
知ってるようで知らないUNO
1971年にアメリカの床屋さんが考案したというUNO。日本でもたくさんの人に楽しまれているゲームだ。


現行版UNO、世代によってデザインは少し違うようだ

UNOのやり方なんて知ってて当たり前、という方も多いと思う。今回はまず、下のようなアンケートを作って身近な人に答えてもらった。


読者のみなさんはどうだろうか

記事をお読みの方も、これまでUNOをしてきたときのルールで考えていただけるだろうか。私が調べた結果では、「いいえ」よりも「はい」についた丸の方がずっと多かった。


当サイト編集部員にも調査


全てに「はい」の人も

中には全部「はい」だった人もいた。実は私もそうだ。こういう方も少なくないのではないだろうか。
しかし、公式ルールによるとアンケートの答えは全て「いいえ」 なのである。
しかし、公式ルールによるとアンケートの答えは全て「いいえ」 なのである。


見たことありつつ、特に意識しなかった紙

この記事では、UNOを買うとついてくる取扱説明書に載っているものを公式ルールとする。UNOの箱に入っているピラピラした紙だ。では、ゲームの場面で確認してみよう。



みんなのために働く親
まずは「親」を決める。特に親と呼ばなくても、ジャンケンで決めることが多いと思う。しかし、公式ではそうではない。


カードを一枚ずつめくって決める


今回は編集部古賀さんが親

それぞれがカードを一枚引いて、その内容によって決めるのが公式ルール。出た数の一番大きい人が親となる。上の写真ではスキップのカードも出ているが、このとき記号カードはゼロ扱いなので、この場合3を出した古賀さんが親となる。


トランプより枚数が多いから切りづらい


配るのも親の仕事

言葉の響きから、なんとなく嬉しく感じられる「親」。その仕事はカードをよくシャッフルすることと、プレイヤーにカードを配ることと、プレイヤーにカードを配ること。子供は喜んでやるかもしれないが、大人的には少々面倒にも感じられる作業だ。
UNOは早く手札をなくすと勝てるゲーム。ならば少々面倒な作業があっても、最初に手札を出せるなら親もいいではないか。しかし、公式ではそうではない。
UNOは早く手札をなくすと勝てるゲーム。ならば少々面倒な作業があっても、最初に手札を出せるなら親もいいではないか。しかし、公式ではそうではない。


親はめくるだけ


ちなみにこれでもOK

自分の手札は出せない。親ができるのは、山札の一番上のカードをめくるだけなのだ。
そして親の左隣から順に「同じ色か数字のカードを出す」という原則に従って手札を出していく。親はいろいろやらされた挙げ句、一周回ってくるまで実質的にはゲームに参加できない。ちょっと悲しいかもしれない。
なお「最初が数字カード以外だと出し直し」 というルールでやっている例はしばしばあるようだが、公式ではワイルドドロー4の場合だけ出し直しで、それ以外は「親がそのカードを出した」という形で始めることになっている。(例:最初がドロー2の場合、親の左隣は2枚引かされる)
そして親の左隣から順に「同じ色か数字のカードを出す」という原則に従って手札を出していく。親はいろいろやらされた挙げ句、一周回ってくるまで実質的にはゲームに参加できない。ちょっと悲しいかもしれない。
なお「最初が数字カード以外だと出し直し」 というルールでやっている例はしばしばあるようだが、公式ではワイルドドロー4の場合だけ出し直しで、それ以外は「親がそのカードを出した」という形で始めることになっている。(例:最初がドロー2の場合、親の左隣は2枚引かされる)



さて、最初の場札がめくられて始まった公式ルールでのUNO。ただ、ここまでは手続き上の細かい点だったと思う。実際はジャンケンで親を決めても問題ないだろう。私が「そうだったのか!」と思わされたのはここからだ。

いったん広告です
「チャレンジ」ってルール、知ってます?
さて、最初に緑の5が出たとしてゲームを進めてみよう。


おっ、いきなりワイルドドロー4

親の左隣の編集部石川さん、ワイルドドロー4を出した。次の人に4枚引かせた上に好きな色を指定できる、UNOの華とも言える強力カードだ。しかしこのカード、実は出せる条件がある。
それは「手札の中に他に出せるカードがないときだけ出せる」というもの。いつでも出せるわけではないのだ。
このルールには「手札の中身は本人しかわからないんだから、正しく出してるかなんてわからないだろう」とツッコミが入ると思う。そのツッコミに対応すべく、「チャレンジ」 というルールがある。
それは「手札の中に他に出せるカードがないときだけ出せる」というもの。いつでも出せるわけではないのだ。
このルールには「手札の中身は本人しかわからないんだから、正しく出してるかなんてわからないだろう」とツッコミが入ると思う。そのツッコミに対応すべく、「チャレンジ」 というルールがある。


ワイルドドロー4を出された人は「チャレンジ」できる

ワイルドドロー4が出た次の順番の人は「チャレンジ」という言葉をコールできる。こうすることでワイルドドロー4を出した人が出せる条件を満たしているか、手札を確認できるのだ。
確認後の流れは以下のようになる。
確認後の流れは以下のようになる。


場のカードからすると他に出せるカードがないのでワイルドドロー4を「出せる」→


チャレンジした人がプラス2枚のペナルティを加えて6枚引く


緑の3を出すことができるので、ワイルドドロー4を「出せない」→


出した人が4枚引いて、ワイルドドロー4も手札に戻ってくる

説明書に載っているにもかかわらず、多くの人が知らないと思われる「チャレンジ」のルール。それぞれのリスクが大きい分、駆け引きや読み合いが発生する局面として、結構スリリングだ。
ワイルドドロー4を出された後については、広く普及しているであろうルールとは異なる点が他にもある。
ワイルドドロー4を出された後については、広く普及しているであろうルールとは異なる点が他にもある。


これはできない


ちなみにこれもできない

「ワイルドドロー4が手札にあればそれを続けて出し、引かされる枚数を累積させて次の人に回せる」というルールでやっている人が多いのではないだろうか。しかし、公式ルールではこれはできない。
チャレンジしないなら手札にワイルドドロー4があっても4枚引くしかない。これはドロー2の場合も同様で、こちらの場合はチャレンジの制度がないため2枚引く以外の選択肢がない。
チャレンジしないなら手札にワイルドドロー4があっても4枚引くしかない。これはドロー2の場合も同様で、こちらの場合はチャレンジの制度がないため2枚引く以外の選択肢がない。


これまたできない

カードを出す際のルールで言うと、「場と同じ数のカードが手札に複数ある場合は一度にそれを出せる」というのは多くの人が行っているルールだと思うが、公式ではこれもできない
。
公式ではこれもできない一度に出せるカードはどんな場合でも必ず1枚だけ。公式ルール上、これについて例外はない。
公式ではこれもできない一度に出せるカードはどんな場合でも必ず1枚だけ。公式ルール上、これについて例外はない。


編集部橋田さん、UNOをコール


最後はワイルドドロー4で上がり…?

ゲームが進んでいき、手札が1枚になった橋田さんがUNOを宣言。一周して自分の番が来て、ワイルドドロー4を捨てて上がりである。
「え、それっていいの?」と思った方もいるかもしれない。「最後の1枚が記号カードだと上がれない」というルールでやっている人も多いと思うが、公式ルールではそうではない。最後のカードはなんでもいいのだ。
そしてもう1つ意外だと思われるのは、公式ルールだとこの時点でゲームが終わりなのだ。
「え、それっていいの?」と思った方もいるかもしれない。「最後の1枚が記号カードだと上がれない」というルールでやっている人も多いと思うが、公式ルールではそうではない。最後のカードはなんでもいいのだ。
そしてもう1つ意外だと思われるのは、公式ルールだとこの時点でゲームが終わりなのだ。


残りの手札が重要になる

多くの方は、このあともゲームを続けて上がった順に順位つけると思うが、公式ルールではそうではない。その点数が引かれ、上がった人にプラスされることになる。


数字カードはそのまま数字が点数


記号カードは上段が50点、下段が20点

数字カードはその数字が点数になるのでわかりやすい(ちなみに各色の数字は2枚ずつ存在するのだが、0だけはは1枚なのでレアリティが高い)。このことによってゲーム中、数字カードを出す優先度に差が出てくるわけだ。
記号カードはワイルドとワイルドドロー4が50点、それ以外は20点。ゲーム終盤まで手札に記号カードを残すのはリスクにつながることになる。
説明書では5回戦が例示されており、その合計点で得点を競う、というわけである。
記号カードはワイルドとワイルドドロー4が50点、それ以外は20点。ゲーム終盤まで手札に記号カードを残すのはリスクにつながることになる。
説明書では5回戦が例示されており、その合計点で得点を競う、というわけである。



よちよちしながら公式ルールでプレイ


いざ実戦

さて、ここまではポイントとなる局面を再現して撮影してきたのだが、今度は実際に公式ルールでプレイしてみよう。


あれ?どうだっけ?


ドキドキの「チャレンジ」

いつもと違うルールのため、みんなで確認し合いながらゲームが進行。こういうおぼつかなさも面白い。
特に心理戦となるのが、ワイルドドロー4が出された場面。右上の写真は橋田さんが出したカードに対して、石川さんがチャレンジしているところだ。
特に心理戦となるのが、ワイルドドロー4が出された場面。右上の写真は橋田さんが出したカードに対して、石川さんがチャレンジしているところだ。


チャレンジ失敗

手札を確認したところ、ワイルドドロー4を出せる条件を満たしていたのでチャレンジは失敗。2枚のペナルティを加えて、石川さんは6枚引かされた。
それでも笑顔なのは、カードが一気に増えてあたふたしてるのが楽しいからだろうか。勝敗だけが楽しいゲームではないのは、公式ルールでも共通だと思う。
それでも笑顔なのは、カードが一気に増えてあたふたしてるのが楽しいからだろうか。勝敗だけが楽しいゲームではないのは、公式ルールでも共通だと思う。


おっ、自分があがったぞ!


数字を小さく押さえた石川さんの手札


ひどいことになってる古賀さんの手札


こういう得点結果に

非公式ルールでこれまで遊んできたとき、ワイワイ騒ぐのが楽しいとは言え、個人的には頭の使いどころが今ひとつわからなかったUNO。公式ルールではカードを一気にたくさん出せるルールがない分ダイナミックさに欠ける気はしたが、駆け引きや読み合いといった面白さは前に出てくるように思える。







普段とは違う一面が見えるのも楽しい



実はあまり知られていない公式ルールで楽しんだUNO。違った面白さが発見できた。
上の写真は古賀さんが「私、切るの下手なんだよね…」と言いながらカードをシャッフルしているところ。言葉に違わずよろよろしていて場が和む。こういうゲームの本筋以外の要素もカードゲームの楽しさだ。
意外なルールをもう1つ、他のプレイヤーが捨てるとき「あれ、ワイルド持ってるんじゃない?」などと口を出す場面があるかと思うが、これは公式では禁止。言った人は山札から2枚引かされるペナルティまであるので、本気で公式ルールで行うときは要注意だ。
