超簡単にペン回しできる指輪を作る

ぼんやり持っていた夢がいきなり叶う

私は、絶望的にペン回しができない。それでも、打ち合わせの合間の息抜きに、戯れに回してみようとするのだが、ペンは親指付け根の合谷あたりをよろよろと力なく伝って滑り落ちるのみである。だいたいこんな風に。

あまりに不安定すぎて画角が横位置になってしまった。動画でお届けするほどの絵でもない。合谷あたりを延々とフラフラするペンなんて見せてもしょうがないのである。

いっぽう、私はおととし、「ベアリング」という精密部品に出会い、それで記事（「ベアリングマ」を作った）を書いた。いまや懐かしいハンドスピナー他、物体の回転を摩擦少なく円滑に行うのに役立つ部品である。

そうだ、これを使って、うちにある指輪の台座にペンとともに取り付ければ、誰でも簡単にペン回し達人になれるんじゃないか？

そうと決まれば早速制作だ。新しいビジネス誕生の瞬間か？！と色めき立った。品名は「いきなりペン回し達人！ペンデリング君」で決まりだ。

問題はどうやってペンと指輪とベアリングをつなげるかだ。円筒や軸を組み合わせればいけるだろうが、それには各部の精密な計測が必要で、となると３DCADと３Dプリンタでいくしかない。CAD使ったことないので、Webで使える簡単な３DCADサイトを探し、測った数値どおりに恐る恐る設計していく。

人生初のCAD。最先端の開発者の方々には感謝しかありません。

できたデータをプリンタ用に変換し、うちの３Dプリンタを久々に駆使して、出てきたのがこれだ。感動するしかないな。

さて感動にひたる間もなく、色を塗って、ボンドや強力両面テープでペンに取り付ける。これであのソニックやループが思いのままになるのだ…！

ではさっそく回してみよう！

とはいうものの、これはこれでけっこうコツが要るのだった。他の指に当たらないよう、うまく回さないといけない。片手で弾くのもちょっと難儀だ。

調子に乗った初心者はすぐ応用編をしようとします。

どうだろう。薄目で、かつ遠巻きに見れば、私もあのペン回し達人になれたのではないだろうか。

完全にネタではあったのだけど、指にはめているとついつい回してしまう。これこそ古今のフィジェットが融合した、最強のフィジェット玩具なのでは。

自粛中は、このペンデリング君を精進し、来たる大会に備えようと思います。