QRコードを書道する

すがすがしく予定のない連休。ソファにだらしなく寝転がり、「…書き初めでもしてみるか」とぼんやり思い立った。

墨汁のにおいに少しワクワクする。今回の「課題」は、これでいこう。

だってQRコードってカクカクや折れ線ばかりで、書いてて楽しそうじゃないですか。これらのパターンを見たとおりに模写するのではなく、文字に見立てて、とめ・はね・はらいといった書道の基本的な筆遣いに落とし込んでいく。

ではいざ。軽く10年は味わっていない感触に、恐る恐る最初の筆をおく。

四角のパターンを見たまま模写するのではなく、あくまでとめ・はね・はらいの書道の要素に落とし込んでいく。

ただ一度仕上げてみないことには仕方ない。

そして10分後。

いやいや。何だこれは。QRらしくないし、美しくもない。何より書いていて全然楽しくなかった。目も疲れたし。

もうこの際、QRらしさは度外視して、もっと大胆に漢字に寄せたほうが楽しそうだ。

ほら。右上のマーカー（切り出しシンボルというらしい）の隣、「鳥」っぽくないですか

中央左にある十字は、「辻」にすべきだろうな

ど真ん中のあたり、これはもう「罪」

そして15分後。

いやいや。やっぱり何だこれは。

でも心なしか、ほんの少しだけ気持ちが落ち着いた気がする。これが筆文字の力だろうか。ちなみにマーカーを黒く塗ってもQRとして認識されることはなかった。