、ミスター林から「アパートの名前だと思いますよ」との指摘が。
そうか、アパートの名前か。ということは、木下さんが大家ということだろうか。であれば、そのアパートには大家の友だちしか入居出来ないということなのか。それとも入居した時点で大家の友だちということになってしまうのか。
周囲に木下フレンドの関係者が見当たらず、この木下フレンド問題は暗礁に乗り上げた。 あ、路地裏に猫がいる。
そうか、アパートの名前か。ということは、木下さんが大家ということだろうか。であれば、そのアパートには大家の友だちしか入居出来ないということなのか。それとも入居した時点で大家の友だちということになってしまうのか。
周囲に木下フレンドの関係者が見当たらず、この木下フレンド問題は暗礁に乗り上げた。 あ、路地裏に猫がいる。
路地裏の猫に、ルールルルー
黒ぶち猫を追って路地裏に近づいてみた。猫は植木鉢の隙間からじっとこちらを見ている。ルールルルー、と手を伸ばしてみても全く関心を示してくれない。ルールルルー。何度かトライしてみたが、私から一定の距離を保ったまま植木鉢の影に座っている。ずっと舌を出したままなので、ペコちゃんと名付けてみた。
神泉のペコちゃん
ペコちゃんの次に目に入ったのは、2時間2900円。古い日本家屋を改築したようなホテルの看板だった。
3時間の方がお得かもしれない
神泉にはこのようなホテルが結構ある。2時間2900円ということは、1時間1450円。単純計算で3時間だと4350円になるが、看板には「3時間3500円」とある。850円もお得な設定である。さらにフリータイムは、朝の5時から夜6時までの約13時間で3800円。宿泊だと夜の8時から翌日の午後1時までで7800円。時間と値段の関係が全く分からなくなってきた。
そして、こっちの看板は宿泊で6000円だ。
そして、こっちの看板は宿泊で6000円だ。
おのれ、一体どの設定がお得なのだ?
ぬりたて・チキンレース
ホテルの料金設定に頭を悩ましていたら、私の横をカツカツとハイヒールの音を立てて綺麗な女性が通過した。ほのかに香る香水は、ランバンのエクラドゥアルページュだろうか。神泉に春の風が吹いた。
ランバンの香りを残して
私が女性の後ろ姿を見つめていると、ミスター林が「見てましたね」と言わんばかりにカメラのシャッターを切った。
違う。見とれていた訳ではない。「街並は女性がつくる」。メキシコシティの友人が言っていたその言葉を思い出していたのだ。街を歩く女性たちがその街に彩りを与えその街の個性をつくる。友人の持論ではあるが、私もまったくそう思う。
ミスター林にその旨を告げようとすると、まだ少しニヤニヤしている。
私は自分の度胸を見せつけることにした。
違う。見とれていた訳ではない。「街並は女性がつくる」。メキシコシティの友人が言っていたその言葉を思い出していたのだ。街を歩く女性たちがその街に彩りを与えその街の個性をつくる。友人の持論ではあるが、私もまったくそう思う。
ミスター林にその旨を告げようとすると、まだ少しニヤニヤしている。
私は自分の度胸を見せつけることにした。
この度胸をどう思うか
「ペンキぬりたて」にどこまで近づくことが出来るのか。ぬりたて・チキンレースである。これで、先程の失態(私はそうは思っていないが)はクリアだろう。
と、その時!
と、その時!
僕はここまでいけます
ペンキぬりたてなのに頬をくっつけている。完敗だ。ミスター林、恐ろしい男である。
チキンレースはここまでにして、散歩といえばグルメな情報も欠かせないだろう。
チキンレースはここまでにして、散歩といえばグルメな情報も欠かせないだろう。
マサ斎藤(プロレスラー)に教えてあげよう
焼きそば牛丼を食べるイメージトレーニング
400円で大名気分を味わえる?
カレーにやきそばに牛丼に大名。目に飛び込んで来る看板全てが、私の食欲をそそる。正直、まだそれほどの距離を歩いた訳ではないが、お腹は空いてきた。
ミスター林に空腹を訴えてみた。
ミスター林に空腹を訴えてみた。
マスクランチ
お洒落なカフェにきました
ミスター林の行きつけ「FabCafe」に招待された。店内はとてもお洒落な雰囲気で私好みである。ベーグルサンドとマシュマロラテを注文して席についた。店員さんに勧められるままマシュマロラテなるものを頼んでみたが、どのような飲物なのか全く見当がつかない。
こ、これがマシュマロラテなのか?
5分ほど待つと、ウエイトレスさんがマシュマロラテとベーグルサンドを持って来た。ラテの上に白く渦巻く何かが乗っている。この渦巻状の物体がマシュマロだろうか?
早く触って確かめたい。
ウエイトレスさんと会話のひととき
マシュマロが気になって仕方ないのだが、ウエイトレスさんは私のマスクが気になるらしい。目が隠れているがちゃんと見えているのか、マスクの中の温度はどうなのか、マスクの素材は、そもそも何故マスクを被っているのか。ウエイトレスさんが気になるのも無理はない。答えられる範囲でウエイトレスさんの疑問にお答えした。
全ての疑問が解決した訳ではないが、最終的にウエイトレスさんと笑顔を交わし合い(私の笑顔はマスクの下であるが)、親睦を深めることに成功した。
そして、改めてマシュマロと思われる物体と対峙する。
全ての疑問が解決した訳ではないが、最終的にウエイトレスさんと笑顔を交わし合い(私の笑顔はマスクの下であるが)、親睦を深めることに成功した。
そして、改めてマシュマロと思われる物体と対峙する。
おのれ、マシュマロなのか?
か、かわいいじゃないか
えいっ!
穫ったどー
やはり、あの白い物体がマシュマロだった。かわいらしく目が描かれていたが、パクッといってしまった。
ベーグルサンド
おのれ、ベーグルサンド~
えいっ!
マスクによって視界が限定されるため、ベーグルサンドとの距離感を掴むのが難しくはあったが、一発で口に運ぶことに成功した。そして、口の中にスパムの味がじわっと広がる。多分、スパムだと思う。とてもおいしい。
ラテの上にあったマシュマロをたいらげて、ベーグルサンドも食べた。
残すはラテであるが、この視界で正確に熱いラテを口元まで運ぶ自信がない。
ラテの上にあったマシュマロをたいらげて、ベーグルサンドも食べた。
残すはラテであるが、この視界で正確に熱いラテを口元まで運ぶ自信がない。
どうすればいいのだ?
こうすればいいのだ
ストロー作戦によってラテ問題は見事にクリアした。
新しいケミストリー
散歩中にいくつか入ったメールの内容を確認し、再び神泉の街に繰り出すことにした。
さあ、神泉へ
これくらいのビールなら小一時間もあれば飲み干せます
子供がなくしたミニカーを探している、という張り紙
サイズ感ぴったり
花を持つ
ふと気づくとミスター林が花屋の中に入っていくのが見える。どうしたというのだろう?
花を持たされた
花を持って歩くといいと思います。
ミスター林からの提案であった。グッドアイデアである。こんな小春日和に似合うもの。それは花しか考えられない。
ミスター林からの提案であった。グッドアイデアである。こんな小春日和に似合うもの。それは花しか考えられない。
特に祝うことはない
しかし、実際に花を持って歩いてみて分かったことがある。それは、「恥ずかしい」ということだ。これが花束であったら振り切った感があって大丈夫なのだろうが、ミスター林がくれたのは良く種類の分からない花が2輪だ。
持ち続けないといけないのか?
と聞くと、ミスター林は黙って親指を突き上げた。いいね! という意味であろう。
そして神泉散歩は最後の場所に辿り着く。
持ち続けないといけないのか?
と聞くと、ミスター林は黙って親指を突き上げた。いいね! という意味であろう。
そして神泉散歩は最後の場所に辿り着く。
VOYAGE GROUPのライブラリ
ミスター林の知り合いが働くVOYAGE GROUPという会社のライブラリにやって来た。壁一面に本棚があり、本や資料に囲まれたとても知的な空間である。
本は好きです
HTMLという言語を学ぶ
点滅させる術を習得
さあ、パーティの始まりだ。
今回のアミーゴ