特集 2020年2月18日

長野のローカルチェーン「テンホウ」で思った5つのこと

長野では有名なローカルチェーンに行きました!

老若男女に愛されるローカルチェーンというのは各地にある。地元の人には愛されるが、他の地域にいるとその味を確かめることができない。そんなのずるいじゃないか。そういうローカルチェーンが長野県にあるらしい。行ってみることにした。

1988年神奈川県生まれ。普通の会社員です。運だけで何とか生きてきました。好きな言葉は「半熟卵はトッピングしますか?」です。もちろんトッピングします。(動画インタビュー)

前の記事:海鮮丼を求めて早朝の市場へ行く~東急沿線さんぽ


長野県にある「テンホウ」というお店

そのお店の名前はテンホウというらしい。街の中華料理屋のような親しみのある名前である。私は知らないが、もしかしたら有名なチェーンの可能性があるのでTwitterでアンケートをとってみた。

 

216票で80%の人が知らない。なので地球上のほとんどの人が知らないと言っていいだろう。

一方、知っている人からは「ど定番です!」「安いので学生の頃よく行っていました!」「店舗によって結構味やメニューが違います」というコメントをもらった。そうか、みんなの意見はわかった。まとめると行くしかないということだな。

現地に確認しに行く

今回来たのは長野県松本市である。実はテンホウは長野県全域に広がるチェーン店ではなく、諏訪湖を中心に展開するチェーン店である。なので、長野県民でもテンホウを知らない人も多いそうだ。

知り合いの長野出身者に聞いたら、「長野は盆地が違うと生活の共通項がなくなる」らしい。「でも、信濃の歌(県歌)はみんな知っている」らしい。調べたら歌詞に自然があふれていて心の中に花が咲いた。

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松本駅には誰でも自由に弾けるピアノがあるのでみんなで弾きにいこう。
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ご当地のモスバーガーにも心ひかれたが耐えた。ラーメンを食べるから。

思ったことその1 タンタンメンを食べた方がいい

アンケートを採ったところ「タンタンメンは絶対に食べたほうがいい」という意見が多かった。なので絶対に食べたい。明日、健康診断だったとしても食べたい。

松本駅から歩いていると大通り沿いに気持ちいいほどシンプルな「テンホウ」の大きな看板が出てくる。

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感謝デーについては後で触れるので見なかったことにして下さい。
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松本駅から歩いて10分ほどで渚店に着いた。
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のぼりでも人気を押し出してくる。

中に入ってメニューを確認する。ラーメンだけではなく、色々なメニューがあって迷ってしまうがここはタンタンメンを頼もう。

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ちょうどいい見た目。

色々な具材が乗ったラーメンもおいしいが、必要最低限の具材だけのシンプルなラーメンが食べたくなることはないだろうか。安心するラーメンである。

そして、味だ。辛くないのに「タンタンメンだ!」となる。食べた瞬間にゴマの風味が口の中にぶわっと広がる。風味豊かでコクがある味の中にも素朴で後味がさっぱりしている。毎日食べられるような味だ。

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少しひいたタンタンメンの画像を改めてご覧下さい。

そして、おすすめなのが肉揚げのトッピングである。豚ロースを特製のタレで漬け込んで揚げたものである。

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寝ているときにこれを顔にのせられても怒らないと思う。

「豚 特製のタレ 揚げる」で思わず検索してしまうぐらいおいしい。タンタンメンに乗せると、衣のカリカリの部分とスープを吸ってフワフワになった部分の食感を楽しむことができる。

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多分、お昼前にこの画像を見たら世の中の人、全員よだれが出てくると思う。
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長野の人、ずるいって思った。

思ったことその2 餃子を食べたほうがいい

タンタンメンもおいしいが、忘れていけないのが餃子である。テンホウの餃子は多分、全国でもここでしか味わえないぐらいオリジナリティあふれている。という話を聞いたので食べてみよう。

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かわいい小皿を見ながら餃子を待つ。
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この焼き目、日本の絶景100選に選ばれてもいいな。

きつね色の焼き目がおいしそうな餃子であるが、見た目は普通の餃子である。なにが違うのだろうか。

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中を割ってみたが、中も普通の餃子だ。
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ただ、味が違う!(違いに気づいた)

具材は肉と野菜で同じなのだが、隠し味に八角やシナモンなどの香りの強い香辛料が入っている。

食べた瞬間に八角の香りが口の中に広がって、普段食べている日高屋の餃子と違ってびっくりする。でも、みんな違ってみんないいのでおいしいです。

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ちなみに長野名物料理、野沢菜の漬物がたっぷり入った野沢菜餃子も店舗によっては置いてある。
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上が普通の餃子、下が野沢菜餃子。緑なので目に優しいし、シャキシャキしておいしい。

思ったことその3 餃子のタレはお酢と七味唐辛子でもいいなと思った

そして、このぎょうざであるが普通、しょうゆ、お酢、ラー油で食べるのが一般的だが、テンホウでは違う食べ方がある。

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餃子専用のお酢と、
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七味。
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混ぜたものを神のしずくと名付けた。(我慢できなくて一度餃子につけてしまったことは内緒にしてください。)

餃子専用のお酢。周りには染まらない、自分だけの世界観を持った職人気質のようなかっこよさがある。将来、餃子専用のお酢みたいな人になりたい。

このお酢、岐阜県で100年以上続く内堀醸造というところでテンホウの餃子の為に特別に作られたそうで、うま味と甘みが餃子と合わさるとたまらないおいしさになるそうだ。

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米酢。お米と餃子っておいしいじゃないですか、そういうことです。
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七味も長野の有名なお店のものなので全部にかけても大丈夫です。

食べてみると、お酢、七味唐辛子、餃子、全ての風味が爆発して口の中が風味祭りになる。酢とコショウで食べるのが流行っているが、七味とお酢で餃子を食べるのもありかもしれない。

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月に2回、餃子が半額の日がある。140円は激安だ。ペットボトルの飲み物より安い。

思ったことその3 チャーメンって名前がかわいい

タンタンメン、餃子の他にも食べたほうがいいメニューがある。どこのお店にもあるのだが行っておきたいお店がある。

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それが富士見桜ヶ丘店。

実はここのお店、テンホウで野菜炒めラーメンを初めて出したお店である。それがヒット商品となる多くのお店の定番メニューとなったそうだ。

寒いときに食べる野菜炒めラーメンは絶対においしい。食べようと思ってメニューを開くと違うメニューに心を奪われてしまった。

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チャーメン。犬の名前でつけたいぐらいかわいい。

チャーハンじゃない、チャーメンである。野菜炒めが乗った汁なしラーメンだ。男の料理という豪快さがある。

このメニュー、テンホウの前身となる店「つるの湯 餃子菜館」というお店で出していた初期からあるメニューとのこと。

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温泉卵をトッピングしてみた。
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明日、いいことが起こりそうな気がする。
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この幅広で少しちぢれた麺とドロッとした黄身が混ざったら、間違いないおいしさ。

シャキシャキした野菜とモチモチした麺、タレがさっぱりしながらもコクのある味でばつぐんにうまい。

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おいしくて後光が差した。

思ったことその4 隣同士でお店が並んでいてはしごしやすい

現在、営業中の店舗の中で一番古いと言われている城南店。「おいしいものをありがとうございます」とお礼を言いに来た。

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この外観だけでなんだか優しい気持ちになるぐらい、テンホウのことが好きになってきた。
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お店の横に書かれているキャラクターたちと「みんな大好き」。俺の方が好きだ。

ここではお店の名前がついた「テンホウメン」をいただくことにした。

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こちらがテンホウメン。長崎チャンポンみたいなラーメン。

炒めた野菜を白湯スープに入れた、長野にいるのに長崎にいるのかと錯覚してしまう長崎チャンポン風ラーメン。

見た目は濃厚そうだが、するすると食べられる。お酒を飲んだあとのシメでこれを食べたい。あと、お腹が減っているときにも2杯食べたい。

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見た目ほどくどくないのはきっと作った人の優しさがつまっているから。
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テンホウではソフトクリームも人気商品。老夫婦が分け合って食べていた。いい光景。

満足したので次のお店へ向かおうとお店を出た。すると、タンタンメンののぼりが出ている。なんでお店から少し離れておいてあるのかと思って上を見上げたら、答えがあった。

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(タンタンメンが人気なのは知っているよ、だってさっき食べたから)と思いながら上を見ると、
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お前もテンホウだったのか。
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テンホウが並んでいる。

実は隣のテンホウは「中華そばてんほう」というお店で、ここにしかないお店だ。鶏ガラのスープの中華そばがおすすめらしいが、他にもおいしそうなメニューが数多くある。無限に食べることができれば全部食べてしまうのに。

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通常店舗のメニューもあるが、
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意表をついてくるメニューもある。

限界突破タンタンメンを食べてみたい気持ちもあるが、いやどうだと葛藤をしながらメニューを見ていると、気持ちが一番動いたメニューがあった。

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ただのカルビじゃない。上カルビだ!
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これが上カルビ定食。日本中のハラペコ学生に食べさせてあげたい。

ラーメン屋でメインであろう、ラーメンを頼まない勇気。大人になるってこういうことを言うのだろう。噛む度にあふれる肉汁と絶品のタレで白飯を食べ、合間にラーメンを食べる。生きていることを実感できる。ラーメンも食べたくて小さいのを頼んだ。自由ってこういうことだ。

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甘辛いタレと肉の脂のうまさと言ったら、ご飯4杯は食べられる。
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白飯って、肉にも合うし、ラーメンにも合うな。
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食べているときに気づいたが、ものかげから龍がこっちを見ていた。

思ったことその5 辰野店のど真ん中メニューは食べた方がいい

今回、最後の訪れたのは辰野店である。

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雪ですべってカメラを落としたときは肝を冷やしましたが、そんなことよりも気温がマイナス1度で肝どころか全部冷えています。

辰野店は今回訪れたお店の中でも一番オリジナルあふれるメニューが多くあるお店だ。何度も通って全メニューを制覇したい。

後で入ってきたお客さんは変わったメニューではなく、普通にタンタンメンを頼んでいた。さすが人気商品。

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普通の餃子もあるがネギぽんぎょうざやお好み焼き風ぎょうざなど、他のお店では見かけないメニューがある。興奮してきたな。
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オリジナルという言葉に弱いのでカレーを頼んだ。
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小盛りを頼んだが、普通にお腹がいっぱいになる量が来た。

オリジナルスープで作られたカレーを食堂で食べるカレーとはひと味違って、スパイスの向こう側にうま味がぎゅっとつまっている感じがする。これだけでもいいなと思っていたが、頼まなければならないメニューを見つけてしまった。

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ど真ん中ラーメン。

辰野町のホームページによると「日本の緯度と経度が0分00秒で交わる点が国内に40カ所ほどあり、その中でも、辰野町のゼロポイントは「日本の地理的中心」である、との記載が「信州学大全」(元長野県立歴史館館長 市川健夫氏著)にあります」とあり、ど真ん中をモチーフにした町おこしをしている。

その中のひとつで、ど真ん中メニューというのを各飲食店で提供しており、ここのテンホウではど真ん中ラーメンとど真ん中カレーを提供しているのだ。

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こちらがど真ん中ラーメン。旗が刺さっているメニューを食べるのは子ども以来だ。

運ばれてきた瞬間、「二郎か?」と思ったが、野菜が350g、えびしんじょ(エビをすり身にして山芋や卵と混ぜて蒸したもの)、肉揚げ、カツ、ちくわの磯辺揚げが乗ったボリューム感あるラーメンがど真ん中ラーメンである。

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上カルビ定食を食べたあとに食べるメニューじゃないな。

カレーとボリュームのあるラーメン。「へー変わったメニューがあるのなら食べてみよう」と気軽に頼んでいいラーメンじゃなかった。

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本気を出すので上着を脱いだ。

ここからの記憶がない。一人フードファイト状態で必死に食べた。俺の胃袋は宇宙だと15回ぐらい心の中で叫んだ。

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終盤、遠くを見つめることが多かったが諦めたらそこで試合は終了なので食べた。

食べ切れないと思ったが、気持ちでカバーしてなんとか食べきった。胃袋が120%まで膨れても「食べきるぞ」という強い気持ちを持てばなんとかなるものだ。

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ごちそうでした。

お腹いっぱいすぎて頭がボーッとする。この後、東京へ帰る高速バスが全然来ないなと思っていたら、バス停を間違えていた。それぐらいおいしかったということだ。


回れなかったお店や紹介したいメニューもまだまだあるが、長野に来た際には一度行ってみてほしい。懐かしくも味わったことのない味がそこにはある。


愛されるローカルチェーンはまだまだありそう

お店に入ると色々な世代の人が楽しく談笑しながらご飯を食べている。家族の憩いの場であったり、友だち同士が語り合う場であったりと様々だ。地元に根付いたチェーン店の良さを改めて感じた。なんか、新聞に出てくる文章のシメになったな。

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2日間で6つ貯めた。有効期限までになんとか全部貯めたい。

 

 

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