玉ねぎをぜんぶ剥く

バナナのようなスムーズさはないが…

改めて見てみると玉ねぎって、白くてつやつやで美しい。そんなに無垢な姿を見せられたら自分の試みを野蛮に感じてしまうではないか、となる。

でも、今日という今日はやるのだ。

手で直接触れているためか、いつも以上に玉ねぎのみずみずしさとの距離が近い。そして指先に若干ばかり刺激を感じる。うん。切ってるだけで涙が出てくる野菜なだけのことはあるな。

体感としては「剥（む）いている」とうより「剥（は）がしている」が近いだろう。バナナのようなスムーズな感じは一切ない。

剥けば剥くほど、剥きにくさが上昇していく。みかねた玉ねぎが「あなたが剥いているところは皮じゃありませんよ」と警鐘を鳴らしてくれているかのようである。

ごめんなさい。まだ剥きます。

包丁がなくても炒め物はつくれる 

しかし、ここで終わってはいけない。食べてこその玉ねぎである。

肝心の味なのだが、これがなんと期待値（通常の玉ねぎ炒め）を超えてくる美味さだった。ひと切れごとの大きさが著しく違うために、同じ食材を食べ続けているとは思えないほど、味や食感をいくつも感じられるのだ。 

と、ここまで試してみて気がついたのだが、今回の一番の発見ってもしかして「玉ねぎは包丁なくても調理できる」ということなのでは。

ぜひ試してみてほしい。 包丁がない時に。