特集 2020年4月13日

キリン研究者と巡る 自宅でアフリカの動物鑑賞

Googleストリートビューでアフリカを歩こう

デイリーポータル Zにライターとして入ったきっかけは『上野動物園を外から覗いた、の話』という記事を書いたことだった。

上野動物園の外側からでも動物が見えないか、覗いて歩きまわるというものだ。2017年の春のことである。

埼玉生まれ、神奈川育ち、東京在住。会社員。好きなキリンはアミメキリンです。右足ばかり靴のかかとがすり減ります。(インタビュー動画)

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歩きまわる前に下見として動物園をGoogleストリートビューで見ようとしたところ、うっかり園内に入ることができることに気が付いた。大層びっくりした。

人気のハシビロコウもしっかりと。こんなにいいんですか

それ以来たまに動物園をストリートビューで散歩したりしているのだけど、ある日Twitterのタイムラインにて、アフリカの公園にピンを立て野生の動物たちを鑑賞している方がいることを知った。

なにこれ、絶対に楽しそうだ!

今日はそのアフリカの動物鑑賞をしている郡司さんにお話をお伺いし、一緒に地球の裏側にいる動物たちを鑑賞しようと思う。

一瞬で自宅からアフリカへ

さて、Googleストリートビューとは「ある場所の周囲を、実際に歩いているかのようにインターネット上で体験できるサービス」である。はじめて行くところの雰囲気を確認するために黄色い人形(ひとがた)をマップにつまんで放ったひとも多いと思う。

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今日はこんな具合にリモートで鑑賞します

動物が鑑賞しやすいという、ケニアとタンザニアの国境沿いに位置するマサイマラ国立公園へ来た。一瞬で1.2万km離れた地球の裏側へアクセス可能なのだ、すごいぞ未来。

郡司さんのナビゲートのもと公園のゲートをくぐり、しばらく歩くと見えてきたのは…キリンだ!

ストリートビューで動かすと、キリンの走る様子が見られます

郡司:この子はマサイキリンというキリンで、模様がくしゃくしゃっとしているのが特徴です。
北向:そうか、ここマサイの公園ですもんね。
郡司:そうなんです、まさに本場の。体も大きくツノも立派で、単独でいるのでオスかなぁと。

すらすらっとキリンの特徴が説明される。それもそのはず、郡司さんの本職はキリンの研究者。動物観察におけるプロ中のプロなのだ。

林:キリンって群れないんですか?
郡司:メス同士や子どもは群れるんですけど、オスは単独でいることが多いようです。
郡司:あ、こっちはキリンの群れです。
林:えっ、あれって低いところの草食べてます?

高いところの草木を食べるイメージのキリンが!首をもたげている!

郡司:そうなんですよ、キリンは食事の時間の半分は肩より下の葉を食べると言われています。
林:意外…!

北向:確かに、赤ちゃんキリンはそもそも高い草木に届かないですもんね。
郡司:そうですそうです。子ども向けの図鑑などでは「高い位置にある植物を食べるために首が長い」と書かれてますけど、この説自体はみんなが信じているわけじゃなくて、
「じゃぁ子どものキリンはどうするんだ」とか「メスもオスと同じくらい背が高くないとおかしいんじゃない?」ということも言われていて、もっと別に首が長い理由もあるんじゃないの、という話もされてます。
※:キリンはオスよりメスの方がちょっと背が低い

最近わかったことなどもたくさんある。でもそれが図鑑に反映されるのにはまた時間がかかるのだ、ということだそうだ。

筆者もキリンが好きで、鹿児島までマサイキリンを見に行ったりキリンケンタウロスになったりしたけれど、郡司さんのキリン愛には到底、遥か遠く及ばない。

なにせ、前述のマサイキリンを取材した際に「最近、キリンには”8番目の首の骨”と言える部分があることを、ひとりの女性が発見した」と聞いていたのだけど、郡司さんがまさにその構造を発見した張本人なのだ。

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キリンの8番目の首の骨については郡司さんの著書にわかりやすく愉快に書かれているのでぜひ

そんな方と動物鑑賞をできるなんてめちゃめちゃ幸運である。さぁさぁ楽しみは続くぞ。

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キリンケンタウロスになってよかった〜
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図太い、図太いぞシマウマ

というわけで改めて参加者の紹介です。

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(写真上から反時計回りに)
郡司芽久:幼少期よりキリンが好き。キリンの研究者として第一線で活躍している。著書に『キリン解剖記』
林雄司:デイリーポータルZ編集長。ハトが好き。動物全般もたぶん好き
北向ハナウタ:筆者。幼少期よりキリンが好き。キリンのケンタウロスになるなど多少愛情表現が歪んでいる


さて。この3人でお送りする動物鑑賞を終始もり立てたのは他でもないシマウマである。
このストリートビューの映像は車で撮影されているため、警戒する動物たちも多い。その中で彼らはかなり、異様に近くまで寄ってくるのだ。

郡司:シマウマは車が近くまで来ても怖くないみたいで。わりと図太いです。
北向:はー、全然逃げないですね…!

この距離でも知らん顔。人間に慣れきったハトを思い出すな

シマウマの図太さは筋金入りで、動物園の飼育員に聞くと他の動物に嫌がらせまでするらしいとのこと。

郡司:動物園でも混群(こんぐん)といってキリンやダチョウなどアフリカの動物をまとめて展示する園がけっこうあるんですけど、そうするとシマウマが他の動物の子どもを追っかけていじめたりするらしいんですよ。

気弱さゆえの行動とかでもなく、飼育員の方々がいうには「性格がアレなんじゃないかと思う」ということらしい。性格がアレ。

郡司:あまりそんなイメージないですよね。どちらかというとシマウマって擬人化するとのんびりしておだやか、という感じがしますけど、こうやって車が来ても平気な様子を見ると、やっぱり気が強いんだなと思います。

このシマウマのふてぶてしさ、ずっとおかしかった。動物鑑賞が終わった頃にはすっかりファンというか、とても気になる存在になっていた。

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