ページを開いたときの衝撃
大学の授業で、江戸時代の文章を読む課題が出たときのこと。
大胆にくずして書かれた文字が読めず困っていたところ、先輩から「この本で調べてみなよ」と渡されたのが、
思わず本を閉じてしまいました。
早く閉じないと、文字が本から飛び出してしまいそうだったからです。
かなり頼れる字典
あまりの文字の自由度に度肝を抜かれたこの『五體字類』、漢字のさまざまな字体を収録した字典であります。
『五體字類』の初版はなんと大正5(1916)年。100年もの間売れ続けている超ロングセラーです。
発売された当時は、毛筆で書かれた文字がほとんど。昔の人でも、くずして書かれた字は読むのに困ることも多かったそうです。そういった日常生活の場面で使うことを想定して作られた『五體字類』はめっちゃくちゃ売れたのだとか。
今でも大学研究の調べ物に使います。かなり頼れる存在です。
枠線にとらわれないダイナミズム
『五體字類』は内容が充実していて便利なのはもちろんですが、やはり大きな魅力は
枠線をゆうゆうとはみ出す文字の力です。
ちまちま線に合わせることなく、バン!とレイアウトされていてカッコいいです。
1つの芸術作品として愛でています。
それでは、私のお気に入りページ3つをご紹介したいと思います。
マイお気に入りページ第3位:とんでく「飛」
まずみなさんにお見せしたいのはこちら、
これは一つの絵画として見ていただきたいです。
一番上の大きな「飛」の上昇感はさることながら、その下にくずした書体の「飛」がバラバラと続きます。まるで「飛」ロケットが発射され、煙が噴き出しているよう・・・。
漢字の意味と形とレイアウトが織りなすハーモニーが最高の1ページです・・・!
第2位:わらわら集まる石へんの漢字群
どデカい文字も良いのですが、小さめの字がぎゅぎゅっと集まってるのもまた良い・・・。
普段は線に沿って整列してるけど、今日は無礼講・・・という歩行者天国的な自由さも感じ取れます。
第1位:遊び心の「酒」
私的第1位は「酒」のページです。
これぞ「酒マトリョーシカ」です。
さらに、左のさんずいの間にも、小ぶりな「酒」が入っております。
デカい文字の中に別の文字を収納!スペース生かしまくりの遊び心のあるレイアウトに心いぬかれました。私的第1位です。おめでとうございます。
四角四面な文字に飽きたら
日々、パソコンや活字で四角四面な文字ばかり見ていると肩がこります。
そんな時にはぜひ『五體字類』をひらいて文字がワイワイうごめく様子に元気をもらってください。
元気を出したいときにどうぞ
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