特集 2020年8月14日

まだ間に合う夏の工作。磁石でイライラ棒ゲームを作る

夏休みの宿題といえば自由研究や工作だ。今回、磁石を使ったイライラ棒ゲームをしょうかいする。かんたんに作れてしかも遊べるので、おすすめです。

1992年三重生まれ、会社員。ゆるくまじめに過ごしています。ものすごく暇なときにへんな曲とへんなゲームを作ります。

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> 個人サイト ほりげー

夏休みのてごわい宿題

夏休みはやっぱり短い。それでも子供たちは読書感想文を書き、自由研究や工作をこなさなければならない。これは大変だ。

でもだいじょうぶ。当サイト「デイリーポータルZ」の記事は、ほとんどが自由研究のようなものだ。工作の記事もたくさんある。どんどん参考にしてもらいたい。

で、今回の記事は、よりいっそう「小学校の夏休みの工作」を意識している。今回作るのは、だれでもかんたんにおよそ1時間で作成できる、磁石(じしゃく)を使ったイライラ棒(ぼう)ゲームである。これから工作のネタを考える子供たちは、ぜひ参考にしてもらいたい。

磁石を使ったイライラ棒ゲーム

今回作るのはこちら。

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磁石でイライラ棒ゲーム!

道の両側に強力な磁石が置かれている。この磁石にくっつかないように、しんちょうにスタートからゴールまで磁石を動かす。磁石の引き合う力を使ったゲームだ。

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こうやって、編み棒(あみぼう)を使ってスタートから磁石を動かしていく。
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とちゅうで磁石にくっついてしまうと、ゲームオーバー。

動画だと、「パチン」という音を立てて磁石がくっつくのがわかる。けっこうびっくりする。

用意するもの

さっそく作ろう。用意するものはこちら。

用意するもの
  • 小さいネオジム磁石 約50個
  • 40cm × 60cmのコルクボード 1個
  • A2サイズの紙 1枚
  • 編み棒10号 1個
  • 油性ペン 1個
  • プラスチック用接着剤1個
  • 画びょう 16個

 

小さいネオジム磁石は、Amazonで買える。とても強力な磁石だ。

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こんなに離れていてもくっつく!

強力すぎて、磁石同士がくっつくときに、かけらが飛び散ることもある。目に入ったら危ないので、使うときはメガネや安全メガネを着けよう。

もう一つ注意。強力な磁石をパソコンやカメラや時計に近づけると、こしょうの原因となってしまう。磁石をパソコンやカメラや時計に近づけないようにしよう。

それ以外の材料は全部、100円ショップで買える。40cm × 60cmのコルクボードはダイソーで300円で買った。100円ショップなのに300円で売られているのは、ちょっとおかしいね。

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コルクボード。もっと大きい板でもいいけど、学校に持っていくのが大変になるので気をつけよう。

接着剤はダイソーで「プラスチック用ボンドGPクリヤー」を買った。有機溶剤(ゆうきようざい)をふくんでいるので、使うときは部屋のかんきをしよう。

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この接着剤はそこまで強力ではないので、指に付いてもすぐにお湯で洗い流せばよい。
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作り方

ここから、作り方をしょうかいする。まずは、画びょうを使って板に紙をはり付ける。

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こんな感じ。これでしっかり紙を固定できた。

そして、接着剤で磁石を板にはり付けて、ペンでコースをかく。

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こんな感じ。コースを考えるのも楽しい。スタート地点に「START」、ゴール地点に「GOAL」と書いた。

磁石を板にはり付けるときは、表と裏に気を付けよう。磁石には、S極(エスきょく)とN極(エヌきょく)がある。S極とN極は引き合うが、S極どうしや、N極どうしは反発する。

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今回の学びポイントです!磁石の性質を覚えよう。

今回は、棒で動かす磁石とコースの磁石が引き合うようにするため、コースの磁石はぜんぶ同じ向きにするとよい。

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例えば、コースの磁石は全部N極が上になるように置く。そして、棒で動かす磁石はS極が上になるように置くと、おたがいに引き合うようになる。ちなみに、N極かS極かは目では分からないので、すでに置いた磁石と引き合うか反発するかで向きを考えると良い。

自信のない人はえんぴつで下書きをしよう。でも、万が一失敗しても、画びょうを外して新しい紙をはり付ければやり直せる。紙はよぶんに用意しておくと安心だ。(ぼくは2回しっぱいした。)

さて、実はもうこれで完成。あっという間だ。さっそく遊んでみよう。コースに置いた磁石たちと引き合う向きでスタート地点に磁石を置き、編み棒で磁石をはじいてゴールを目指す。

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編み棒ではじくのがポイント。最初は、なれていないのでむずかしい。
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パチン。とちゅうで磁石にくっついてしまうと、ゲームオーバー。イライラするね。

いまさらだけど、どうしてイライラ棒というのか。今から20年以上前、ぼくが保育園生か小学一年生のころ、「ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー これができたら100万円!!」というテレビ番組があった。イライラ棒はその番組のきかくの1つで、コースに当たらないように棒をスタートからゴールまで進めるというものだ。本物は、とちゅうで棒がコースに当たってしまうと、電気が流れる。僕は毎週どきどきしながらテレビにくぎ付けだった。

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「炎のチャレンジャー」にくぎ付けのほり少年。

よりうまく作るコツ

ここで、よりうまく作るコツをしょうかいする。一番大事なのは、コース設計(せっけい)だ。コースが広いとかんたんで、せまいとむずかしい。そこで、より楽しいゲームにするには、スタートの近くはコースを広くし、だんだんとせまくするとよい。スーパーマリオも最初のステージはかんたんで、だんだんとむずかしくなる。

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だんだんせまくなるようにした。

他にも、コース設計の技がある。Uターンは難関(なんかん)ポイントだ。こういうのがあるとゲームがもりあがる。

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ここはUターン。かなりむずかしい。

また、先ほど、「コースの磁石はぜんぶ同じ向きにするとよい。」と言ったが、わざと、ぎゃく向きにしてもよい。そうすると、反発する力が発生するので、面白い。

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円形のエリアには、他とは逆向きに磁石が置かれている。そのため、編み棒で動かす磁石とは反発する。プレーヤーは引き合う力だけでなく、反発の力にも気を付ける必要がある。

コース設計の他にも、コツはある。紙の部分に絵をかいてデコレーションしてもよいし、棒で動かす磁石にかざり付けをして、物語の一部にしてもよい。たとえば、棒で動かす磁石にカメの絵の紙をはり付ければ、「うさぎとカメ」を表すこともできる。

さらに言えば、LEDテープを使うと、ハデなゲームにすることができる。

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こちらのLEDテープは、Amazonで買えます。
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LEDテープをはり付けた様子。お~。ビカビカしてかっこいい。

こうやって工夫をしていくのが楽しい。夏休みの自由研究・工作は、自分で工夫を見つけて楽しんでするものだ。今だから白状すると、ぼくが小学生の時は、ほとんど全部父親に作ってもらっていた。木材を使ったコリントゲームや、空き缶を使った飛行機などを作ってもらった。今思うともったいない!せっかくの楽しむチャンスを、ぜんぶ父親に丸投げしていた。

そして今、大人になったぼくは、毎月のように自由研究のようなことをして記事を書いている。これは、小学生のころの反動なのかもしれない。

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遊んでもらおう

せっかくなので、完成した磁石イライラ棒ゲームを遊んでもらおう。チャレンジしてくれるのは、デイリーポータルZの藤原さん、石川さん、安藤さん。

 

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藤原さん「くっついたしゅんかんに、『自分が気を抜いていた』と気付かされますね」

そう。これは自分との戦いなのだ。いかに気を抜かず、集中できるか。少しでも気を抜くとたちまち「パチン」と音がしてゲームオーバーだ。

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パチン

編み棒は1本だとあまりにもむずかしすぎるので、とちゅうから2本使うことが公式ルールになった。

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2本使ってもパチン。

けっきょく、だれもクリアできなかった。ほこらしい気持ちになるとともに、「むずかしくしすぎたかもしれない」と不安に思い始める。

そこで、家に帰ってから自分でも1時間ほどチャレンジした。やはりむずかしい。ぜんぜんクリアできない。

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Uターンにひっかかる
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あせると、かんたんなところでもミスしてしまう

一番おしかったのがこれ。あ~!イライラする!


楽しむ方法はたくさんある

今回は、磁石を板にはり付けただけでゲームになった。このように、楽しむ方法はたくさんある。林さんはZoomのバーチャル背景を使ってクイズを出していたし北向ハナウタさんはGoogleストリートビューで動物を探していた。どんなものでも遊びになる。楽しい夏休みにしよう。

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