弁当を解凍モードであたためる

本日の主役、冷凍されてもいないのに解凍モードで悠長に温められるのは、こちらのお弁当。

ところがいきなり出鼻を挫かれた。いかん、ご飯がほっかほかだ。

本来なら嬉しいサービスだが、残念ながら解凍モードの温め性能を測る上では余計なこと。涙を呑んで、わざわざパックの冷やご飯をつめかえる。

さてもう一方の主役。我が家で勤続6年目を迎えるシャープ製の電子レンジ。

一切の便利機能が省かれた、質実剛健な電子レンジ。オーブンもスチームもない代わりに、家庭用としては強めの700W。これまで「食品を温める」こと一本でおれの食生活を支えてきてくれた。

普段の「温めモード」であれば 、40秒でたいていの弁当はしっかり熱くなる。なのでまずは解凍モードでも40秒チンして、実力を測ろう。

40秒後。

あまりに静かだ。ジューともパチッとも言わない。試しに肉をひとつ、つまんでみる。

まだうっすらと脂が白く残る。唇に触れた瞬間、飲み会が終盤になっても残されている料理の温度だなと思った。ぬるい。

そこでもう40秒チンしたものがこちら。

一見、温かそうな色見にも見えるが、

ホッカイロの上に10分置いたくらいの温かさ。つまりぬるい。お気づきかもしれませんが、一度レンジするごとに肉がひとつずつ減るシステムです。

さらに40秒。これで累積2分だ。

変わりばえしない画が続いてすみません。でも今回は手応えがある。弁当の底を持ったときに確かな熱を感じるのだ。

ところが。

ソーセージを噛んだところ、やはりぬるかった。しかもこれは「冷たい寄りのぬるい」。さっきの肉よりも明らかにぬるい。温めムラというやつだ。

そしてさらに40秒。

そのときは急にやってきた。これだ。これがおれのもとめているアツアツの弁当だ。先ほどまでの寝ぼけたような温かさとはまったく違う。120秒から160秒までの間に、臨界点があったのだ。

解凍モードで弁当を温める場合、普段の4倍の時間がかかる。覚えておこう。生きているうちにこの知識を使う日が来るのかは、わからない。