特集 2021年12月28日

おれだって厚底ブーツを履いてみたい

厚底ブーツをはいてみました。

むかしむかし、90年代後半のギャルたちの間で厚底ブーツという、それはそれは靴底が10㎝以上のえらい高い靴が流行ったそうな。

あれ、竹馬のようで楽しそうだった。2021年になった今、はいてみたいと思う。おじさんだってはきたいのだ。

1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

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厚底ブーツを買ってみた

1990年代後半、歌手の安室奈美恵がはいたことで当時のナウでヤングな若者たちに流行した厚底ブーツ。身長が高くなり、スタイルがよくなる。まさにCAN YOU CELEBRATE状態である。意味は深く聞かないでほしい。

今思うと、竹馬みたいで楽しそうだ。そんな思いで試しに買ってみた。

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家に届いた厚底ブーツの段ボール、でかすぎてウケた。後ろにあるのは布団です。

何か家電が届いたのかと思うほどでかい荷物が届いた。軽い気持ちで買ったものが大きいとウケる。

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そして、これが厚底ブーツ。
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高さ15センチある。

ずっしりとした重さがある。紙袋に入れて来たが「コンクリートブロックを持って来たのか」と思うほどの重さだ。翌日、腕が筋肉痛になった。筋トレになるのでおすすめです。

はいてみよう。初めての厚底ブーツである。どうしよう、はいた瞬間にモデルと間違えられて、スカウトされてしまったら。おれ、モデルになります!

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サイズが小さい。でも、モデルになるために頑張ってはく(足のサイズが28センチだが、27センチしかなかった。)
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体のバランスがおかしい。

はいているときは「うわ、見える景色がいつもよりも高い!」と興奮して、モデルになった気分だった。おれ、パリコレ行けます!

今、写真を改めて見たら、体のバランスがなんかキャプテン翼みたいになっている。

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これが
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こうなる。

比較するために撮影に付き合ってくれた165㎝の友人と写真を撮った。普段の自分は170㎝である。厚底ブーツをはくと185㎝なる。たかが15㎝と思ったが全然見える景色がいつもと違うのだ。

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足が長いとおしゃれになった気がする。

実際に歩いてみる

歩き心地はどうだ。試しに歩いてみるが、普段とは違う足の感触と、高さによる不安から常に下を向いてしまう。小銭とか落ちていたらわかりやすい。でも、しゃがむのが怖いので取れないというジレンマがある。

しかし、慣れると普通に歩ける。これだけ高いと歩くのも大変かと思ったが、全然大丈夫だ。

ただ、舗装された道路の方が歩きやすい。土などの自然の道はでこぼこしており、それがすごく歩きにくいのだ。登山する際にははかない方と思う。これから厚底ブーツでエベレストに登ろうと思っている人、登山靴にはき替えてほしい。ミャンマーとかで調達して。

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ちょっとの段差や穴があるとつまずきやすい。
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人がつまずく直前を撮影した貴重な写真。
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人類は新たな1歩を進み始めたみたいな写真になった。

また、階段の下りが怖い。つま先が平らではなく、先に進むにつれそっているのでつま先が地面につかない。これが下りの階段だとつま先が常に空中にある状態になる。

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気を抜いた瞬間、階段から落ちると思った。

こんなにも階段に恐怖を感じたことはない。おそるおそる階段を降りていく。

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ぶれていてもわかる安堵の表情。絶叫マシンから降りたときぐらい安心と興奮をしている。ただの階段なのに。
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町を歩いてみる

実際に厚底ブーツをはいて、あの頃の若者たちの気持ちがどんな気持ちで町を歩いていたのかを知りたい。原宿だ、原宿に行くのだ。

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これから戦いが始まる。

竹下通りをこれで歩いてみようと思う。そうすれば、きっとあのころの若者たちの気持ちがわかると思うのだ。

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急な坂の怖さったらないな。

全員が自分よりも低い。これが高身長の世界か。あと、なんだろう、目立つ恥ずかしさもある。背が高いと人がこっちを見てくる気がのだ。

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自分の周りに人がいないのは厚底ブーツをはいているおれを恐れているからか。あと、足下を見た若い人が笑う。でも、おしゃれってこういうことだから。

ぶらぶらしていてもしょうがないので、何かゴールを目指そう。そうだ、クレープを食べよう。クレープを食べてゴールとしたい。

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姿勢よくクレープを選ぶ人がいる。

どんな時代、季節でも行列ができる原宿のクレープ屋。あの頃のギャルたちもきっとクレープを食べていたのだろう。しょっぱいクレープを頼みたい気持ちがあるが、他の並んでいる人たち全員、甘いやつを選んでいた。誰もツナとかピザのやつを頼んでなかった。ツナマヨのクレープだってうまいのに。

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料理名が長くて覚えきれず、レジ前であたふたしたがなんとか注文した。

甘いクレープを頼む。バナナとチョコが入ったやつだ。食べてみるとなかなかのボリュームである。7本食べたらお腹いっぱいになる。

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意外と太巻きぐらいのボリューム感。
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買えたうれしさで泣きそうなのか、それとも口いっぱいに入れすぎて苦しいのか。

普段とは違った世界を見ることができる厚底ブーツ、きっとあの頃の女の子たちもきっと、いつもの自分とは違うおしゃれでスタイルのいい自分に変身できるところに魅力を感じていたのかもしれない。

しかし、長時間歩くのには適していない。クッション性がなく、固いのだ。これをはいて1日、渋谷や原宿を歩くのはつらいと思う。

似合うにはどうするか

はいているうちに思ったのだが、もっと似合うにはどうすればいいのか。足か、足を出せばいいのか。そういう気持ちになったので、半ズボンと合わせてみる。

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もしかしたらギャル要素が必要なのではと思い、ルーズソックスも買った。
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結果、こうなった。

もっと変態な感じになるか、おしゃれになるかのどっちかになってほしかったが、少しだけださい。友人が「散歩をしている白いソックスをはいたおじさんみたい」と言った。たしかに思った。

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足が寒い。
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でも、こうやって撮るとおしゃれに見えませんか?

もっと似合う感じになりたいのだ。そう思って、前に買ったスカートをはいた。マネキンに着させる用であって、自分のやつじゃないです。こう言い訳すると怪しく思われるが本当に違うんです。

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なにかが始まってしまう予感がしたのですぐに脱いだ。

(足の毛を剃ってくればよかった。わたし、きれいになりたい)と代々木公園の寒空の下で思った2021年の年末だった。


翌日、腰が筋肉痛になった

この撮影が終わった次の日、起きたら腕だけではなく、腰も筋肉痛になっていた。多分、足の負担が普段と違う姿勢になったのが、腰に来るのかもしれない。でも、おしゃれって無理をすることって聞いたことがあるので、若者たちもきっと筋肉痛を我慢しながら厚底ブーツをはいていたのだと思う。大変なんだな。

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いつもの靴にはき替えたときの歩きやすさに感動した。ニューバランスさん、いつもありがとうございます。
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